ライブレポート - TASHINAMI MUSIC https://tashinami-musiclog.com HR/HMとプログレとアイマスに揺さぶられたZ世代の記録 Sun, 29 Jun 2025 18:24:24 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.8.1 https://tashinami-musiclog.com/wp-content/uploads/2023/07/cropped-icon-32x32.jpg ライブレポート - TASHINAMI MUSIC https://tashinami-musiclog.com 32 32 【ライブレポート】 ANGRA JAPAN TOUR 2025大阪公演 @梅田クラブクアトロ(2025/06/17) https://tashinami-musiclog.com/2025/06/30/live-angra-japan-tour-2025-osaka-umeda-2025-06-17/ https://tashinami-musiclog.com/2025/06/30/live-angra-japan-tour-2025-osaka-umeda-2025-06-17/#respond Sun, 29 Jun 2025 18:24:21 +0000 https://tashinami-musiclog.com/?p=3419 目次 ANGRAのジャパンツアー、全公演ソールドアウトで終了!ANGRA大阪公演セットリスト(2025/06/17)11月、エドゥ・ファラスキとロイ・カーンが一緒に来日! ANGRAのジャパンツアー、全公演ソールドアウト […]

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ANGRA JAPAN TOUR 2025

ブラジル発、心揺さぶるメロディと圧倒的テクニックで支持を集めるANGRA
“Carry On”, “Nova Era”, “Spread Your Fire”といった
パワーメタルを代表するアンセムを生み出しつつも、
トライバルなリズムも武器としたプログレメタルとしての側面も大きい、
掘れば掘るほど奥の深いバンドとして君臨。

メンバーチェンジを重ねながら10枚のアルバムを残したわけですが、
34年にわたる活動を経て、一旦の活動休止を宣言……
今回は休止前最後のジャパンツアーということで感慨もひとしお。
(と言いつつ、前回来日時は貧乏学生だった自分は満を持しての初参戦)

今回のツアーは大傑作“Temple Of Shadows”(2004)の20周年ツアーも兼ねたため、
色々な面でスペシャルな体験になりました。
中高生の頃から幾度となく勇気づけられてきた一枚なので……

現在のメンバーは以下の通り。
ファビオ・リオーネ(Vo.)
ラファエル・ビッテンコート(Gt.)
マルセロ・バルボーザ(Gt.)
フェリペ・アンドレオーリ(Ba.)
ブルーノ・ヴァルヴェルデ(Dr.)

気づけばボーカルにファビオを迎えてからの期間が一番長いのも驚きですが、
リリースを重ねるごとにファビオの音域にフィットした曲が増えてきたのもまた印象的。
唯一のオリジナルメンバーであるラファエルがアルバムのコンセプトを手掛けていたことで、
バンドとしての一貫性を保ちながら第一線で活動してきたのは流石と言うほかないです。

大阪、名古屋、東京の3会場で連日のライブという中々の弾丸スケジュールでしたが、
全公演(当日券込みで)ソールドアウトという最高の形で無事終了!
日本のメタルファンの熱い思いも伝わったのではないでしょうか。

ANGRA "Cycles Of Pain"Tシャツ

記念に最新作“Cycles Of Pain”(2023)Tシャツを購入。
6月とは思えないほど暑い日だったのもあって若干ペラい素材が神の救いに思えました。

ライブがアナウンスされてすぐにチケット確保したので整理番号2桁をゲット!
あれよあれよという間に前方4列目ほどに陣取れてしまいました。
開演前に振り返ると上のスタンドまで人がパンパンで驚きましたね。
ソールドしたのも納得の大盛況でした。

開演前BGMはメタルのライブにしてはかなり落ち着いたチョイスで、
Sleep Tokenに続いてお洒落なTears For Fearsだったり
(初めて聴いた“Elemental”がSleep Tokenの後でも違和感ないカッコよさで驚き)、
その後もGenesis“Watcher Of The Skies”や、
ELPの“Trilogy”といった大プログレ祭りだったり。
「やっぱりANGRA、メロスピの皮を被ったプログレバンドなんだな……」と勝手に納得したりも。

(完全に余談ですが、このときのELPの“Trilogy”
エマーソンが暴れ出す前のスローなレイクの歌パートで丁度19時になり、
そのまま照明が落ちて開演したので今まで観たメタルのライブ史上ダントツで穏やかなスタートになったのがかなりツボでした)

そして(なんやかんやありつつ)開演!
1曲目は新譜から、トライバルなビートで始まる“Faithless Sanctuary”
最年少メンバー、ブルーノの熱い煽りとテクニカルなドラムで段々ヒートアップする会場。
正確かつどこか柔らかさすら感じさせるプレイで、
早速レギュラーグリップの化け物としてのセンスを遺憾なく発揮。
そしてそこに絡む弦楽器隊と満を持して歌いだすファビオ!

うますぎる……
メタル界屈指の豊かな声と安定感を持つボーカリストはやはり伊達ではなく。
テクニックを前面に押し出しつつもファビオものびのび歌える、
そのバランスが新譜のキモなんだなと改めて感じた瞬間でした。

2曲目はアルバム“Rebirth”(2001)からの“Acid Rain”
前方にいたこともあって冒頭のコーラスがしっかり合唱になっていてかっこよかったです

フェリペの穏やかにうねるベースから始まって劇的に展開する、
“Tide Of Changes“も見事でしたね。
新譜では序盤のハイライトとなっていた2部構成の楽曲で、
優しげな歌唱から力強くキャッチ―なサビへの移行はファビオの真骨頂でした。

そして「ここからは“Temple Of Shadows”をみんなで祝福しよう!」
という旨のMCが。(ここで「完全再現や……!」と気づいて大興奮)
序曲”Deus Le Volt!”からの“Spread Your Fire”でフロアも大盛り上がりに!
「グローーーーリアーーーーース!」の大合唱はやはり良きものです。
前作のツアーを収めた“Omni Live”(2021)では2個下げでの歌唱だったのに対し、
このツアーでは原キーに戻してきたのには驚き!
ファンの心に刻まれたアルバムへのリスペクトも感じさせる演出でした。

すかさず……とはいきませんでしたが、
続く“Angels And Demons”も流石の盛り上がり。
メロスピド真ん中の全曲に続いて疾走プログレメタルを続けてくるところ、
やっぱり好きだ……とどこかしみじみしつつ、
この高速フレーズを難なくこなしながら煽り続けるマルセロやブルーノに見とれっぱなしでした。

“Waiting Silence”
は流石の安定感。
伸びやかでもどこか鬼気迫るものを感じさせるこの曲は特にファビオとの相性抜群。
加入したての時期からも演奏されていた曲なのでしっかり自分のものにしていましたね。

続くバラード“Wishing Well”は「みんなで歌ってくれ!」という煽りつき。
緊張感のある曲が続く中でひときわ癒される時間でした。
他メンバー(特にラファエル)のコーラスが聴けるのもいいところ。

そしてお待ちかねのキャリア最速ナンバー“The Temple Of Hate”
原曲ではエドゥがカイ・ハンセンと超絶バトルを繰り広げるツインボーカルでしたが、
ここではファビオが全て歌い切るパワープレイを見せてくれました!
(もちろんカイの”Right now!!!”も含めて完全再現)
ラストの「オーオー」のコーラス含めて物凄い気迫でした。

ここからアルバムも後半戦、よりバラエティに富んだ曲で聴かせてきます。
ラファエルの美しいアコギのフレーズで始まる“The Shadow Hunter”
主人公の険しい人生の旅路と砂漠の風景が曲調だけで目に浮かぶのは流石ですし、
8分にわたる壮大な絵巻をじわじわと盛り上げる手腕を目の前で味わえたこともあり、
個人的にはこの日のハイライトのひとつ。
正直この日は途中でファビオが
「なんで今日の大阪はこう静かなんだ?」とMCで言っていたんですが
(大阪で盛り上がりが薄いと言われるのは正直かなり珍しい現象)
そのくらいには全員うますぎてひたすら見入ってしまう引力がありました。

「次の曲はわかるよね?」と最前列の男性ファンに訊くファビオ。
(ちなみにこの方、名前を訊ねられて「ファビオ!」と答えたことで
ずっとファビオ(本物)から弄られていらっしゃいました。
「全部歌えると思うけどまた今度ね!」というリップサービスも貰っていて面白かったです)
そのバラード“No Pain For The Dead”は、
要所要所でEdenbridgeのサビーネ・エデルスバッカーの女声ボーカルをフィーチャーした一曲。
今回はどのようにそれをカバーするのかと思いましたが、
ラファエルがファルセットでしっかり決めていて良かったですね。
個人的にはラファエルの声は大好きなので、フルでの歌唱は聴けずとも大満足。

“Winds Of Destination”
は原曲ではハンズィ・キアシュとのコラボ。
しかしながらここはファビオが圧巻の一人二役。
二人分のパワーと気迫で歌い上げる様子にも、
ハンズィのパートで気持ちシャープな歌い方になるところにも痺れました。
オペラチックなラストも含めて満足度は高かったです。

“Sprouts Of Time”も伸びやかなボーカルが光る曲。
パーカッションと優しく絡み合うメロディ、そしてサビの雄大さは、
信じるに足る生き方を見つけた主人公の姿とうまくリンクしているなと再認識。
間奏でガラッと転調する瞬間がまた痺れましたね。

“Morning Star”も個人的に良かったなと感じたパフォーマンス。
青と白の照明に彩られたステージで歌われるサビの美しさ、
そして間奏ではヘヴィでテクニカルなギターソロの連発。
もうアルバムも終盤か……という名残惜しさも含めて、
じっくり聴き入ってしまう瞬間でした。

アルバム最後の曲として紹介された“Late Redemption”
(ラストの“Gate XIII”はアルバムを総括するインストなので)
ファビオが「自分の大好きな曲」と言っていたこともあり、
情感たっぷりに歌い上げての再現パート大団円となりました。

再現パートのあとは再び新譜からの“Vida Seca”
パーカッションとアコギ、そしてラファエルのボーカルでの始まりに、
ANGRAとしてのアイデンティティは連綿と続いているんだなと感じました。
ANGRAがメロスピ・メロパワだけにはとどまらない、
「一筋縄ではいかないテクいバンド」なのはアンドレ・マトスのいた初期からそうなので……

そして本編ラストはバラードの代表曲“Rebirth”
度重なるメンバー交代の中でも何度も「再生」してきたバンドの強さを感じました。
分かりやすいパートではしっかり歌っているファンの方も多かったですね。

ここからアンコール!
“Unfinished Allegro”が流れ出した時の歓声と手拍子にはやはり凄いものがありました。
そして”Carry On”に入った瞬間待ってました!と言わんばかりに後ろから圧縮が発生!
揉みくちゃになりながら(と言いつつみんな節度がありましたが)
全力でCarry Onを大合唱するのは「高校時代からの夢が一つ叶ったな……」と思えた瞬間。
ちなみにフェリペのベースソロが拝めるぞ!と思った瞬間に
バン!と“Nova Era”に切り替わるメドレー方式だったのには驚きつつも楽しめました。
よくよく考えたら”Omni Live”の頃もこの演出でしたし、
3夜連続でファビオがあのスクリームをやるのは些か酷な気もするので……

自分としてはANGRAもファビオも初だったので色んな衝撃が一気に来た!というライブでした。
アンドレ時代の曲が“Carry On”のみだったのは意外でしたが、
そこも“Omni Live”の逆を突いたような感じになっていて楽しめました。
活動休止前最後とはいえ現在進行形な感覚はしっかりあったなと。
位置取りはマルセロ正面だったのでガン見していましたが、
音も綺麗だし表情豊かだしで観ていて楽しいナイスガイでしたね。
(終盤で自分の長いドレッドヘアを首に巻いて出てきたのがちょっと面白かったです)

今回のライブの素晴らしさを語るとき、それは結局
“Temple Of Shadows”というアルバムの素晴らしさを語ることでもあって。
宗教のお題目のようにはいかない現実と、
普遍的な人間の在り方を考えさせる詞の秀逸さは言わずもがなですが、
ともすれば重苦しくなりがちなテーマを、
多彩な音世界に落とし込んでいった見事さに今更ながら舌を巻くばかり。
こうして生で体感したことでますます大好きなアルバムになりました。

そして“Cycles Of Pain”の曲がライブで聴くとさらに良かったのも大収穫!
“Rebirth”“Temple Of Shadows”の曲群と一緒にやっても引けを取らないかっこよさだったので、
このツアーを機にさらに評価が上がっていく予感がします。

1.Faithless Sanctuary
2.Acid Rain
3.Tide Of Changes – Part I
4.Tide Of Changes – Part II

~”Temple Of Shadows”(2004)~
5.Deus Le Volt!
6.Spread Your Fire
7.Angels And Demons
8.Waiting Silence
9.Wishing Well
10.The Temple Of Hate
11.The Shadow Hunter
12.No Pain For The Dead
13.Winds Of Destination
14.Sprouts Of Time
15.Morning Star
16.Late Redemption

17.Vida Seca
18.Rebirth

~アンコール~
19.Unfinished Allegro
20.Carry On / Nova Era

翌日の名古屋、最終日の東京公演では1曲目が“Nothing To Say”にチェンジ。
聴きたかった……!という気持ちもありつつ、
“Faithless Sanctuary”が聴けたのは結果的に大阪だけだったのでこれはこれでラッキー。
SNSからはメンバーが日本を存分に満喫しているのが窺えたので、
またいつか帰ってきてくれると信じて待つとしましょう!

