The post 【年間ベスト】年間ベスト2022(今年の9枚+1)を振り返る first appeared on TASHINAMI MUSIC.
]]>このあたりから社会人になったこともあり、特にCDをガサガサ買い漁るように。
年間ベストのセレクトに関しても、
いろいろ聴くようになっただけに年々難しくなっている気がします。
2022年版 #今年の9枚(左上から)
Diamond Star Halos / Def Leppard
IMPERA / Ghost
Back From The Dead / Halestorm
The Sick,The Dying… And The Dead! / Megadeth
I Live Too Fast To Die Young! / Michael Monroe
Get Rollin’ / Nickelback
Patient Number 9 / Ozzy Osbourne
Unlimited Love / Red Hot Chili Peppers
The Gang’s All Here / Skid Row
この年は特に中堅~ベテラン勢のアルバムがこれでもかと大豊作で、
上半期からあまりの豪華さにずっと頭を悩ませていた記憶。
ここに追加で
4 / Slash Feat. Miles Kennedy & The Conspirators
を入れて、2022年は年間ベストとして10枚チョイスしています。
この年のFM802″ROCK ON AWARD 2022″のトップ3には
1位 IMPERA / Ghost
2位 Diamond Star Halos / Def Leppard
3位 The Sick, The Dying… And The Dead! / Megadeth
を選出しています。
当時の番組ではメガデスとオジーが熾烈な人気投票1位争いを繰り広げていました。
ということで、以下に当時選出した10枚と、その寸評を残しておきます。
現在のバンドの状態を反映したような会心作!
リードトラックの“Kick”が出た時点で、
これは凄いアルバムになるぞと構えていましたが想像以上でした。
曲の充実度、全体の構成含めて素晴らしいアルバムでした。
本編15曲というなかなかの大作ではありますが、
A面~D面というような構成が見て取れる曲の配置になっており、
バラードがブックエンドのようにアルバムを絶妙な位置で引き締めていたのが印象的でした。
個人的に好みだったのはエスニックな“U Rok Mi”。
“Slang”(1996)を通過したからこそ出せる味だと思っています。
実は形態によってボーナストラックが異なるのがファン泣かせな一枚でもあったり。
すっかり世界的アクトに上り詰めた感のあるGhostの5th。
この年自分が一番聴いたアルバムです。(Spotify調べ)
リリースされたのが早い時期だったからでもありますが、
前作“Prequelle”(2018)の親しみやすさをさらにパワーアップさせつつ、
中盤にはヘヴィでありつつもディズニー映画のヴィランの曲のような雰囲気のある“Twenties”、
ラストには長めのギターソロで〆る曲を配していて隙のない一枚でした!
この音楽性はきっとさらに多くのファンを獲得してくれるものと信じています。
……と思っていたらこの年、
Ghostが2019年にリリースした“Mary On A Cross”が、
突然「TikTokの曲」としてバズる!という摩訶不思議な事態に。
2025年1月現在も、Spotifyで調べたところでは
(2位“Square Hammer”にトリプルスコアをつけての)再生回数圧倒的1位。
B面扱いだったにもかかわらず、押しも押されもせぬ代表曲に!
しかも9月にはボーカルのパパ・エメリトゥス4世が、あのメイクで始球式に登板!!
“IMPERA”で堂に入ったアリーナロックを聴かせてくれたGhostですが、
次のKISSのようなポピュラリティを獲得するのは彼らなのかもしれません…!
日本での人気も何とかここまで高まってくれないものか……再来日希望!
以下はライブ映画“Rite Here Rite Now”のサントラ(ライブ盤)。
驚異の歌唱力を誇るリジー・ヘイル率いるHalestormの5th。
1曲目に据えられたタイトル曲“Back From The Dead”の強烈なシャウトでKO。
その後の曲もミッドテンポ主体ながら強靭なグルーヴと声の説得力で聴かせてくれます。
そして本編ラストのピアノ弾き語りで綴られるバラード“Raise Your Horns”は、
ロックを愛するファンに捧げられた感動必至の名曲。
同年にはボーナストラックを追加したデラックス盤も発売。
“Mine”や“Wannabe”など、キャッチーな曲が多いのでこちらも是非。
1曲目のタイトルトラックから、
“Dystopia”(2015)からタッグを組みはじめたキコ・ルーレイロとのコンビネーションが
さらに進化していることが伝わってきました!