最新アコースティック・ライブ盤はこちら。

そして11月にはエドゥ・ファラスキ&ロイ・カーンというこれまた大型案件が!
(当方大阪公演のチケット確保済み)
エドゥのツアーのテーマも“Temple Of Shadows”20周年ということで、
この上なく贅沢な聴き比べができるのが今から待ち遠しい!
エドゥ名義での再現ライブは豪華ゲストやオーケストラ込みの仕様で、こちらも大迫力でした。

エドゥ自身のソロ作も素晴らしい出来ですし、
特に“Vera Cruz”(2021)は構成や楽曲も
「裏Temple Of Shadows」と言える作品なので必聴。
今作をクローズアップしたライブ映像+音源もめでたく発売されたので、
来日公演前のお供に。

¥2,421 (2025/06/30 03:08時点 | Amazon調べ)

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【ライブレポート】 Guns N’ Roses 来日公演@Kアリーナ (2025/05/05) https://tashinami-musiclog.com/2025/05/14/live-guns-n-roses-yokohama-k-arena-2025-05-05/ Tue, 13 May 2025 19:15:21 +0000 https://tashinami-musiclog.com/?p=3434 目次 一夜限りのガンズ来日@横浜、大盛況で終了!Guns N’ Roses来日公演セットリスト(2025/05/05) 一夜限りのガンズ来日@横浜、大盛況で終了! 5/5(月)、Kアリーナ横浜にてGuns N […]

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5/5(月)、Kアリーナ横浜にて
Guns N’ Rosesの3年ぶりとなる来日公演が無事終了!
各種SNSでも大満足の声があがっているのは、いちファンとしても嬉しい限り。
前回の2022年はさいたまスーパーアリーナ2Daysだったのに対して、
今回は横浜で一夜限りということで、全国から猛者が一堂に会した印象。
自分はスラッシュ(Gt.)とダフ・マッケイガン(Ba.)が復帰した
2017年の“Not In This Lifetime… Tour”からなので3回目の参戦。

Guns N' Roses 来日公演@Kアリーナ (2025/05/05)会場前広場

新しくできた会場と言うこともあり、自分としては初のKアリーナ。
会場前には老若男女問わずファンの方々がズラリ。
キッチンカーも出ていてさながら祭りの雰囲気でした。
また、会場内にはライブ前後も営業しているバーがあるのも面白いところ。
ちなみにキャパは2万人ちょっと。

Guns N' Roses 来日公演@Kアリーナ (2025/05/05)会場前バナー

始まったばかりの今回のツアーですが、正式には
“Because What You Want & What You Get Are Two Completely Different Things Tour”
なる長いタイトルがつけられています。
5/1の韓国・仁川公演を皮切りに、日本での公演が2公演目!
初日は開演の大幅な遅れ等もあり20曲で終了ということで、
日本での公演がどのようなセトリになるのかは未知数……という状況でした。

今回の来日メンバーは以下の通り。
Axl Rose(Vo.)
Duff McKagan(Ba.)
Slash(Gt.)
Richard Fortus(Gt.)
Dizzy Reed(Key.)
Melissa Reese(Key.)
Isaac Carpenter(Dr.)

2006年から長きにわたり、安定感のあるドラムでガンズを支えてきた
Frank Ferrer氏が先日脱退を発表。
今回のツアーからは、ダフのバンドLoadedのドラマーでもある
Isaac Carpenterがガンズに加入となりました。
フランクは59歳、アイザックは45歳ということで一回り以上若返った計算。

Guns N' Roses 開演前映像

今回も例によって定刻には始まらず、20分遅れでのスタート。
(韓国では40分遅れだったと聞いていたのでこちらも身構えてはいましたが)
今回は最安のA席(LEVEL 7)からの鑑賞。
最上階とはいえメンバーは十分肉眼で見えて快適でした。
(ただ真下を見ると結構怖い)

定刻を少し過ぎたあたりで、ステージ下手にツインテールの女性がノリノリで登場。
上の方からはよく見えなかったので一瞬「メリッサだけ出てきたんか?」となりましたが、
実はこの日がお誕生日のダフの奥様!
最初から最後までノリノリで盛り上がっていてほっこりしましたね。
ライブ後にはバースデーパーティーも催されたのだそうで、
そのときのアクセルの写真が「昔と変わらぬかっこよさ!」と話題になったりも。

1曲目は韓国公演と同じく“Welcome To The Jungle”
このツアーでは恐らく1曲目は固定と思われます。
リユニオン後はいつも“It’s So Easy”からだったので新鮮な気持ちで楽しめました。
アクセルはこの時点からハイトーンもバッチリで、
前回と変わらないかそれ以上の好調ぶり!
最初は「トーキョー!」と煽っていたアクセルですが、
その次からは全て「ヨコハマー!」に修正していたのは流石でした。
(2022年のSSAは全部「トーキョー!」だったのに……)

そして2曲目は“Mr. Brownstone”のドラムパターンが入ったかと思いきや、
なんとぬるっと軌道修正して“Bad Obsession”へ!生で聴くのは初めて!
印象的なハーモニカの音がなかったのでサビ前くらいでようやく気付いて驚きました。
SNSで写真が上がっていたセトリの紙には、
2曲目に”Mr. Brownstone”とあったのでその場でパッと変えたのではないかと。
アイザック君に早速の洗礼……

続いては“Chinese Democracy”“Slither”という前回同様の流れ!
自分も妻も“Chinese Democracy”(2008)は大好きなのでこれにはニンマリ。
しかし”Slither”はVelvet Revolverの曲ながらガンズのラインナップとして定着しましたね。
まさか再び聴けると思わなかったですし”Hey!”で拳を突き上げるのは楽しかったです。
サビのコーラスも前回のツアーより分厚くなっていてより完成度が上がっていました。
(そのうち”Sucker Train Blues”とか”She Builds Quick Machines”とかやったり……しません?)

そして“Live And Let Die”は思っていたより早めの位置!
ライブではアクセルがロングトーンで”Ha—-!”のシャウトを入れてくれるので、さらに血湧き肉躍る仕上がりに。

そして満を持しての“Mr. Brownstone”でアクセルの腰つきと
“more & more”の振り付けを堪能しつつ、
自分がトップクラスで大好きな“Estranged”へ!
聴くたびにその美しいメロディと展開の妙に心惹かれますし、
すっかり古参のディジー・リードのピアノソロ、
そしてスラッシュによるレスポールの旨味を引き出したソロの数々!
中盤でのボリューム奏法が特に綺麗で引き込まれました。
90年代のライブ音源ではもっと勢い任せなプレイだったので、
今のスラッシュは確実に進化しているな……というのを目の当たりにした思いです。

そして韓国では披露されなかった“You Could Be Mine”がここで登場!
“Use Your Illusion II”(1991)と同じ流れだったのでブチ上がりましたね。
アイザックのドラムの勢いと溌剌としたパワーにも感心。
ただこの辺りからLEVEL 7で鑑賞していると、
ドラムの音が段々ばらばらに聞こえてくるように……
音が回るような感覚はあまりなかっただけに余計そこのPAだけが惜しかったなと。

ライブではダフとアクセルがボーカルを分け合う“Double Talkin’ Jive”
ここでもスラッシュのスパニッシュな高速フレーズが!
観るのは3回目ですが体感では過去一番ハッとする瞬間が多かった印象。圧巻でした。

“Knockin’ On Heaven’s Door”では観客がスマホの明かりを一斉に照らし、
あたかも輝く星々の中で演奏しているかのような光景に。
サビのコーレスもバッチリ決まっていました。

そして聴きたかった新曲“Perhaps”もここで披露。
上の方の席だったので周囲には曲を知らないファンも多いように見えましたが、
ピアノを前面に押し出した魅力的な一曲、しっかり聴けて満足でした。

ライブ中盤はヘヴィで複雑な長尺曲“Coma”から、
“Chinese Democracy”収録の“Sorry”に静かに移っていく流れも圧巻。
リユニオン後はすっかり定番になったのが嬉しい“Coma”
アクセルがラストの長いボーカルパートを絞り出すように歌うところはゾクゾクします。

曲の合間には“Guns N’ Roses Yokohama”という文字がスクリーンに躍る今回の公演、
アクセルがたまにお客さんに「次は何が聴きたい?」と問いかけていたのも面白かったです。
その中でも声が大きかったのはやはり“It’s So Easy”
セトリのド真ん中に来るのも不思議な感覚でしたが、やはりこれも名曲!
2番の”F**K OFF!!”も勿論みんなで一緒にやらせていただきました。

“Rocket Queen”
はなんといっても、
中盤のリチャード・フォータスとスラッシュによるギターソロの掛け合いが特に秀逸。
スラッシュの原曲の嬌声にも勝るとも劣らぬ淫靡なトーンも魅力的ですし、
ここでのリチャードのソロは毎回本当に良いんですよね……

続いてはお待たせ、ダフ・マッケイガンによるカバー曲タイム!
この日はラモーンズの”Rock ‘n’ Roll High School”Tのダフ、
精悍なビジュアルにも磨きがかかっていました。
いつもの“Attitude”“New Rose”か……と構えていると、
奥様への「ハッピーバースデー!」とともに、
Thin Lizzy“Thunder And Lightning”へ!
なんとこれが世界初披露!
最初は何が起こったのか正直分かりませんでしたが、
サビの”God damn!”で気づいてうわっ!となりました。
ガンズから亡きジョン・サイクスへの熱いトリビュートと受け止めました。

ここからヘヴィなジャムがしばらく続き(これもまた秀逸!)
“Chinese Democracy”を代表する曲のひとつ“Better”へ。
中盤でのアクセルの鬼気迫るハイトーン連発にはしびれました。

“Don’t Cry”はもちろん名曲でしたが、
ここではドラムの音ズレが最も顕著でリズムがバラバラに聞こえたのが勿体なかったです……
前回のSSAで聴けたのでその記憶で補完。

気を取り直して、各メンバー紹介からスラッシュのギターソロへ。
今回はいつものゴッドファーザーのテーマではなく、軽やかなロックンロール路線。
後で調べるとスティーヴィー・レイ・ヴォーン中心のメドレーだったとのこと。
重くグルーヴィーな曲の多いセトリの中では味変としてもバッチリ機能していました。
ソロのあとはもちろん大名曲“Sweet Child O’ Mine”

盛り上がりも最高潮に達したところでステージ中央にグランドピアノが持ち込まれ、
アクセルがピアノを弾き語る“November Rain”へ。
時々ファルセットも交えつつも情感のこもった歌唱、
そしてラストに聴けるスラッシュのソロは本当に素晴らしかったです!

……と言いつつ、
アクセルの着ていたギラギラのチェックシャツ(と背中の文字)が気になった方も多いはず。
ライブ後に調べてみたところ、ビットコインの開発者
サトシ・ナカモト(SATOSHI NAKAMOTO)の文字をあしらったブランド物で、
ガラスを散りばめてギラギラにしたネルシャツでした。お値段約29万円也。

続いてはメンバーが中央にギュッと寄り集まってのアコースティックコーナー。
披露されたのは前回と同じくJimmy Webbのカバー“Wichita Lineman”でした。
ギターの弦から遥か遠くまで続く電線のイメージに移り変わる映像、個人的には好きです。

続いて名曲“Patience”がアナウンスされると大喝采!
イントロのアクセルの口笛があまりに原曲そのままで驚きました。

そしてここでいきなりぶちかまされたのが“Hard Skool”
現編成の新曲シリーズの中でも一番初期に近いヴァイブのあるこの曲、
もう本編ラストか……と思った矢先にまた聴けて嬉しかったです!
2番サビあたりではアクセルが曲を若干見失うハプニングもありましたが、
ラスサビでは入魂の鋭いハイトーンで締めてくれたので大満足。

セトリがいよいよ読めなくなってきた辺りで、
本編は“Nightrain”で無事終了。

そしてここからのアンコールがさらに予測不能の展開に!
“Hard Skool”からの”Nightrain”でもう望み薄かと思っていた
“ABSUЯD”で始まったのには震えました!
“Ah———————!”のシャウトがライブではSEになっているのがちょっと面白いですが、
キレのあるリフはやはりクールで魅力的!
インダストリアル路線もどストライクな妻は5割増しで大歓喜。

そこから”Chinese Democracy”収録のバラード“Madagascar”に移ったのはこの日最大の驚き!
ラストには”Civil War”の冒頭にも引用された”Cool Hand Luke”の台詞や、
キング牧師の”I Have A Dream”演説等が、文字として演奏にかぶせて映し出される演出も。
言葉の力を感じさせてくれる、激しくもどこか厳かな瞬間でした。

(序盤の大人しめなパートでアクセルがスラッシュに寄っていったところ変に驚かせてしまい、スラッシュの「うわー!」という声がマイクに思い切り乗ったのはさらに貴重な瞬間)

ラストはもちろん“Paradise City”でフィニッシュ!
大量の紙吹雪が前回同様お預けだったのは寂しいですが、
終わってみれば(いい意味で)予測不能なセトリで駆け抜けた3時間!
一夜限りなのがあまりにもったいないと思えるような素晴らしい時間でした。

SNS上ではアクセルは高音域はほぼファルセットだった……という意見があったのも事実ですが、
そもそもの裏声のパワーは一級品ですし、途中では多少温存しつつも要所要所では気合いの入ったミックスボイスを聴かせてくれていたので満足度は高かったです。
終盤でも”Hard Skool”のラスサビは圧倒的パワーでねじ伏せた感もありましたし。

1.Welcome To The Jungle
2.Bad Obsession
3.Chinese Democracy
4.Slither
(Velvet Revolver)
5.Live And Let Die
(Wings)
6.Mr. Brownstone
7.Estranged
8.You Could Be Mine
9.Double Talkin’ Jive
10.Knockin’ On Heaven’s Door
(Bob Dylan)
11.Perhaps
12.Coma
13.Sorry
14.It’s So Easy
15.Rocket Queen
16.Thunder And Lightning
(Thin Lizzy)
17.Better
18.Don’t Cry
19.Slash Guitar Solo
20.Sweet Child O’ Mine
21.November Rain
22.Wichita Lineman
(Jimmy Webb)
23.Patience
24.Hard Skool
25.Nightrain


~アンコール~
26.ABSUЯD
27.Madagascar
28.Paradise City

18時20分(20分遅れ)開始でしたが21時20分まで3時間たっぷりやり切った本公演。
本当に凄いものを見たな……という気持ちです。
予測不能な順番で新鮮味を感じさせるセトリ、
そして”Chinese Democracy”多めの選曲というのにもガンズの奥深さを感じました。
近年では“Anything Goes”“Pretty Tied Up”
さらに“Street Of Dreams”などのレア曲も披露した公演があることですし、
今回の大盛況をうけてまた近いうちに色々やりに来てほしい!
というのが今の率直な感想。

惜しくも披露されなかった“The General”
そしてそれに続くさらなる新曲にも期待!