本編ラストの“We’ll Be Back”はバンドの好調を物語るような新たなアンセム。
2月の大阪公演が今から待ちきれません!
2025/01/02追記:
これは当時FM802″ROCK ON”に送った文章なのですが、
まさか2023年の来日公演がキコのいるメガデスを拝める最後の機会となるとは……
バンドは生き物だなとつくづく思わされました。(特にメガデスにおいては)
ソロになってからもコンスタントにアルバムを発表し続けるマイケル・モンローの現状最新作。
この体制のバンドになってからは5枚目のアルバムにあたります。
ハノイっぽさもある1曲目“Murder The Summer Of Love”に始まり、
スラッシュも客演した文字通りファストなタイトルトラックや、
“Everybody’s Nobody”や“No Guilt”といった胸焦がすようなエモーショナルな曲など、
とにかく高品質な曲が揃った良いアルバムです。
大半の曲を手掛けたリッチ・ジョーンズ(Gt.)の手腕に拍手。
ニッケルバックのニューアルバムですが、
まず今までとはまるで違うテイストのジャケットで驚きました!
ジャケットの雰囲気やリードトラック“Those Days”からは
“Dark Horse”(2008)に収録された“This Afternoon”のレイドバックした感じを連想しましたが、
それだけでなく1曲目の“San Quentin”のような
「このバンドらしい」ノリのよい曲もしっかり取り揃えられていて、
確立されたスタイルを持ったバンドの強さを感じました。
2019年に観たZepp Osaka Baysideでの素晴らしいライブもよかったな……
と改めて思い出したりもしていました。
ちなみに本作に伴うツアーからは、ナッシュビル公演でのライブ盤も発売。
評判のよかった前作“Ordinary Man”(2020)に続き、
アンドリュー・ワットのプロデュースのもとで豪華ゲストを迎えたアルバムが早くも登場。
今作発売と前後して亡くなってしまったジェフ・ベックとのコラボ曲2曲を筆頭に、
あのエリック・クラプトンやPearl Jamのマイク・マクレディ、
盟友トニー・アイオミ、そしてお馴染みザック・ワイルドとのコラボ曲がズラリ。
ファン垂涎のラインナップですし、曲の質もしっかりそれに伴っています。
個人的にはジェフ・ベックとのコラボ2曲目の“A Thousand Shades”が一番好みでした。
かなり相性よさそうだと感じたので、もっとこの組み合わせが聴きたかった……
レッチリにジョン・フルシアンテ(Gt.)が復帰!
というニュースはこの年の目玉でしたね。
しかもこれだけ詰め込んだ復帰作を作っておいて、
同年にもう一枚“Return Of The Dream Canteen”というアルバムまで出してくるとは……
(こちらは全体的にはよりメロウ寄り)
どちらも甘い歌メロとジョンのギターが堪能できる素晴らしいアルバムでしたが、
(エディ・ヴァン・ヘイレンに捧げた“Eddie”のギターソロは絶品)
個人的には復帰シングルとなった“Black Summer”をはじめ、
ファンキーな“Poster Child”、
ストレートに格好良い“These Are The Ways”がある“Unlimited Love”を選出。
とはいえどちらも素晴らしいので、是非併せてどうぞ。
“Return Of The Dream Canteen”の日本盤はジャケット違い。
ボーナストラックの“The Shape I’m Takin”もキャッチーで魅力的!
中々新曲を出す動きがないままだったSkid Rowでしたが、
春先にいきなりZPサートからH.E.A.Tのエリック・グロンウォールへのボーカル交代、
そしてニューアルバムの情報が出てきたので、最初は嬉しさより困惑が勝ったのも事実。
個人的にはZPのファンでもあるのでモヤモヤしなくもないですが、
エリックの素晴らしい歌唱力と若くフレッシュなパワーは、
Skid Rowとの相性抜群だったというのもまた正直なところです。
リードトラック“The Gang’s All Here”や
サビの”Tick, tick, tick…”が心地よい“Time Bomb”など、高品質な楽曲が目白押し。
そんな中でも“Not Dead Yet”、“October’s Song”、“World On Fire”の3曲には、
しっかりZPの名前がクレジットされていたのは嬉しいポイントでした。
(よく聴くと彼の組んでいたI AM Iっぽい歌メロも散見されますね。特にAメロ)
しかし、かつて白血病を克服したエリックですが、
その後も体調の問題はついて回り、残念なことに予定されていた2023年の日本公演は中止。
そして2024年にはSkid Row脱退というショッキングな結果に……
残りのツアー日程はHalestormのリジー・ヘイルがボーカルを務めました。
2024年9月には、Skid Rowでのエリックの姿を収めた“Live In London”が発売。
往年の名曲や新曲を歌いこなす彼のパフォーマンスは圧巻ですし、
中でも“18 And Life”でのドラマチックな歌唱は必聴モノ。
Slash Feat. Miles Kennedy & The Conspiratorsの4th。
「スラッシュのソロとしての5th」ではなく、これは「バンドとしての4th」。
彼らがパーマネントなバンドであるという認識を持っていることが窺えます。
そんな今作のタイトルの発案者はプロデューサーのデイヴ・コブ。
Rival Sonsの諸作品やEUROPEの“Walk The Earth”(2017)を手掛けた人物で、
ライブ感あるアプローチを得意としています。
ということで、今まで以上にラウドなギターと、
目の前で弾いているかのような質感が印象的な一枚に仕上がっています。
日本盤発売が中々決まらず4か月遅れになるというハプニングもありましたが、
このアルバムを引っ提げての来日公演も2024年3月に無事行われました。
今作の白眉は、やはり飼い主を待つペットの心情を歌った“Fill My World”でしょうか。
ライブでは、観客の掲げるスマホに映し出されたペットの写真を眺めて、
時々クスリと笑いながら歌っていたマイルスの姿が心に残っています。
ちなみにこの年のROCK ON AWARDベストライブ部門には
Måneskin (SUMMER SONIC 2022)を選出。
初出演にしてメインステージになったMåneskinのパフォーマンスは圧巻の一言でした!
4人の骨太なサウンドとステージ映えするいでたち、
全てがまさに今一番熱いスターそのもの!
絶好調のダミアーノは「マイドー!オオサカ!」に始まり「しゃがんで!」、
そして「ガンバレガンバレ!」といった日本語も満載のMCで、
そのエンターテイナーぶりが眩しかったです。
この翌年にはアルバムを引っ提げての再来日、
さらに2024年にはサマソニのヘッドライナーで大成功を収めることになるので恐ろしい……
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]]>The post 【レビュー】4 / Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators (2022) first appeared on TASHINAMI MUSIC.
]]>3月頭にいよいよスラッシュが来日!!当方大阪公演参戦します!
ということで、現時点での最新作“4”(2022)の感想でもつらつら書いていきます。
Alter Bridgeやソロキャリアでもコンスタントに活躍を続けるマイルス・ケネディ。
突き抜けるハイトーンだけでなく優しい歌声も魅力的な彼とスラッシュが出会ったのは、
Slash’s Snakepit解散後久々にリリースされたソロアルバム“SLASH”(2010)でのこと。
錚々たるボーカリストたちを集め、楽曲の良さを最大限に活かす手腕を存分に示した傑作ですが、
このアルバムで唯一“Back From Cali”と“Starlight”の2曲を歌ったのがマイルスでした。
そしてその後のツアーでも彼がボーカリストを務め、そのままバンドとして活動することに。
次作“Apocalyptic Love”(2012)では”Slash Feat. Myles Kennedy”名義でしたが、
続く“World On Fire”(2014)以降は”Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators”という、
現在まで続く長いバンド名となっています。
そして今回の“4”というアルバムタイトルが発表されるまでは、
前作“Living The Dream”(2018)が4枚目だと思ってた!というファンは自分だけではないはず。
最初は普通にちょっと混乱しましたが、マイルスとがっちり組んだこのバンド、
コンスピレイターズの活動の原点が“Apocalyptic Love”(2012)だと規定されたことで、
単なる記号的なタイトルにとどまらない意味合いを帯びている、と言うこともできますね。
今作のプロデューサーはRival Sonsの諸作での仕事でもおなじみデイヴ・コブ。
今回のタイトルを“4”にすることを進言したのは実は彼だったりします。
バンドがデイヴと組むのは今回が初になりますが、マイルスはインタビューで、
その仕事の速さとライブ感を重視したアプローチを称賛していました。
実際、前作までのある程度整った音像と比べると、
今作はラウドなギターと、目の前で弾いているかのような質感が印象的な一枚でもあります。
ちなみに今作はギブソンがナッシュビルに立ち上げたGibson Recordsのアルバム第一号。
それもあってか、スラッシュ仕様のピックが封入されているちょっと嬉しいつくり。
ただ、このレコード会社変更が原因だったのかは分かりませんが、
今作は2月発売だったにもかかわらず、日本盤のリリースは4か月遅れの6月でした。
その代わり特典の映像・音源はたっぷり付いていたようですが、スラッシュほどの格のアーティストの日本盤が全然出ないとは!と伊藤政則先生が当時相当嘆いておられたのを思い出します。
収録内容は以下の通り。
10曲入りという今までで一番コンパクトで潔い構成です。
1.The River Is Rising 3:43
2.Whatever Gets You By 3:40
3.C’est La Vie 4:38
4.The Path Less Followed 3:41
5.Actions Speak Louder Than Words 4:02
6.Spirit Love 4:15
7.Fill My World 5:28
8.April Fool 4:33
9.Call Off The Dogs 3:16
10.Fall Back To Earth 6:23
1.The River Is Rising
今回のツアータイトルにもなった先行シングル。本作では一番新しい曲なんだとか。
リフの質感からもう前作までとは違う雰囲気で、音が塊になって迫ってくるのは迫力満点。
ラストにかけて勢いよく加速していくパートもかっこいい!