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【ライブレポート】 ROYAL HUNT JAPAN TOUR 2025 “Reviving The Chapter”大阪公演@梅田BANGBOO(2025/04/09) https://tashinami-musiclog.com/2025/04/22/live-royal-hunt-japan-tour-2025-reviving-the-chapter-osaka-2025-04-09/ https://tashinami-musiclog.com/2025/04/22/live-royal-hunt-japan-tour-2025-reviving-the-chapter-osaka-2025-04-09/#respond Mon, 21 Apr 2025 18:23:02 +0000 https://tashinami-musiclog.com/?p=3353 目次 マーク・ボールズをボーカルに迎えたスペシャルな来日公演ROYAL HUNT大阪公演セットリスト(2025/04/09)ROYAL HUNT、新EP“Behind The Curtain”をア […]

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いつの間にやら2週間近く経ってしまいましたが、
ROYAL HUNTの来日公演、大盛況で幕を閉じましたね!
今回自分は初めてのROYAL HUNT、
前日の東京公演に続くツアー2日目の大阪公演に参戦。

今回のツアータイトル
“Reviving The Chapter”からは、
信仰とそこにつき纏うジレンマを描いた傑作
“Paradox”(1997)と、
その完全再現ライブを収めたライブ盤
“Paradox: Closing The Chapter”(1999)
を想起せずにはいられませんでした。

来日メンバーは以下の通り。
アンドレ・アンダーセン(Key.)
ヨナス・ラーセン(Gt.)
アンドレアス・パスマーク(Ba.)

彼ら正規メンバーに、今回はゲスト枠で
マーク・ボールズ(Vo.)
アラン・ソーレンセン(Dr.)

の2人が参加。

アラン・ソーレンセンは“Paradox”でも叩いていたメンバーなので、
今回のライブにはうってつけと言えます。
ボーカルがいつものD.C.クーパーでないことには戸惑いもありましたが、
マーク・ボールズもROYAL HUNTと共に2枚のアルバムを残していますし、
彼のパフォーマンスを観るのも今回が初めて。
スペシャルな公演を見せてくれるだろうという期待感のもと、
ちょこちょこ予習しつつ来日公演に備えていきました。

会場の梅田BANGBOOは昨年8月にオープンしたライブハウス。
梅田エリア屈指の飲み屋街、東通りに位置しているのでライブ後の打ち上げもしやすそう。

梅田BANGBOO(2025/04/09)
入口 ROYAL HUNT告知

仕事終わりでの参戦でしたが、駅近だったので余裕で並べたのも好印象。
荷物は駅のロッカーに預けましたが、
ロッカー自体は会場の階段を下りたところにもしっかり確保されていました。安心設計。
キャパは公式によると350名。
公演が発表されたときにすぐさまチケットを確保したこともあり、
前から4, 5列目に陣取れました。

開演前BGMはちょっと捻ったHR/HM見本市で楽しかったですね。
イングヴェイの“Déjà Vu”が流れたときは
マーク・ボールズはどんな気分で聴いてるのか……と思いもしましたが。
(なおこの曲はジョー・リン・ターナー期)
そしてまさかのHarem Scarem“Empty Promises”
若干捻った選曲ですが、ここで音がじわじわ大きくなっていき、遂に開演!

 ROYAL HUNT 開演前ステージ

幕が開くと、ステージ上の背景スクリーンには
“ROYAL HUNT”のロゴ、
そして青く、暗い輝きを放つ照明の中で流れ出したのが、
エンニオ・モリコーネ作曲の
“Ave Maria Guarani”
これはまさに
“Paradox: Closing The Chapter”(1999)と同じ展開!
今回のライブが「Paradox完全再現」であることを悟った瞬間でした。

The Awakening~River Of Pain
アルバムの導入となるインスト
“The Awakening”から、
満を持して“River Of Pain”へ!
アルバムが進むごとに背景の絵がパッと切り替わるので、
そこもドラマ性を高めてくれていました。
争いによって人々が死にゆくさまを歌う、
重厚なミッドテンポのこの曲では闘う先住民族の絵が大写しに。

そしてサングラスをかけた厳つい見た目のマーク・ボールズが歌い出した瞬間、
その声量とハイトーンに圧倒されました!
勿論サビの“River Of Pain~!”は早速の大合唱。
原曲を凌駕するレベルの強烈なハイトーンでの締めくくりも見事でしたし、
間奏のクラシカルなパートを過ぎたところでは、
各パートが入り乱れてリズムが取りにくい箇所があるのですが、
そこでファンの皆さんが平然とノっていて歴戦の猛者感がありました。

Tearing Down The World

ここで”Paradox”でも屈指の人気を誇る疾走曲へ。
ヨナス・ラーセンのギターソロに続けて披露された
アンドレ・アンダーセンの高速キーボードソロは圧巻。
表情豊かに観客を煽りつつ、硬軟織り交ぜたプレイで魅せるヨナスと、
キーボードの配置が壁沿いになっていることもあり、
観客に背中を向けながらになりつつも圧巻のソロを弾くアンドレが対照的でそこも面白かったです。
てっきり気難しいのかと思っていましたがそんなこともなく、
要所要所で煽りも加えたり観客を見つめてサングラス越しにニッコリ笑ってみせたりと、
この時間をたっぷり楽しんでいるように見えました。

Message To God
個人的に一番聴きたかった一曲!アルバム内でも大好きな曲です。
イントロではアンドレアス・パスマーク(Ba.)が中央のお立ち台でしっかりアピール。
メンバーひとりひとりの人柄の良さが感じられたのが好印象。
ブリッジの”Over and over again~”やコーラスの掛け合いなど、
煽らずとも自然と合唱になっていたのがまた良かったですね。
マーク・ボールズの声も、
パワフルではありながら繊細さや哀愁も感じさせる素晴らしいものでした。
感動してノリまくっていたらアンドレ・アンダーセンがニヤッとしながらこっちを見ていた気がするのですが、あくまで気がするというだけ。

Long Way Home
“Paradox”の中核をなす哀しくも美しい一曲。
その続編となる
“Collision Course: Paradox II”(2007)にもモチーフは引き継がれています。
前半の切々としたバラード部分、そして中盤の間奏でのクラシカルな高揚、
マークが大サビで魅せる強靭なハイトーン、そしてラストの雨音……と、
映画のような展開がこの一曲の中にも詰め込まれているのだと実感。

Time Will Tell
この辺りでマーク・ボールズはサングラスを取って素顔に。
最初は強面な感じかと思っていましたが、キラキラした目をした優しそうな方でした。
メタリックなネオクラ疾走曲はまさにマークの得意分野!
先ほどのバラードでの伸びやかな歌唱で喉も温まってきたのか、
River Of Painの時点で圧倒的だった声量がここからさらにパワーアップ。
アルバム後半以降は怒涛のハイトーン祭りになってとにかく無敵でした。
讃美歌のSEを挟んだ終盤では、
ヨナス・ラーセンによる泣きのギターソロタイム!これがまた絶品!

Silent Scream
そしてこちらも人気の一曲。
身体の自由が利かない主人公の魂の叫びを、圧倒的なパワーと、
そこに繊細さを同居させるテクニックでもって歌い上げるマークには圧倒されるばかり。
改めて目の前で味わって聴いてみると、Aメロのリズムなどは
2nd“Clown In The Mirror”後半の曲に近いものがあるのだなという気付きも。
今まで実験してきた要素がうまく融合して昇華された一曲だったのか!と、この曲の魅力を再発見。

It’s Over
前曲からすかさず“It’s Over”にバーン!と背景ごと切り替わる瞬間の素晴らしさ!
鬱々とした館の絵から一気に玉座の間のような荘厳な絵が浮かんでくるのは見事でしたし、
黄色い照明で会場全体がパッと照らされた演出も含めて、
アルバム“Paradox”の壮大な大団円を彩ってくれました。
改めて凄く綺麗なラストだなと惚れ直すとともに、
この「綺麗さ」の背後にある哀しみにも目を向けさせるような時間でした。
最後の歌い終わりでの大歓声が、この完全再現の素晴らしさを物語っていましたね。

ここでメンバーは一旦ステージを下り、何が出るかわからない第2部へ!

Martial Arts
日本では「蝶野正洋のテーマ」としてもお馴染みのインスト!
出だしのオルガンの音でウオーー!と快哉を上げる方も。

Half Past Loneliness
DC復帰後を象徴するようなこの曲がマーク・ボールズ版で聴けるとは!
実はSpotify上では人気No.1という実績のあるこの曲、
ヨナスのサビメロをなぞったギターリフの時点でもうグッときました。

The Art Of Dying
One Minute Left To Live

「もっとロックしたいか!?」という煽りから飛び出したのは
“Dystopia Pt. I”(2020)からの一曲“The Art Of Dying”
今回のセットの中でもひときわ「重さ」を前面に押し出した一曲でしたが、
その中にもアンドレの持っている「品」が息づいていたのを感じられたのが収穫。
続く“One Minute Left To Live”もキャッチ―なハードロックで、
「人生を後悔なく生きていこう」という強いメッセージが窺えました。

Flight
そして第2部ラストは1stからの名曲“Flight”
ネオクラシカルド真ん中の煽情的なクサさと高揚感、そして疾走……
日本のファンに愛される要素は初期から全て備わっていたのだなと再認識。
アンドレ・アンダーセンの楽しそうなプレイも光る本編ラストでした。

A Life To Die For
アンコールの一曲は2013年作のアルバムの表題曲。
同作収録の“One Minute Left To Live”にも通ずる、
「今、自分の人生を精一杯生きる」という直球のメッセージソング。

第2部以降は1stの“Martial Arts”“Flight”以外をDC復帰後の曲で固めていて、
率直に言えばなかなか攻めたセトリだなと思いましたが、
それもまた「過去の完全再現だけじゃ終わらせないぞ!」という現役感の表れかなと。
実際“A Life To Die For”(2013)は未聴のアルバムでしたが生で聴いてすぐに惚れこみましたし。
そしてマーク・ボールズは前方のファンにグータッチしていたのですが、これもライブハウスならでは!

ファン心理としては「マーク・ボールズ最高や!」という気持ちと「それはそれとしてDCも観たい!」という気持ちは両立してしまうのが難儀なところではありますが、
そういった今後のことは脇においても、
今日のライブは本当に行けてよかった……と素直に感じましたし、
すっかりマーク・ボールズの大ファンになってしまいました。

~第1部(“Paradox”完全再現)~
SE: Ave Maria Guarani
1.The Awakening
2.River Of Pain
3.Tearing Down The World
4.Message To God
5.Long Way Home
6.Time Will Tell
7.Silent Scream
8.It’s Over


~第2部~
9.Martial Arts
10.Half Past Loneliness
11.The Art Of Dying
12.One Minute Left To Live
13.Flight


~アンコール~
14.A Life To Die For

マーク・ボールズ在籍時のアルバムからも演るのでは?
という当初の予想こそ大外ししたものの、
“Reviving The Chapter”というツアータイトルの通り、
“Paradox”(1997)の完全再現をド頭から持ってきたのには大満足!
第2部からは打って変わって1stの2曲以外はDC復帰以降の曲という攻めた構成でした。
(日本ともゆかりの深い“Martial Arts”、そして“Flight”を入れてくれたのは流石)
結果的に現役感を感じさせるセトリになっていましたし、
マーク・ボールズの超人的なパフォーマンスに感動しつつ、
あくまで正規ボーカルはDCということなのだろうなとも感じましたが、
そのあたりは果たして……

(マーク・ボールズ在籍時に発表された“Paradox”の続編はこちら。)

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と思っていた矢先、
何と新EP“Behind The Curtain”のリリースと、
それに伴う予約キャンペーンが4/15(火)に発表されました!
公式サイトでは各種バンドル、クラウドファンディングについても発表。
肝心のボーカルがまだ載っていないので謎は尽きませんが、
これからも彼らの音楽を味わえることは間違いない!今はそれが素直に嬉しい!

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【ライブレポート】MR. BIG The Big Finale! Forever In Our Hearts大阪公演@大阪城ホール (2025/02/22) https://tashinami-musiclog.com/2025/03/01/live-mr-big-the-big-finale-forever-in-our-hearts-osaka-2025-02-22/ https://tashinami-musiclog.com/2025/03/01/live-mr-big-the-big-finale-forever-in-our-hearts-osaka-2025-02-22/#respond Fri, 28 Feb 2025 15:50:19 +0000 https://tashinami-musiclog.com/?p=3216 目次 あのMR. BIGのラストツアーには「続き」があった!前回を踏まえた「裏ベスト」的なセトリはファンへの贈り物MR. BIG大阪公演セットリスト(2025/02/22) あのMR. BIGのラストツアーには「続き」が […]

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その名も“The Big Finale! Forever In Our Hearts”
一昨年の7月に大阪、そして武道館で感動的なライブを見せてくれたMR. BIG

自分は前回も大阪公演に参戦。

その後はスタジオアルバム“Ten”を発売、
そして全米ツアーでいよいよツアー活動に終止符を打つ……

と思われていたわけですが、
“Never Say Never”とはよく言ったもので、
日本で改めてラストツアーを行うことに!
2/22(土) 大阪公演 大阪城ホール、
2/25(火) 東京公演 日本武道館(ラストライブ!)
というスケジュールでのビッグ・フィナーレと相成りました。

奇しくも前日のGREEN DAYから2日連続となる大阪城ホール。
時間帯によっては雪もちらつく天候でしたが、物販は常に大行列!
それだけ彼らが愛されていたのだなとしみじみ。
能登半島沖地震のチャリティTシャツを出していたり、
募金箱を設置していたりと、バンド側から日本への思いも伝わってきました。

こちらは開場直前の写真。

大阪城ホール (2025/02/22)

会場内、能登への募金を呼び掛けるポスターにメンバーのサインが!

能登への募金を呼び掛けるポスターにメンバーのサイン

そして入った直後には奇しくもソロツアーを控えている
元メンバー、リッチー・コッツェンの特大パネルがお出迎え。

Richie Kotzen 宣伝パネル

ニューアルバム“Nomad”(2024)ソロツアーの宣伝なわけですが、
このパネルの写真を撮っている方も多かったですね。

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今回の席はSS席のスタンド最前列!
ほぼ中央だったので真正面からバランスのいい音を味わえる良席でした。

開演前BGMはTHE・洋楽ヒットソング特集という趣。
(EUROPEの”Seven Doors Hotel”が入っていたのも良かったですね)
客電が消えてビートルズの”Rock ‘n’ Roll Music”がかかると、
楽屋からステージ裏に向かうメンバーの様子がスクリーンに映し出される演出でした。

MR. BIG 大型スクリーン(ロゴ)

1曲目は優しいコーラスが特徴的な“Mr. Gone”
まさかまさかの中々にコアな選曲は3rd“Bump Ahead”(1993)から。
再結成後に日本で披露されたのは勿論初めて、
1996年のツアー以来だということなので驚きです。

前半部分はMCも短めに、
披露しきれなかった曲をこれでもかと放出するハードなセットリスト。
2曲目に早速披露された”Good Luck Trying“と、
この日が世界初披露の“Up On You”はいずれも最新作“Ten”(2024)から。
ファンキーな曲が続く構成だったこともあり、
“Up On You”のストレートな4ビートがより際立って聞こえましたね。
本来はライブを前提としない曲群がこうして聴けたのも、
前回の日本のファンによる熱烈な歓迎があってこそ。

というのも、今回のセットリストに関して言えば、
“Mr. Gone”から“Up On You”までの頭6曲は
前回のツアーで披露されなかったもの。
前回が2nd完全再現だったので、
今回は1st多めか?と予想していましたが、
蓋を開ければ“Bump Ahead”祭りだったのが面白いところ。

「レーベルの意向でバラードを沢山入れさせられたアルバム」
という評が一般的ではありますが、
実際はハードでファンキーな側面も大きい本盤。
そこを前面に押し出した序盤の聴き応えは、
コアなファンをも唸らせるものがありました。
ラストツアーをコアな内容にできるのも、
ファンを信頼してくれていることの表れと言ってもいいはず。

そして名曲“Green-Tinted Sixties Mind”に導かれた中盤以降はグレイテストヒッツ!
今回は“Lean Into It”(1991)の1~3曲目を逆順で演奏するという趣向。
バックのメンバー紹介映像も楽しい“Alive And Kickin'”では、
ラストで“WE LOVE YOU PAT”の文字が大写しになり思わずホロリ。
“Daddy, Brother, Lover, Little Boy“では当然盛り上がりつつ、
「このドリルソロも見納めか……」という一抹の切なさも。

再結成後の新曲としてプレイされ続けた“Undertow”に続いては、
ポール、ビリー、ニックの3人によるインストメドレー!
今回のラストツアーの個人的ハイライトはこのパート。
“Wind Me Up”に始まり“Mama D.”“Merciless”といった凝ったリフの曲、
そしてあの“Anything For You”のギターソロはフルバージョンで披露!
チラッとだけ披露されたものも含みますがこの大ボリューム!
 Wind Me Up
 Mama D.
 Out Of The Underground
 Merciless
 Anything For You
 Voodoo Kiss
 The Whole World’s Gonna Know
 How Can You Do What You Do
 Take A Walk
 Defying Gravity

正直フルで聴きたかった……という曲も勿論ありますが、
少しでもいろんな曲を演奏したい!という思いはしっかり伝わりました。
やっぱり1stの曲では会場のボルテージも上がっていましたね。

そして続けて披露されたのはポール・ギルバートのソロ!
前回は“Nothing But Love”をギターインストで披露してくれたポールですが、
今回は最後とだけあって“Stay Together”
これは最後の曲で来るかと思っていたのでちょっと意外でしたが、
やはりポールの「ギターを歌わせる」技術は天下一品。極上の時間でした。
ついでに短髪に戻していて若々しくなってましたね。

思えばポール・ギルバートのソロタイムは
ギターをエモーショナルに歌わせる方に進化していき、
ビリー・シーンのソロタイムは高速ハーモニクスだったり、
最後には足元でストリングスの音を流してみたりと、
リストバンドにもある「四弦達人」としての道を邁進していた印象です。
“Shy Boy”でのボーカルの力強さも健在でしたし、
まだまだそのエネルギーには枯渇の気配なし!

そして「ニック・ディヴァージリオ!2回目だしもうヴァージンじゃないよ!」
というエリックらしすぎるメンバー紹介をされたニック。
(大阪ではコイキングが輪切りの寿司にされるTシャツで話題に)
“Take Cover”の中間部分ではパットのフレージングをなぞるだけでなく、
今回は独自の色を出していたのが印象的でした。
まだまだMR. BIGには発展の余地があるのでは?と思わせてくれるのもニクイ。

そして本編ラストは新曲“Forever In Our Hearts”
「能登の被災者とその家族、そして日本のファンに捧げます」
という前置きにも誠実さを感じました。
このタイトル、元はといえばビリーがライブの最後の言葉としてよく使っていた言葉なのだそうで、
それに触発されたポールが作った曲、とのこと。
公式MVには日本語の歌詞もついていて、
どこまでも相思相愛だったんだなと再認識。

アンコールは“To Be With You”
そして“Just Take My Heart”の名バラード2曲でスタート。
“To Be With You”の映像には日本語での感謝の言葉が綴られたメッセージも。

MR. BIG名物のパートチェンジでは
エリックがベース、ポールがドラム、
ニックがギター、そしてビリーがボーカルの構成で
The Rascals“Good Lovin'”を披露。
そしてThe Whoの名曲“Baba O’Riley”をカバーするところまで前回同様。

前回のツアーはここで終了……でしたが、やはり今回は一味違う!
エリックが指で「1」のサインを出すと大歓声!
そして最後の最後に披露されたのは
“I Love You Japan”!!!

最初のピロピロリフでは一瞬判断つかず、歌い出しでこの曲と気づき大興奮でした!
レア曲ながら”Wow-wow!”のコールが揃っていたのは流石。
日本(そしてマキタのドリル)への愛を、
最後までユーモアたっぷりに全身で表現した最高の〆でした。

1.Mr. Gone
2.Good Luck Trying
3.Price You Gotta Pay
4.Big Love
5.Temperamental
6.Up On You
7.Green-Tinted Sixties Mind
8.Alive And Kickin’
9.Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)
10.Undertow
11.Instrumental Medley:
  Wind Me Up
  Mama D.
  Out Of The Underground
  Merciless
  Anything For You
  Voodoo Kiss
  The Whole World’s Gonna Know
  How Can You Do What You Do
  Take A Walk
  Defying Gravity
12.Paul Gilbert Guitar Solo:
  Gonna Fly Now
(Theme From “Rocky”)
  Stay Together
  Green-Tinted Sixties Mind
  To Be With You
13.Colorado Bulldog
14.Promise Her The Moon
15.Take Cover
16.Wild World
17.Addicted To That Rush
18.Billy Sheehan Bass Solo
19.Shy Boy
20.Forever In Our Hearts

アンコール:
21.To Be With You
22.Just Take My Heart
23.Good Lovin’
(パートチェンジ)
24.Baba O’Riley
25.I Love You Japan

これが「正真正銘」のラストツアー。武道館も同じセトリだった様子。
前回のツアーに行った人にはより刺さる仕様になっていて、
どこまでもファン思いなバンドだな……という感慨がありました。

思えばMR.BIGが完全にグレイテストヒッツなセトリをやったのは、
2009年の“Back To Budokan”のときだというのが私見。
そこからアルバムを4枚も出して、その時々の曲をしっかり入れてくれていたのには、
彼らの現役バンドとしての矜恃を感じました。
再結成後の象徴としての“Undertow”を演り続けていたのも嬉しかったです。

前回長めにとったアコースティックステージは無し!というのも思い切ったなと。
(それっぽかったのは“Wild World”の前半くらい)
アコースティックセットで披露されていた“Big Love”
そして“Promise Her The Moon”をバンド編成でやり切ってくれたのが、
思い残した分を回収していこうという気概を感じさせてくれて嬉しかったですね。
まさかもう一度聴けるとは思わなかったので感激でした。
今回の真・ビッグフィニッシュも商品化してくださいね!!!

帰り道にイヤホンをつけたらすぐ
“Forever In Our Hearts”が流れてきて切なさがこみ上げてきました。
最後の最後までいい曲書き続けてくれるのって本当に素敵なことだなと改めて。
楽しすぎて本当にあっという間に終わってしまった……
ビリーの「いつかまた何かしらの機会で」という最後の言葉も信じつつ、
MR. BIGよ永遠に……。

前回の大阪公演はこちら。

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【ライブレポート】GREEN DAY JAPAN TOUR 2025大阪公演@大阪城ホール(2025/02/21) https://tashinami-musiclog.com/2025/02/26/live-green-day-japan-tour-2025-osaka-2025-02-21/ https://tashinami-musiclog.com/2025/02/26/live-green-day-japan-tour-2025-osaka-2025-02-21/#respond Tue, 25 Feb 2025 17:51:02 +0000 https://tashinami-musiclog.com/?p=3214 ポップパンク界の王者にして自分の青春時代を形成してくれたGREEN DAY、遂に来日!来日は公演はサマソニ2012以来13年ぶり、単独ツアーとしては2010年以来となる15年ぶり!という久々のものでした。 サマソニの映像 […]

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ポップパンク界の王者にして自分の青春時代を形成してくれたGREEN DAY、遂に来日!
来日は公演はサマソニ2012以来13年ぶり、
単独ツアーとしては2010年以来となる15年ぶり!という久々のものでした。

サマソニの映像はWOWOWの映像を録画して何度も観た記憶があります。
当時は“¡Uno!”, “¡Dos!”, “¡Tré!”と題された例の3部作の時期で、
新曲として披露された“99 Revolutions”は一聴で大好きな曲になりました。

そして遂に最新作“Saviors”(2024)を携えた彼らをこの目で観られるときが来ました!
そもそも“Father Of All…”をリリースした2020年の3月には
8年ぶりの来日が決まっていたわけですが、あえなくコロナで中止に。
2025年になってようやくリベンジできた!というわけですね。
バンドにとっても日本のファンにとっても、
「忘れ物を取りに来た」という感慨に溢れたツアーといえます。

ということで自分は2/21(金)の大阪公演に参戦!
翌日にはMR. BIGラストツアー大阪公演ということで、
まさかの連日で城ホール、という日程になりました。
(SNSのTLでも同志の方がちらほら……)

Creativeman 来日告知ポスター

会場外にはクリエイティブマンの来日告知ポスターがズラリ。
大阪に限っても来日ラッシュなのは今年も変わらず。
嬉しい悲鳴が各所から聞こえてきそうです。

席については運よくスタンディングが取れたのですが、
入場時には持ち物検査+金属探知機という厳重な体制が敷かれていたほか、
スタンディングとはいえブロックは細かく区分けされモッシュ等は禁止。
個人的には(片足捻挫中ということもあり)
巨大なピットに放り込まれたらどうしよう……という心配はなく一安心。
多少の押しあいへし合いは覚悟の上でしたが平和に拳振り上げて鑑賞できました。
会場が大きい分多少ピットは小さめにしておかないと手が回らない、というのはありそう。

入場したころにはゲストの炙りなタウンのライブがスタート。
岡山出身の女性3ピースバンドで、この大阪公演のみの出演。
まっさらな状態で観はじめたライブでしたが、
激しいシャウトも交えつつストレートにエネルギーを放散する様子にはグッときました。
歌詞やMCもどこまでも直球でしたし、しかもそれらが
「かっこいいことを言おうとしているわけではなく、発した言葉がかっこよくなっている」
というように映りましたし、ステージを走り回るギターとベースの2人は、
後半ではステージ中央の花道まで使って会場を掌握。
終わるころには「ええやんけお前ら~!!」という声が聞こえたのが印象的でした。
Spotify等の大手サブスクには配信していない豪気なバンドなので、
ぜひここはフィジカルでどうぞ。

GREEN DAY 開演前

そしていよいよGREEN DAY
開演前の液晶テスト画面の時点から歓声が上がっていました。
ステージ上部にもスクリーンが配置されていて、
演奏の様子がどの席からでもしっかり観られる構成になっていたのは流石。

開演BGMは近年すっかりお馴染みとなり、ハイドパーク公演では大合唱を起こした、
QUEEN“Bohemian Rhapsody”のフル尺音源
(日本でも”Mama~!”のパートは合唱になっていてちょっと安心)からの
RAMONES“Blitzkrieg Bop”への流れ。
酔っ払いのウサギの着ぐるみが登場して会場を盛り上げてくれました。
衣装がまんまビリー・ジョー仕様で笑いましたが、果たして……。

ということで1曲目は新譜から“The American Dream Is Killing Me”
キャッチ―なサビなので早速の大合唱になっていたのは流石。
後方の壁状になったマーシャルアンプの縁には照明がついていて、
曲に合わせてカラフルに彩られる演出。
最新作“Saviors”(2024)の曲ではジャケットに合わせて全体がピンク色に。
さらに上部にはパイロまで仕込まれていて、炎の演出でも楽しませてくれました。

今回のバンドメンバーは、
ビリー・ジョー・アームストロング(Gt, Vo.)
マイク・ダーント(Ba.)
トレ・クール(Dr.)
の変わらぬ3人に、
すっかりお馴染みとなった
ジェイソン・ホワイト(Gt.)、
さらにキーボード、ギターを加えた6人編成で、
「GREEN DAYの音」をステージ上で余すところなく表現していました。
3ピースのようで実際には6人編成を要するあたりが、
彼らの音楽性の多様さを如実に表していたように思います。

そしてこのツアーの特徴としては、
最新作の宣伝のみならず、
“Dookie”(1994)の30周年、
そして“American Idiot”(2004)の20周年という、
彼らの傑作アルバムのメモリアルとしての性質も持っていること!
というわけで前半は“Dookie”
後半は“American Idiot”中心という
贅沢すぎる構成が実現。
新譜の曲でのご挨拶もそこそこに
“Welcome To Paradise”“Longview”はあまりに強烈すぎました。
どちらもマイクの特徴的なベースラインがしっかり味わえて感動しましたね。

そして“Longview”でひとしきり飛び跳ねたあと、
ビリー・ジョーが敢えて何も語らず、
しかし少年の面影すら残したキラキラした目で
ステージ上から客席を睥睨するとき……

特大アンセム“Basket Case”が始まる!!!!!!
自分も例によって高校時代バンドでコピーしたこともある一曲、
周りの兄ちゃん姉ちゃんと一緒に大合唱でした。
あの”BJ”のイニシャルをあしらったストラト”BLUE”をかき鳴らす姿、
「青春」が詰まっていてあまりにも感動的でした。

その後も、ウーマンリブのデモ行進の写真を背景に歌う“She”
そしてこれも必殺の
“When I Come Around”と、
“Dookie”からの曲の波状攻撃で畳みかけるさまはインパクト抜群でした。

続いてはトレのストレートなドラムに導かれ、
アジテーションのようなコーラスが印象的な
“Know Your Enemy”へ!
個人的にはこの日のライブでトレ・クールのドラムがもっと好きになりましたね。
あの一音一音のパワーと推進力と安定感は生で観てこそ。

ここでは落ちサビの部分をファンに歌わせる流れがありましたが、
「歌詞分かる奴!」と聞いても該当者が見つかるまでには若干ラグが……
と思いきや選ばれたのは何と”I KNOW THE ENEMY”のフラッグを掲げた男性!
バンドと一緒にそのままノリノリで歌い上げたり、
ステージ上で台からのジャンプを決めたりとすっかりヒーローになってました。
こういうまっすぐなファンっていいなあ……とこちらも楽しくなりましたね。

その後にいきなり始まったのは、
この日のセトリで一番古い
“Who Wrote Holden Caulfield?”
2ndアルバムという位置づけの
“Kerplunk!”(1992)に収録された、
『ライ麦畑でつかまえて』の主人公に仮託して無気力な生活を歌う隠れた佳曲!!
というのも自分が燻っていた時期に一番聴いていただけに思い入れもひとしお、
まさかこの日に聴けるとは!という感慨で胸いっぱいになりました。
自分語りですがこの日のハイライトです。
セトリへの正式な記載もなく完全な日替わり枠、
さらに現状では奇しくも大阪限定の様子。僥倖!