2.Whatever Gets You By
ドラムから怪しげなリフに流れ込んでいくのがクール。
スピーディーな前曲ラストとは打って変わってヘヴィなグルーヴが支配する一曲で、
後半のギターソロ前のマイルスの強烈なシャウトも聴きどころ。
前作でも2曲目にグルーヴィーな“Serve You Right”が置かれていたのを彷彿とさせます。
3.C’est La Vie
「セーラーヴィー!」のコーラスがキャッチ―な曲。ライブでも一緒に歌えそうです。
スラッシュは曲の大部分で、トークボックスを使用して演奏しています。
4.The Path Less Followed
「通ってきた人の少ない道を行け!」と力強く背中を押してくれる爽やかな曲。
“World On Fire”(2014)のツアーの時点で大まかなリフやコード進行はできていたそうです。
5.Actions Speak Louder Than Words
ワウをねっとり効かせたイントロやコーラスとは対照的に、
ヴァースに入ると王道のロックンロールなのが面白い曲。
この曲のソロはスラッシュ曰く完全にインプロだそうですが、入りから完璧な素晴らしい出来。
6.Spirit Love
妖しいオリエンタルなフレーズが印象的な一曲。歌詞もその印象に違わず淫靡で良いですね。
冒頭でスラッシュはエレクトリックシタールを弾いています。
7.Fill My World 5:28
“Sweet Child O’ Mine”を彷彿とさせる単音のリフの時点から引き込まれる一曲。
マイルスが自分を待つ愛犬の目線で歌った歌詞と、流れるような美しいメロディにグッときます。
個人的には本作のハイライト。文句なしの傑作です。
8.April Fool
ジャムセッションから発展していった一曲。リフの音の運びもクールです。
コーラスのメロディもこれぞマイルス!といった感じで楽しいですね。
ちなみに制作過程ではデイヴの助けで一気に完成にこぎつけられた、とのこと。
9.Call Off The Dogs
終盤のこのタイミングでエネルギッシュな疾走曲が登場!これはかなりライブ映えしそう。
トッド・カーンズのベースが前面に出ているのも聴きごたえ抜群。
ちなみに”Call Off The Dogs”は「攻撃するのを止めさせる」という意味。要は降伏宣言です。
10.Fall Back To Earth
ラストはスラッシュの泣きのメロディが心ゆくまで堪能できる壮大なバラード!
冒頭の時点で「この曲は違うぞ」と思わせる風格が漂っています。
コンパクトな今作にあって、この曲は唯一6分台でたっぷり聴かせてくれます。
3分20秒過ぎのパートで一度落ち着かせて、そこからだんだんと熱を帯びてソロに突入するという曲構成も見事!ライブでもきっと見せ場となるであろう素晴らしい一曲です。
感情を入れつつもくどくならないマイルスの声の魅力とうまさにも改めて気づかされます。
これを書くために改めて通しで聴いてみましたが、
やっぱりスラッシュ、そしてマイルスの表現力は流石だと再認識。
毎度ライブでは原曲以上にパワーアップした演奏が楽しめるので、今から楽しみです!
ちなみにスタジオ盤ではコーラスを一部担当しているベースのトッド・カーンズもかなりの歌唱力の持ち主。彼がボーカルを数曲任される時間も楽しみのひとつだったりします。
The post 【レビュー】4 / Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators (2022) first appeared on TASHINAMI MUSIC.
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