"Dookie"のジャケットに出てきた飛行船

さらにこのとき会場にはあの“Dookie”のジャケットに出てきた飛行船が登場!
この飛行船、後ろのほうでは爆弾(風船)を投下していたり、
下では(ジャケットの)犬の着ぐるみが登場したりと会場を沸かせていたそうです。
自分は前方だったので一瞬写真を撮ったら即バンドに食いついて観ておりました。

続く“Revolution Radio”
“Dilemma”“21 Guns”は、
打って変わって新しめの曲が並ぶゾーン。
この辺りが中盤ですね。
新曲“Dilemma”はビリー・ジョー自らの依存症体験を赤裸々に吐露した一曲。
ライブで聴くとトレのビートに乗った甘さの中に哀愁のあるメロディラインが絶品。
“Saviors”のジャケットでもオマージュされている、
ラモーンズのフィーリングを大いに感じてますます好きになりました。

そして弱者に寄り添い鼓舞する
名曲“Minority”
アコギのサウンドがグッと前面に出てくる一曲ですが、
今までどちらかというとテンポも抑えめだったのがここで大爆発!
この日一番ともいえる活気に溢れた演奏でした。
みんなで歌えて連帯できるサビ、昨今のマジョリティの専横を思うと沁みてきます。

そしてこの日一番のサプライズ、
ビリー・ジョーが突然「リンダリンダ~!」と歌い出す!
続けてサビの合唱で応えるオーディエンス。日本思いで嬉しい……
個人的にはサマソニでの
THE LINDA LINDASのパフォーマンスを思い出すなど。

「デデッ!」という強烈なリフで
“Brain Stew”“Jaded”がスタート。
この曲に入った瞬間、横にいたお兄さんの反応が
今までの「ウェーイ!」という感じから
祈るような真剣な眼差しでステージを見つめるようになり、
「この人はきっと“Insomniac”に救われたんだな……」と勝手に親近感。

フラストレーションを放散した
“Jaded”の狂乱が終わると、
ステージ中央に巨大なハートの手榴弾のバルーンが膨らんでいき……

遂に“American Idiot”がスタート!!
20年たっても色あせるどころか時代性をますます帯びるようになってきているのは皮肉ですが。
2番の”I’m not a part of a redneck agenda”のところ、
最新作の宣伝として地下鉄の駅で行ったライブでは”MAGA agenda”としていたところ、
今回は”Elon agenda”と歌詞を変えての披露。
要は「俺はイーロンの計画には乗らねえよ!」という熱い意志表明!痺れました。

ここからは完全再現か?と思いきや2曲目を飛ばしていきなり“Holiday”
そしてもちろん
“Boulevard Of Broken Dreams”へ!
ここでの合唱、初日の大阪では正直不発気味でしたが他会場はどうだったんでしょうか……
(サビではなくAメロを歌わせるのでハードルが少し高め)

ここからはほぼアルバムの流れに乗って進んでいきます。
“Are We The Waiting”のサビは分かりやすいのでしっかり大合唱に。
ここではギターを持たずマイク一本で花道に立つビリー。
全身で大観衆に問いかけるような姿が印象的でした。
続く疾走曲“St. Jimmy”でもそのまま全力のアジテーションスタイル!
カッコよさの中に危うさも感じさせるキャラクターを完璧に演じていました。
真っ赤な紙テープが舞う演出も決まってましたね。

ここで本編の〆かと思うような盛り上がりでしたが、
しっとりとした“Give Me Novacaine”へ。
(大阪の地名もしっかり出してくるサービスも有難い!)

そしてここで一気に飛んで“Letterbomb”
これもバンド屈指の名曲なわけですが、曲中でビリー・ジョーが観客に
「今だけはスマホも、Facebookもインスタも何もかも無しだ!」
「一番大切なのは一つになることだ!」と熱く語り掛けていたのが印象的でした。
そこからの”Let’s go crazy!!!!!”の煽り、この最高の瞬間のひとつになりました。

哀しく、そして美しい名曲
“Wake Me Up When September Ends”での合唱の後は、
5部構成からなる「パンク・オペラ」
“Jesus Of Suburbia”
目まぐるしく移り変わるバックの映像も効果的でしたし、
この組曲の完成度を改めて実感するひとときでした。
“Dearly Beloved”パートの裏声のコーラス、
周囲の人と一緒に歌ったのが楽しかったし凄く綺麗でした。いい思い出です)

大盛り上がりでの
“American Idiot”パートも終わり、
クライマックスで披露されたのは
新曲“Bobby Sox”

ここで新曲を持ってこれる現役バンドとしての矜持、そして
“Do you wanna be my girlfriend?”,
“Do you wanna be my boyfriend?”
という分かりやすく盛り上がれるキャッチ―なメッセージ、
さらにこのシャウト交じりの力強い歌唱を最終盤にやってのけるビリー・ジョー!
全てが完璧に融合した秀逸なパフォーマンスでした。

そして一番の驚きは最後の
“Good Riddance (Time Of Your Life)”まで、25曲ぶっ通しでのライブだったこと。
これがパンクロックの力か……と心で理解できるような、素晴らしい体験でした。

1.The American Dream Is Killing Me
2.Welcome To Paradise
3.Longview
4.Basket Case
5.She
6.When I Come Around
7.Know Your Enemy
8.Who Wrote Holden Caulfield?
9.Revolution Radio
10.Dilemma
11.21 Guns
12.Minority
13.Brain Stew
14.Jaded
15.American Idiot
16.Holiday
17.Boulevard Of Broken Dreams
18.Are We The Waiting
19.St. Jimmy
20.Give Me Novacaine
21.Letterbomb
22.Wake Me Up When September Ends
23.Jesus Of Suburbia
24.Bobby Sox
25.Good Riddance (Time Of Your Life)

そして今回のツアー、会場限定で配布される特典が存在!
退場していたら最後の最後に出入口でこちらのカードが配られて感激しました。

GREEN DAY(会場限定特典)

IDは00059番!けっこう早めに入手できたみたい?
日付と会場名も記載されているのが嬉しいところ。この日限定の思い出の品です。
ちなみにQRコードからは“Saviors”の配信URLにジャンプできます。芸が細かい!

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【年間ベスト】年間ベスト2024(今年のライブ遍歴+ベストライブ) https://tashinami-musiclog.com/2025/01/01/annual-best-2024-best-live/ https://tashinami-musiclog.com/2025/01/01/annual-best-2024-best-live/#respond Tue, 31 Dec 2024 19:01:56 +0000 https://tashinami-musiclog.com/?p=2647 あけましておめでとうございます!!新年ですが年末年始の長期休暇ということで、引き続き2024年の振り返りをば。 まず2024年のライブ遍歴がこちら。 2/7 Queen + Adam Lambert (@京セラドーム大阪 […]

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あけましておめでとうございます!!
新年ですが年末年始の長期休暇ということで、引き続き2024年の振り返りをば。

まず2024年のライブ遍歴がこちら。

2/7 Queen + Adam Lambert (@京セラドーム大阪)
2/13 Kula Shaker (@心斎橋BIGCAT)
3/2 Slash Feat. Miles Kennedy & The Conspirators (@なんばHatch)
5/8 GAMMA RAY(@なんばHatch)
5/21 スターダスト☆レビュー (@高槻城公園芸術文化劇場トリシマホール)
8/10 楠木ともり (@大阪城音楽堂)
8/17 SUMMER SONIC OSAKA Day.1 (@万博記念公園)
8/18 SUMMER SONIC OSAKA Day.2 (@万博記念公園)
9/7 スターダスト☆レビュー (@大阪城音楽堂)
9/23 YES (@岡谷鋼機名古屋公会堂)
9/24 IRON MAIDEN (@大阪城ホール)
9/28 Korpiklaani(@心斎橋SUNHALL)
10/10 Kasabian (@Zepp Osaka Bayside)
11/17 スターダスト☆レビュー (w/ PUFFY, Ms.OOJA)(@四日市市文化会館)
12/6 Judas Priest(@あましんアルカイックホール)

おそらく……と言うか文句なしに人生で一番ライブに行った一年だったと思います。
他にもフリーライブでいえば、声優系にはなりますが

8/25 NACHERRY (@あべのキューズモール)
10/14 中島由貴 (推し飯フェスティバル 声優アーティストライブ) (@万博記念公園)


も入ってきたりします。
(中島由貴さんのアーティストとしてのライブに初参戦できたのも嬉しい思い出)

個人的には結婚という人生における一大イベントもあり、
それに伴って一緒に参戦するライブもかなり増えたのが大きいですね。
気がつけば妻の影響でスターダスト☆レビュー(通算6回)が
BON JOVI(通算4回)を抜いて一番ライブに行ったバンドになってました。
11月の三重・四日市公演はPUFFYとMs.OOJAも出演するという贅沢なものでしたし、
メタラーを自称している自分ではありますが、
こうして視野を広げることによる幸福を改めてかみしめています。
(個別記事は後ほどきちんと上げますので……)

今年の個人的ベストライブですが、
TOP3にすると昔から憧れてきたレジェンドたちで占められることに。
また、3年連続で参戦しているSUMMER SONICに関しては、
Bring Me The HorizonMåneskinという一番勢いのある2バンドがヘッドライナーを務め、
見事大成功を収めたのが印象的でした。
ランキング作りに迷うくらいに様々なライブが行われるようになったことに感謝しつつ、
感染症対策には引き続き、気を配って楽しんでいきたいところです。

3位 Queen + Adam Lambert (@京セラドーム大阪)
QUEENの曲の普遍的な良さ、そしてアダムの素晴らしい歌唱力を存分に味わえました!
“Teo Toriatte”で音が止まるハプニングを、
観客みんなの歌でリカバリーした場面はずっと忘れられない感動的なシーンでした。

2位 Judas Priest(@あましんアルカイックホール)
先日の尼崎ですが、初めて生でメタルゴッドを拝めた!という感慨は本当に大きかったです。
9月に来日したメイデン同様、最新作の曲に物凄いパワーがある!というのを
感じさせてくれるライブを繰り広げてくれたのが嬉しいですね。
リッチー・フォークナーとアンディ・スニープのツインギターもバッチリ決まっていましたし、
個人的には“Devil’s Child”が聴けて感動しました。

1位 IRON MAIDEN (@大阪城ホール)
中学時代にメタルの世界に入門するきっかけになったバンドのひとつ!
大好きな“Somewhere In Time”(1986)の曲をたっぷりやってくれたのが嬉しすぎました。
まさかニコの勇姿を拝める最後の機会になると思いませんでしたが……
他のメンバーがステージから降りても、
たっぷりファンサービスをして深々とお辞儀していた姿は忘れられません。

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【ライブレポート】 Judas Priest Invincible Shield Japan Tour大阪公演@あましんアルカイックホール(2024/12/06) https://tashinami-musiclog.com/2024/12/21/judas-priest-invincible-shield-japan-tour-2024-12-06/ https://tashinami-musiclog.com/2024/12/21/judas-priest-invincible-shield-japan-tour-2024-12-06/#respond Sat, 21 Dec 2024 14:01:29 +0000 https://tashinami-musiclog.com/?p=2605 目次 Judas Priest、最新作を携えてのジャパンツアー2日目!Judas Priest 大阪公演セットリスト(2024/12/06) Judas Priest、最新作を携えてのジャパンツアー2日目! (※セットリ […]

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Judas Priest Invincible Shield Japan Tour 公演ポスター

(※セットリストのネタバレを多分に含みます)

我らがメタルゴッドことJudas Priestのジャパンツアーが開幕!
名古屋公演に続く2日目、大阪公演も最高でしたね!
大阪公演……と言いつつ会場は兵庫県尼崎駅近くのあましんアルカイックホール
神が大阪公演とのたまうのでこれは大阪公演です。
9月のメイデンに続き、今回も例によって妻と参戦。

まず気になる物販ですが、ツアーTシャツはメイデン同様8,000円。
もはや当然と割り切ってか、驚く人も少なかった印象。
その代わり(?)メンバーのサイン入りリトグラフが5,000円という大盤振る舞い!

自分の少し前で売り切れてしまい入手はできませんでしたが、
どうやら本当に売れる分のリトグラフを捌ききってしまったらしく、
追加作成に伴い、以降の公演では一気に10,000円に値上げしての販売になるとか。
結構などんぶり勘定な気もしますが、それだけこの祭りが盛り上がっているということか……

他にも目玉のひとつとしてカセットテープの発売もありましたね。
サイズ感といい趣といい、コレクション欲をかきたててくれます。
(今のカーステレオにカセットデッキがないのが残念ですが……)

Judas Priestマフラータオル、リストバンド、ピンバッジ

自分はマフラータオルとリストバンドを入手。
タオルはプリントも凝っていていい感じですし、
リストバンドは今後メタルイベントに赴く際の正装として使えそう。
ちなみに妻はピンバッジをゲット。ピンボケしてますが中々かっこいいです。

Judas Priest バックドロップ

会場に入ると巨大なバックドロップがお出迎え。
最新作“Invincible Shield”(2024)のブックレット冒頭に刻まれている、
メタルゴッドによって贈られた熱い檄文が期待感を高めてくれます。

会場内BGMもガンズやエアロ、ニッケルバックと超王道路線。
(ちなみにスラッシュのソロとVelvet Revolverも流れていたので、
本人のあずかり知らぬところでスラッシュ大忙しの様相だったのは謎)
AC/DC“It’s A Long Way To The Top (If You Wanna Rock ‘n’ Roll)”が流れだすと、
ここぞとばかりに立ち上がって歌い出すファンもいて楽しかったです。
(メタリカのライブでは、この曲が流れると開演が近い合図)

そして開演時刻を少し過ぎたあたりでBlack Sabbath“War Pigs”が流れ出し、
いよいよライブが始まるということで一気に沸き立つ会場。
ワンコーラスしっかり大合唱したところで(大学時代コピーしててよかった……)、
BGMはさらに壮大なイントロダクションに変化!

1.Panic Attack
1曲目はもちろん新譜のオープニングを飾るこの曲!
どこか80年代を思わせるシンセのメロディとギターの刻みが段々近づいてくるイントロに続き、
舞台を覆う幕がスッと引き上げられて遂に鋼鉄神・Judas Priestが目の前に!

生で聴くロブ・ハルフォード(Vo.)のお声に関してですが、
歌い出しがそのまますぎて最早テープかと思うレベルでした。喉からCD音源とはこのことか……
しかしサビ終わりの高音のロングトーンの迫力は段違い!
「本物」の風格がこれでもかと伝わってくる強烈なオープニングでした。

そして10番台の列だったこともあり、思っていた以上に近い!
我々の席は下手側だったのでちょうど真正面にはリッチー・フォークナー(Gt.)が!
すっかり定着した感のあるリッチー、ステージングにも華がありますし、
常に観客の目を見て積極的なファンサをするところにグッときました。
ステージ上でのロブとの絡みもひときわ多く、
バンド全体にフレッシュな勢いを与えてくれるメンバーになってますね。

上手側は優しい笑顔を時折浮かべつつボトムをしっかり固めるイアン・ヒル(Ba.)と、
グレンに代わってツアーを回るプロデューサー、アンディ・スニープ(Gt.)のコンビ。
プロデューサーとはいえ元はベテランギタリスト、安定感あるパフォーマンス。
そして手数とパワーを両立したスコット・トラヴィス(Dr.)は流石の一言。
190cm台の高身長なので、座っていてもその存在感は絶大でした。

2.You’ve Got Another Thing Comin’
興奮冷めやらぬまま、2曲目からいきなりこのイントロだったので思わず大絶叫!
てっきりアンコールのあたりだろうと構えていたので完全なる不意打ちでした。
勿論会場も大盛り上がりの大合唱でした!
ここで既にいい意味でペースを崩されてテンションも天井知らずに。

3.Rapid Fire

そして名盤“British Steel”(1980)からはこの1曲。
無骨にザクザクと進んでいくギターの音が気持ちいい!ヘドバンも捗ります。
ティム期のライブではサビが足されていましたが、ここでは原曲に忠実な仕上がり。

4.Breaking The Law

なんとここでも間髪入れず“Breaking The Law”
お馴染み”Breaking the what!?”のくだりも無し!これは予想外!
セトリ前半の「何が飛び出してくるかわからない」という感覚は強烈でした。
過去のライブではフルコーラスまるっと観客に歌わせるパターンもありましたが、
今回はロブがしっかり歌ってくれました。
しかしリフもサビも”You don’t know what it’s like!!”も当然大合唱!
メタル史に残る名曲の一部になれた感慨はひとしおでした。

5.Riding On The Wind

そしてスコットの怒涛のドラムから始まるこの疾走曲!
これぞ!というリフと切り込んでくるギターソロはまさに極上でした。
オープニングからずっとテンションが落ちない恐ろしさ……
自分が初めて聴いたオリジナルアルバムがまさに
“Screaming For Vengeance”(1982)だったので、
ここから手厚いセトリだったのがとにかく嬉しかったですね。

6.Love Bites

一度薄暗くなったステージに不穏な赤いライトが灯り、
ひときわ重苦しく邪悪なピアノが響き渡るイントロ……
今回生で聴いて強烈に印象に残ったのはこの曲かもしれません。
キー下げも相まって、ロブのドスの効いた歌唱は原曲を遥かに凌ぐ重み。
この曲自体がさらに熟成されて凄みを増しているのを目の当たりにした気分です。
バックのモノクロ映像もカッコ良かったですね。

7.Devil’s Child

これまた“Screaming For Vengeance”からの一曲!
(実は本作で一番聴いたのがこれ)
ライブ盤“Battle Cry”(2016)にも入っていたこの曲ですが、
まさか聴けるとは!と感動しっぱなしでした。

8.Saints In Hell
続いては“Stained Class”(1978)からの選曲。本作からは意外とこれが唯一。
たまたま最近入手したトリビュート盤で「いい曲だな……」と再認識した矢先なので、
個人的にはタイムリーな選曲で嬉しかったです。

そしてここからリッチー・フォークナーによるギターソロ!
ドラマチックな照明もしっかり用いながら、ギターヒーローとして堂々たる振る舞い!
プリーストに入ってくれてありがとう……と思わせてくれる極上の時間でした。

9.Crown Of Horns
そして最新作から、グラミー賞にもノミネートされているメロディアスな一曲へ!
なんでこの曲でグラミーに?と思いつつYouTubeで再生回数を観に行くと、
実は1stシングル”Panic Attack”に勝るとも劣らぬ人気を誇っていることが判明。
近年の曲の中でもとりわけ歌メロ、そして歌詞の美しさが際立っているなと感じます。
ロブの歌唱は若干息切れ気味でしたが、バンドサウンドの美しさと風格で押し切れるのが強み。

10.Sinner
ロブの”Sinner!!”のコールからもう既に会場が沸き立つのが分かりました。
じわじわと盛り上げていく展開とたっぷりのギターソロが堪りません。
シャウト主体のパートになるとロブの声のキレが完全復活するのも最早恐ろしい……。

11.Turbo Lover
“Turbo”(1986)愛好家として個人的に聴きたかった一曲。
低めに入る歌い出しにキャッチ―なサビ、
そしてストレートながら起承転結のあるギターソロ!
イントロの高揚感の時点でこれこれ!!!!という気持ちに。
80年代のキラキラした雰囲気とJudas Priestらしさが融合した、
ライブで真の力を発揮するアンセムですね。
サビでは客電がついたので歌いながらリッチーに”Turbo”Tシャツを猛アピールしてました。

ここで上手側のモニターに腰掛け、バンドの今までの歩みを振り返るロブ。
同郷バーミンガムのBlack Sabbathの名前も出しつつファンへの感謝を述べ、
そしてアルバムタイトルを一枚一枚順番にコールするロブ。
好きなタイトルが出てくると大歓声が起こるのも良かったですね。

と、言いつつしれっとティム期の2作はスルーというロブ史観だったり、
ロブがとちって「ペインキラー!」の次に「ノストラダムス!」とコールしたりと、
愛すべきツッコみどころもありましたが、
ファンと一緒に築いてきた50年の重みを感じさせてくれる名MCでした。

12.Invincible Shield
そして最新作のタイトルトラック“Invincible Shield”へ!
実はアルバムの中で一番の長尺ながら勢いで聴かせきるこの曲、ライブでも破壊力抜群!
今まで生み出した名曲に比肩する傑作を今年出してきた凄さをひしひしと感じました。

そしてこの曲で、ステージ上方から吊られていたバンドロゴが前面に登場!
メタルゴッドJudas Priestの貫禄を味わえる至高の演出。

13.Victim Of Changes
ここからはさらに怒涛の名曲ゾーン!
イントロのツインギターのハモリの時点から異質な凄みを感じました。
2ndアルバムの1曲目でこれが出てくるという衝撃、
そしてバンドの成長をこれでもかと体感させてくれる名曲だなと。
こんなに美しい曲があるのか……という気持ちで、じっくり味わえました。

14.The Green Manalishi (With The Two Pronged Crown)
お馴染みフリートウッド・マックのカバー、グリーンマナリシ!
Judas Priest初心者の妻がライブ後に、
「グリーンマナリシとラブバイツ楽しかったーー!」とずっと言っていたのが大収穫でした。

15.Painkiller
そしてスコット・トラヴィスの入魂のドラムソロ。
これに続くのはもちろんあの曲しかない……ということで会場の空気も一段と変わります。
「あと3曲だ!」と言っていたスコットですが、普通にあと4曲あってお得でした。
(最終公演でようやく「あと4曲」に修正していたとか)
「お前らが聴きたい曲は何だ!」「「「ペインキラー!!!」」」
という定番の流れを一緒にできて感激。

そして遂にあのドラムパターンから“Painkiller”へ!!
歌い出しの時点で今までとは違うレベルの高音が耳に突き刺さる衝撃の体験!
おそらくロブが不調だった時の対策としてか出音のハイを上げていたと思うのですが、
ロブのコンディションが良好だったおかげで衝撃のブルータリティを発揮していました。
あとはもうひたすら首振ってたら最後まで突き進んでいた、という感じ。
リッチーとアンディのギターソロも完璧、ラストのシャウトまで圧巻でした。

ここからアンコール!
16.The Hellion~Electric Eye
“The Hellion”のテープが鳴り響いたときの熱狂もこの日トップクラス!
高揚させるイントロからの疾走曲、といういわゆる様式美を存分に堪能。
サビが一緒に歌いやすいのも素晴らしいなと改めて実感。

17.Hell Bent For Leather

エンジン音を響かせながら、白のハーレーに乗ってロブが登場!
(個人的には黒のイメージがあったので少し意外でした)
そして高揚感を最大限に煽るギターリフ!あっという間に過ぎ去っていく名曲名演でした。
ロブは手持ちの鞭でハーレーのみならずリッチーのこともシバきにいっていて面白かったです。
(上手側のイアン・ヒルは終始ニコニコでした)

18.Living After Midnight

そしてもちろんラストはこの曲!
メタルと言いつつロックンロールが根底にあるという、
プリーストの魅力を体現した文句なしのアンセム!
“LOADED”の文字がスクリーンに躍る演出にもワクワクしました。
最後まで笑顔で大合唱!最高のエンディングになりました。

Judas Priest(終演)

終演!舞台上には白のハーレーと“Priest will be back”のメッセージが!
観客からの“Judas Priest! Judas Priest!”のコールも感動的。
メタルが好きでよかった……と改めて思える、極上の体験でした。
またすぐにでも観たい!最高のライブをありがとうございました!!!!!

1.Panic Attack
2.You’ve Got AnoTher Thing Comin’
3.Rapid Fire
4.Breaking The Law
5.Riding On The Wind
6.Love Bites
7.Devil’s Child
8.Saints In Hell
9.Crown Of Horns
10.Sinner
11.Turbo Lover
12.Invincible Shield
13.Victim Of Changes
14.The Green Manalishi (With The Two Pronged Crown)
15.Painkiller

~アンコール~
16.The Hellion~Electric Eye
17.Hell Bent For Leather
18.Living After Midnight

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【ライブレポート】NACHERRY 3rdシングル”LOOP”発売記念フリーライブ @あべのキューズモール(2024/8/25) https://tashinami-musiclog.com/2024/10/27/live-nacherry-loop-2024-8-25/ https://tashinami-musiclog.com/2024/10/27/live-nacherry-loop-2024-8-25/#respond Sun, 27 Oct 2024 11:31:35 +0000 https://tashinami-musiclog.com/?p=2144 目次 最新シングル”LOOP”リリースに伴うライブイベントの総決算!NACHERYフリーライブ(2024/8/25) セットリストおまけ(天王寺での釣果) 最新シングル”LOOP […]

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地元大阪で最新シングル“LOOP”のリリースに伴うフリーライブ開催!
しかも場所はあべのキューズモール!
ということで8月も終わろうという日曜日、
「天王寺で田中ちえ美のライブを観た人」になるべく行ってまいりました。
(※公開する機会を逸して下書きに溜めっぱなしでしたが時間もできたので……)

最新3rdシングル”LOOP”発売に伴って、
3rdツアーも含めて全国各地を飛び回っていたNACHERRYですが、
「ライブを伴うリリイベ」はこの日が最後。
この日も13:30からのゲーマーズなんば店でのトーク&ミニライブ、
そしてあべのキューズモール(天王寺)でフリーライブ!という怒涛のスケジュール。

あべのキューズモールでのイベントは、トークとミニライブのみならず、
「CD購入による抽選で優先観覧エリアに入場が可能で、
当選した暁には特典(直筆サイン入りジャケットカード)お渡し会に参加できる」というもの。
ということで15:00に並んで“LOOP”のCDを買ってみることに。
14時台の時点で結構しっかり並んでいて流石だなと。

LOOP / NACHERRY (2024)
LOOP / NACHERRY (2024)

抽選会の結果はあえなくハズレでしたが、
特典としてブロマイドはいただけたので自分的にはひとまずOK。

LOOP / NACHERRY (2024)
特典ブロマイド

あとはとりあえず天王寺近辺の中古CD売り場をぶらつきながら時間潰し。
17時前後からぼちぼち入場整理もスタート、
優先観覧エリアの幸運なお客様の入場が済むと一般エリアも開放されました。
入ってみると予想外に近くて驚き!
下手側なのでなっちゃん(村上奈津美さん)側のポジションでした。
その熱気冷めやらぬまま、17:30前後に開演。

1.フォーチュンテラー
1曲目からいきなりデビュー曲が登場!
イントロと一緒に元気よく入ってきた2人にこちらも笑顔に。
デビュー時からずっと成長してきた1曲、息もピッタリでしたし、
お客さんたちによるサビのタイトルコールも勿論バッチリ。
自分も一般ゾーンの中ではかなり前のほうを陣取れたので目も合いまくりでした。

2.My dream girls
すかさず今度は2ndシングル“My dream girls”
気づいたら覇権アニメになっていた『魔法少女にあこがれて』の主題歌として、
Spotifyでは再生回数100万回超えの第一位。
ポップでメルヘンなイントロに合わせた、
「超 cute!」「Touching!」「超 cool!」「Charming!」のコールも映えてました。
MVでもお馴染みの、サビの振り付けもキュートで良かったですね。

ここで会場のお客さんに向けてのMCタイム。
大型ショッピングモールに設置された屋外のステージということもあり、
初めて来られたという方も大勢いらっしゃいました。
全国を股に掛けたリリイベの中でも、
こうして新しくNACHERRYを知る人が増えていくのは良いものですね。

3.エクリプス
続いて披露されたのは1stシングル“エクリプス”
『4人はそれぞれウソをつく』のOPとして、遂にアニメタイアップがついた記念すべき楽曲。
ライブ盤にもなった1stツアーの1曲目を飾った楽曲でもあります。
サビの高音もバッチリ決めつつ、
ザクザクしたギターにも負けないようなパワフルな歌唱と煽りで魅せてくれました。
(ちなみに原曲のソロはマーティ・フリードマンなのでいつか共演を……)
これは完全に余談ですが、自分の近くのファンの方は
イントロのドラムの前の数秒間で“エクリプス”だと気づいていて圧倒されました。

4.Winding Drive!
そして前曲の疾走感をそのままに、
最新シングル収録の“Winding Drive!”へ!
曲名どおりのドライブ感をしっかり押し出した仕上がりで、
普段の曲と比べて少し低めなキーで押していくのもクールで良かったです。
気持ち低めな歌メロになると田中ちえ美さんの声がまた映えてきますね。

5.LOOP
身体も温まってきた辺りではありますが、あっという間にラストナンバーに……
「まだやってない曲がありますよね?」というMCに続いて、
「この曲限定で撮影OKです!!」というお達しが!!
ということで満を持して最新シングル“LOOP”を披露!

アニメ『この世界は不完全すぎる』のEDとして、
作詞:岡田マリア、作曲・編曲:山森大輔
という盤石の体制で届けられた本曲、
異世界モノらしく、曲・衣装ともに民族的な雰囲気も織り交ぜた温かい一曲。
先ほどのパワー全開で攻めたてた2曲とは打って変わって、
優しさを前面に押し出した歌唱で、ライブを温かい雰囲気で締めくくってくれました。

撮影可!ということで動画を構えてみましたが、
前のほうのカメラとの兼ね合いと自分のスキルもあってなかなかうまく撮れず。

自分はなっちゃん側だったのですが近すぎて逆に難しく……
ただ常に弾けるような笑顔とパフォーマンス、近くでバッチリ見れたので満足!

ただ上手側のちぇみーのパフォーマンスはバッチリ撮れました!感謝!
2人一緒に映ったショットは心のファインダーにしっかり残しておきます。

1.フォーチュンテラー
2.My dream girls
3.エクリプス
4.Winding Drive!
5.LOOP

ご覧の通り歴代シングルA面祭りのセトリで楽しかったです!
今年の秋には学祭への出演も控えているそうですし、
映画が絶賛公開中の虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会含め、
まだまだ新しい展開にも期待できそう!

ライブ前に天王寺のCDショップを物色して回った結果がこちら。

・THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER HEART TICKER! 04 (2024)
・THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER HEART TICKER! 07 (2024)
・Ramones Mania 2 / RAMONES (1999)
・Imaginaerum / Nightwish (2011)

・THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER HEART TICKER! 04 (2024)
・THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER HEART TICKER! 07 (2024)

・Ramones Mania 2 / RAMONES (1999)
・Imaginaerum / Nightwish (2011)

デレマスの2枚はそれぞれ“D-ark L-ily’s Grin”“ワタシ御伽ばなシ”がメイン。
ワンステップスの2曲目“書きかけのラブレター”
そして小関麗奈の念願のソロ曲“青春のWanna!”も聴けるので嬉しい!

RANONES“Ramones Mania 2”は高校時代にレンタルして聴きまくった一枚ですし、
ようやく見つけたNightwish“Imaginaerum”は、
ボーカル交代後もライブのハイライトとなっている楽曲が満載の傑作。
デモバージョン4曲が収録されたボーナスCD付き2枚組でゲットできました。

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【ライブレポート】 Kasabian Happenings Japan Tour大阪公演 @Zepp Osaka Bayside(2024/10/10) https://tashinami-musiclog.com/2024/10/19/live-kasabian-happenings-japan-tour-zepp-osaka-bayside-2024-10-10/ https://tashinami-musiclog.com/2024/10/19/live-kasabian-happenings-japan-tour-zepp-osaka-bayside-2024-10-10/#respond Sat, 19 Oct 2024 08:12:34 +0000 https://tashinami-musiclog.com/?p=2401 目次 12年ぶりの単独ジャパンツアーで、現編成のパワーを体感!Kasabian大阪公演セットリスト(2024/10/10) 12年ぶりの単独ジャパンツアーで、現編成のパワーを体感! イギリス・レスター出身、クールなUKロ […]

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イギリス・レスター出身、クールなUKロックの前線を走り続けるKasabian
2022年のSONICMANIAならびにSUMMER SONIC大阪(マウンテンのトリで出演)では、
当時の最新作にして、サージ・ピッツォーノがボーカルをとる新体制のお披露目となった
“The Alchemist’s Euphoria”(2022)仕様のセトリで来日。
トム・ミーガン時代にサージの就いていたギター兼コーラスのポジションは、
THE MUSICのロヴ・ハーヴェイが務めたことでも話題を呼びました。
(あとはソニマニでサージが身に着けていた犬の顔だらけのセットアップ……)

参考までに前回来日時(サマソニ2022大阪)のセトリを貼っておきます。

1.Club Foot
2.Ill Ray (The King)
3.Underdog
4.CHEMICALS
5.eez-eh
6.You’re In Love With A Psycho
7.SCRIPTVRE
8.THE WALL
9.Pinch Roller
10.treat
11.Empire
12.Vlad The Impaler

~アンコール~
13.Bless This Acid House
14.L.S.F. (Lost Souls Forever)
15.Fire


ちなみに自分はこのサマソニ2022でドハマりして以降、
アルバムもなんとか全て集めたというタイプの超後追いのファン。

KASABIAN フライヤー
現編成はこのメンバー+ロヴ・ハーヴェイ。盤石の布陣です

そして今年の夏、現編成2作目となる最新作“Happenings”(2024)を引っ提げ、
なんと12年ぶりとなる単独ジャパンツアーを開催することに!

ということでド平日の仕事終わり猛ダッシュで、
会場のZepp Osaka Baysideに……

間 に 合 い ま せ ん で し た 。

なんか微妙に電車が遅れたりそもそも接続がややこしかったり……
別にこの会場のアクセスに関しては今に始まった話じゃないですが、
乗り換えもある端っこの駅なので慢心せずに午後休でも取っておくべきでしたね。
(1Fスタンディングの整理番号100番台前半だったのにこのザマ)
結局19:00開演のところ、2分遅れで会場へ。

1.Call
オープニングナンバーは最新作の先行シングル。
会場に着いたときにはちょうどこの曲のラスサビでした。
踊れるしちょっとドープな一曲で掴みはバッチリ、
この時点でもうフロアがかなり揺れていました。

2.Club Foot
ということでここから本格的に参戦!
鮮烈なデビューを飾ったアンセムがこの位置にあるのが素晴らしい……
イントロのシンセの時点でもうフロアが爆発してました。
そして目の前にサージ!スタンド席での鑑賞だったサマソニと比べて物凄く近い!
Zepp Osaka Bayside、横に長めなのでバンドが割と近くで見えるのが魅力。
そして立地を活かしてジャンプし放題なのも嬉しいところ。
熱のこもった演奏にこちらも全力で応えていきます。

3.Ill Ray (The King)
4.Underdog
“Club Foot
“~“Underdog”の流れは2022年の来日と変わらず。
既にサージ体制のライブにおける黄金パターンを確立していた印象。
サンバっぽいリズムも取り入れた“Ill Ray (The King)”
特にサビ前の部分にはフットボール・アンセムのような趣があってグッときます。

そしてサージがステージ奥の台に立って“Underdog”を弾き始めると地鳴りのような歓声が!
しかし台の上なのを差し引いてもサージが大きく見える!
これも以前と比べてフロントマンとしてのオーラが備わってきたからか!
と思いつつ後で調べてみたらサージの身長、197cmでした。納得のド迫力。

5.Shoot The Runner
ここからはサマソニで披露されなかった曲が続く嬉しいゾーン。
2ndからのこの曲は跳んだり跳ねたり「オーオー」のコールだったりと、
楽しく盛り上がれる要素が満載のライブアンセム。
サビの高音コーラスもロヴがしっかりカバー。さすがの歌唱力でした。

6.Re-Wired
個人的には想定外だったのですごく嬉しかったのが、
“Velociraptor!”(2011)からのこの曲!
今回の新譜の感触に近いところもあると感じていたのでナイスな選曲。
車で疾走しまくるクールなMVさながら、
じわじわと熱を帯びながら突き進む感覚に痺れます。
勿論”Hit me! Harder!”コールも完璧。
そして1~6曲目までがすべて異なるアルバムからの選曲であることにも驚かされます。
バラエティに富みつつも一貫性があるバンドは強いので。

7.You’re In Love With A Psycho
そしてすかさず“For Crying Out Loud”(2017)の人気曲へ。
カサビアンの自分的最高傑作はやっぱりこのアルバムかも。
一緒に歌えるキャッチ―なサビに、ちょっとぶっ飛んだ独特な歌詞も秀逸。

8.Coming Back To Me Good
前曲のグルーヴ感を引き継いだような、新譜からの先行シングルのひとつ。
イントロに入った瞬間、一気に会場がキラキラした虹色の照明に包まれました。
こちらの曲では、サージはグリーンのアコギを弾きながらの歌唱。
“Don’t give up, it’s not too late…”の印象的なフレーズが繰り返される多幸感は絶品。

9.Italian Horror
今回の大阪公演のハイライト。

というかそもそも新譜からのこの曲がライブでアンセムになっていること、
東京公演の映像で初めて知りました。先行シングルでもないので驚き。
しかし実際「オ!オッオオーオー!」のコーラスは覚えやすくて楽しい!

そしてサージが曲の終わりでもう一丁!とばかりにコーラスを煽って、
今度は「オ!オーオサーカ!オーオサーカ!」と歌い出す一幕も。
ついでに「オオサカっていうテニスプレイヤー(大坂なおみ)もいたよね?」
なんていうMCまであってほっこり。

10.stevie
5th“48:13″(2014)のジャケットを思わせる、
毒々しいショッキングピンクに染まったステージで披露されたこの曲、
東京2daysでは披露されなかったそうなので、大阪のみのラッキー選曲!
セルフプロデュースで現在にも通ずるエレクトロサウンドを自分のものにしたアルバムも、
いつの間にか10年前だというので驚きです。
原曲のストリングスの分の音圧をゴリゴリに歪んだベースが補っていて大迫力でした。

11.STARGAZR
こちらも東京では日替わり枠だったという一曲。
暗いステージの中、ドープなリフと同期音源で流れてくる「こんにちは(日本語)」の音声……
“The Alchemist’s Euphoria”(2022)からの選曲はこの日これだけでしたが、
アルバムの世界観をしっかり味わえました。
(東京では1日目のみ日替わりで“CHEMICALS”が登場)

そして強烈だったのは曲の後半、突然両手からレーザーを放ちはじめるサージ。
そこからおよそ二分弱、曲に合わせてレーザーをブンブン振りまわして踊る姿は、
完全に新しいおもちゃでウルヴァリンごっこをしているみたいで観ていて楽しかったです。
まさかこの曲でこんなエンタメ要素が出てくるとは思わなかったのでビビりました。

12.treat
続いては再び“48:13″(2014)からの長尺でディープな一曲。
原曲の電子音がチリチリいうようなサウンドではなく、
バンド主体のどっしりしたアレンジになっていて、かなりの重量感でしたね。
歌い出しになってようやく“treat”だと気づいたくらい。

13.Vlad The Impaler
そして“treat”後半の煽りから定番のこの曲へ。
サビは勿論2番の”People!”のところもしっかり合唱になっていたのは流石。
前曲に続いてこの曲の中でも細かくグルーヴを変えていて、
時にはヘドバン上等の縦ノリまで飛び出して楽しかったです。
この辺りはイアン(Dr.)とクリス(Ba.)の2人が最初から最後まで神がかってました。

14.Empire
大胆なテンポチェンジとアンセミックなサビで否応なくフロアをぶち上げる名曲。
個人的にはサージが歌う冒頭の”Too much information~”の部分の歯切れよさが好きだったり。
無益な戦争が続く世界情勢へのカウンターとしても、今なお鮮やかでした。
前回のサマソニとは違って、今回は念願のフロアで一緒に盛り上がれて良かったです。

15.Algorithms
新譜の締めくくりとなるこの曲は、唯一2023年の早い段階から公開されていたもの。
サージのあたたかな弾き語りが主体となって、
「ロボットにはこの愛は分かりっこない!」と歌うさまには心動かされました。
「シンギュラリティの到来」が近未来でもなんでもなくなってきて、
この歌詞の現実味がリリース時以上に普遍的なものになっているんだなと。
最後の「オーオー」の合唱も見事。

16.L.S.F. (Lost Souls Forever)
そして本編ラストは1stからの代表曲!
心地よく踊れるグルーヴが別世界に誘ってくれるような感覚を醸し出すトリップソング。
そしてラストの「ラーラーラ~!」のコーラスの最中、
サージが突如ステージを抜け出し、二階下手側のバルコニー部分から登場!

この会場だからこそできたスペシャルな演出には大盛り上がり!
最後は再びステージに戻ってきたサージと、全員での大合唱で本編終了となりました。

拍手だけだったアンコールもいつの間にか“L.S.F.”の「ラーラーラ~!」になったころ、
満足げな顔でバンドが再登場!ここからアンコールです。

17.Reason Is Treason
そして初っ端からこれは嬉しいサプライズ!
かっこいいけどやってくれないだろうな……と思っていたので衝撃でした。
Aメロの“K!I!L!L!”コールもしっかり決められたので大満足。
このクールな疾走感とコーラス、
1stの時点で持ち味として完成されていたのはやはり凄いなと。

18.Bless This Acid House
続けて今度は“For Crying Out Loud”(2017)終盤の一曲。
この曲の元気づけてくれるような多幸感はまさにクライマックスとしてピッタリ。
こうしてセトリに定着してくれていることがなにより嬉しいですね。

19.Fire
本日ラストの曲はもちろん“Fire”
サマソニ大阪2022では、降りしきる雨の中でのバンドの熱演に、
お客さんが渾身のジャンプで応えたこの曲。
今回もジャンプと大合唱でこの日のエネルギーを全部発散!
あとバックでロヴの歌う”I’m on fire—!”がやっぱり物凄くうまくて声も出てましたね。

そして“Fire”終了後、
もう一度“Italian Horror”の「オ!オーオサーカー!オーオサーカー!」を煽りだすサージ。
この日の大阪でしか体験できないような、これ以上ないエンディングでした。

1.Call
2.Club Foot
3.Ill Ray (The King)
4.Underdog
5.Shoot The Runner
6.Re-Wired
7.You’re In Love With A Psycho
8.Coming Back To Me Good
9.Italian Horror
10.stevie
11.STARGAZR
12.treat
13.Vlad The Impaler
14.Empire
15.Algorithms
16.L.S.F. (Lost Souls Forever)

~アンコール~
17.Reason Is Treason
18.Bless This Acid House
19.Fire

サマソニ2022のセトリと比べると、大まかな流れは踏襲しつつ、
最新作“Happenings”(2024)仕様にアップデートされた、
文句なしのベスト盤的セトリだったのではないでしょうか!
ここからさらにどう発展していくのか、これからの展開にも注目したいところ!

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【ライブレポート】Korpiklaani Japan Tour 2024大阪公演 @心斎橋SUNHALL(2024/09/28) https://tashinami-musiclog.com/2024/10/14/live-korpiklaani-japan-tour-2024-osaka-2024-09-28/ https://tashinami-musiclog.com/2024/10/14/live-korpiklaani-japan-tour-2024-osaka-2024-09-28/#respond Sun, 13 Oct 2024 18:03:36 +0000 https://tashinami-musiclog.com/?p=2378 目次 今やフォークメタルの第一人者、我らがコルピクラーニ来日!Allegiance ReignBloody Tyrant(暴君)KorpiklaaniKorpiklaani大阪公演セットリスト(2024/09/28)おま […]

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月曜のYES、火曜のメイデンときて、
個人的9月最終週の来日ラッシュの締めくくり!

Korpiklaani Japan Tour 2024大阪公演 フライヤー

Korpiklaani Japan Tour 2024
フィンランド発・今や「フォークメタルの第一人者」という肩書きまでついた、
みんな大好きコルピことKorpiklaaniのジャパンツアーが実現!

前回の来日からは若干間が空いているぶん、今回の来日公演は
最新作“Rankarumpu(コルピと温故知新の旅)”(2024)のみならず、
その前作“Jylhä(コルピの暗黒事件簿)”(2021)からの曲もメインという、
まさに日本のファンのことを考えてくれているセトリ。
前回の来日時は貧乏学生だったので、今回が念願の初コルピでした。
ヴァイオリニストには元TURISASのオッリ・ヴァンスカ、
ドラムにはサムリ・ミッコネンが加入したのが最新の布陣となります。

主催はコロナ禍から奇跡の復活、魅力的なバンドを招聘し続けるEvoken。
大阪公演では日本のAllegiance Reign
台湾のBloody Tyrant(暴君)も含めた3バンドが出演、
フォークメタルの魅力をたっぷり味わえる楽しいライブでした。

(ちなみに月曜のYES)

(こちらは火曜のメイデン)

まず先陣を切ったのは日本代表・「武士メタル」を掲げるAllegiance Reign
登場の演出と初っ端の“Ei Ei O ~勝鬨~”の時点でもう観客の心をガッツリ掴んでましたね。
歌唱力・演奏力・盛り上げの全てにおいてハイクオリティのバンドでした。
「エイエイオー!」「わっしょい!」といった、
我々日本人には馴染み深くて、且つすぐに一緒に歌えるコールがあるのは強い!
そしてその中でも印象に残ったのは、
コルピとのライブを見据えて作ってきたという新曲、
その名も“Sake Battle 〜酒戦〜”!(表記はバンドのツイート準拠)
「オーオオーオ酒バトルーー!」のコーレスはインパクト抜群でしたし、
コルピへのリスペクトも大いに感じられる曲でした。
頭から離れないので音源化待ってます……!
そして〆の写真撮影も「エイエイオー!」の勝鬨で!
このフォークメタル祭りに相応しい、素晴らしい一発目でした。

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続いては台湾の暴君
英語表記の“Bloody Tyrant”も良いですが、
やはりこの漢字二文字の潔いバンド名、シンプルにかっこいいですよね。
サムネにもなっているPipa(中国の琵琶)奏者の存在は勿論のこと、
グロウルとクリーンボイスを使い分ける女性ボーカルや、
要所要所に挟まれるツインギター・そしてベースによる熱いバトル、
そしてブラックメタルからフォークメタルに接近していった出自を物語る、
ドラマーの激烈ブラストビート……と、とにかく熱い要素マシマシのステージ。
完全に初見の状態で挑んだのですがとにかく圧倒されましたね。
これからはしっかり音源聴いて追っていかねば!と思わされました。
中でも3曲目、強烈にブルータルなかっこよさで印象的でしたね。
ひとくちにフォークメタルといっても、その中での裾野の広さも感じられました。

MCは英語だったのですが、
“Repeat after me! M-E-R-C-H! MERCH!”
という、超積極的な物販の宣伝が面白かったです。
ちなみに、彼らの売っているグッズの中には
「スマホをかざすとSpotifyで曲が流れる」という小物が存在。
その衝撃のハイテクぶりを楽屋で目の当たりにしたAllegiance Reign曰く、
「タイムスリップしてきた武士の気分」だったとのこと。
こういうグッズも色んなバンドで増えてくると面白そうですね。

余談の余談ですが、ラストの写真撮影の掛け声、
武士メタルに引っ張られてか、自然発生的に
「エイエイオー!」になっていったのには笑いました。

日本・台湾を代表する武士メタルの競演に続き、
ついに満を持して我らがKorpiklaaniの登場!
コルピの登場前にはJonne(Vo.)のソロアルバムの曲が流れていて、
フィンランドの森の中に誘われるような雰囲気が出ていました。

バーでドリンクチケットを引き換えたのち、
まず序盤は後方から観るつもりだったのですが、
バンドが登場して新譜のオープニングナンバー“Kotomaa”が始まった瞬間、
フロアに巨大なブラックホールとしか言いようのない人の流れが発生!
久し振りに体験する大きなモッシュにしっかり巻き込まれ、
気づけば前から4列目の中央付近まで到着。面白すぎる。
とはいえ変な圧縮が起こったというわけでもなく、
みんなでわちゃわちゃ盛り上げれるいい塩梅でございました。

ヨンネの「アリガトー!」に続き、2曲目でいきなり“Wooden Pints”
イントロの時点で悲鳴に近い大歓声があがっていました。
『酒場で格闘ドンジャラホイ』なる珍妙な邦題と、
当時のフィドル奏者ヒッタヴァイネンが森の小屋から出てくるMVでも人気の名曲。
自分は中学時代にこの曲と出会い、最初はネタとして消費しかけていたわけですが、
このジャンルは自分が求めていたものなのでは?
という天啓じみた気付きを得てからコルピの大ファンに。そんな罪深い一曲でもあります。
みんなでこの盛り上がりを共有できたのは無上の喜び。

「ヘイ!ヘイ!ヘイ!」のコールでお馴染み“A Man With A Plan”は、
“Noita(コルピと魔術師達の宝玉)”(2015)の1曲目“Viinamäen Mies”の英語版。
どうして頑なにライブでは英語版を?と思っていたのですが、
実際YouTubeやらSpotifyやらのデータを見ると、この曲の再生数はかなりのもの。
英語圏ではすっかりこっちのバージョンが代表曲の一つとして定着しているようです。

続けて『痛快!飲んだくれオヤジ』こと“Happy Little Boozer”
そして初期の秀作“Journey Man”、さらには“Ievan Polkka”と、
とにかく序盤からアップテンポな曲ばかり取り揃えた強烈なセットリスト!
Boney M.のカバー曲でなぜかビーチで演奏するMVが話題の“Gotta Go Home”
そして新譜からのノリノリでキャッチ―な“Aita”まで、
ほぼノンストップで駆け抜けていきました。

その間も中央前方では熱いモッシュが繰り広げられていたわけですが、
海外のメタルファンとも一緒に合唱しながらワイワイ踊れたのは個人的には最高。
コルピの楽曲のもたらしてくれる多幸感を実感できたひとときでした。
個人的にコルピで一番好きな曲は2nd収録の疾走曲“Journey Man”なのですが、
この曲で「ウオーーー!」と盛り上がっている方が自分以外に結構いたのも嬉しかったです。

中盤はようやく落ち着いた曲が続くゾーンになったので、
ここで一旦前線を離れてドリンクを追加注文。
ゆったりとしたグルーヴに身を任せていると、
ステージ上に何やら見慣れたジェダイの戦士のようないでたちのお方が!

「トゥオマス・ロウナカリ!!」
ヨンネによる紹介に驚きながらも沸き立つ会場!
なんとあの前任フィドル奏者、トゥオマス・ロウナカリ大阪限定で登場したんです!
東京でも行われなかった演出、まさかの邂逅に感無量です……。
(例によって)感無量すぎて後方からのブレブレ写真しか残りませんでした。
バンドと一緒に、そしてヨンネの伝統唱法に合わせての演奏と、
出演時間はおよそ10分ほどでしたが、貴重なライブ体験になりました。

トゥオマスを万感の思いで見送ったのち、
ライブは前作“Jylhä”(2021)中心のフェーズへ。
あまりしっかり腰を据えて聴くことができていなかった一枚なのですが、
ライブで曲を聴くとその深さとバリエーションの豊かさには唸るばかりでしたね。
レゲエのリズムを大胆に導入した“Leväluhta”や、
本編ラストの“Sanaton Maa”のメロディの美しさにはグッときました。
ということで本編後半もしっかりがっつり楽しめた次第。

メンバーがぞろぞろとステージを下りていき、いよいよアンコールへ。
最初は「コルピクラーニ!コルピクラーニ!」だったアンコールも、
加速するにつれ「ウォッカ!ビアビア!」コールに変わっていって楽しかったです。

アンコールは大盤振る舞いで計5曲!
1曲目は“Viima”、2曲目は”Metsämies”と、伝統を意識した正統派な選曲。
“Viima”の入っている“Tervaskanto(コルピと古の黒き賢者)”(2007)は、
ライブ2週間前に買ったばかりだったので個人的に嬉しいセレクトでした。
そしてサムリによる熱いドラムソロも披露されました。
恐ろしく巧いしなおかつ盛り上げ上手で、バンドとの相性も抜群でしたね。

アンコール3曲目には、遂に新曲“Saunaan”が登場し大盛り上がり!
新曲なのに昔からある曲のようで圧巻でした。新しい定番になりそう。
そしてラスト2曲は満を持しての“Beer Beer”“Vodka”の黄金コンボ!
ヨンネも“Beer Beer”では観客へのビール吹きかけ芸に飽き足らず、
自分の帽子にビールをドバドバかけてしまうやりたい放題ぶりで笑いました。
ラストの“Vodka”はもうみんな夢中で叫んで歌って踊っての大団円。
これぞフォークメタル!という神髄に触れた気分でした。

1.Kotomaa
2.Wooden Pints
3.A Man With A Plan
4.Happy Little Boozer
5.Journey Man
6.Ievan Polkka
7.Gotta Go Home
8.Aita
9.Kalmisto

(この辺りでTuomas登場)
10.Tuli Kokko
11.Pixies Dance / Juokse Sinä Humma

12.Pidot
13.Leväluhta
14.Oraakkelit
15.Rankarumpu
16.Pilli On Pajusta Tehty
17.Sanaton Maa

~アンコール~
18.Viima
19.Metsämies
20.Saunaan
21.Beer Beer
22.Vodka

“Noita”(2015)”からの、大好きな“Pilli On Pajusta Tehty”も聴けて大満足。
ライブの後のほうが元気になってくるような、素敵な夜でした。またすぐにでも次回を……!
そしてアコーディオン奏者のサミさん、ご結婚おめでとうございます!末永くお幸せに!

前々作にあたる10th“Kulkija(北欧コルピひとり旅)”(2018)は、
旅愁を誘うような落ち着いた曲の多い、
いわばコルピにしては少し変化球的なアルバムだったわけですが、
11th“Jylhä”(2021)はそれよりもう少しメタル成分を高めつつ、
バラエティ豊かな曲調で独自の味わいを持たせている作品といった印象。
ヴァースでレゲエのリズムを採り入れた“Leväluhta”はその最たるところでしょう。

しかしこれがコルピのライブにおいてはいい味を出してくれるんですね。
生で聴いてみて、改めてこのアルバムのことが好きになってきた次第。

そして新譜“Rankarumpu”(2024)については、
邦題に「温故知新の旅」とあるように、メタル要素が完全復活!
冒頭の“Kotomaa”や先行公開された“Saunaan”のほか、
激しいタイトル曲や後半の哀メロを前面に押し出した曲も魅力たっぷりな一枚でした。

不変のように見えても、実は細かく音楽性をアップデートさせていくことで、
新しい魅力を生み出しているコルピ。これからもついていきます。

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