
ポップパンク界の王者にして自分の青春時代を形成してくれたGREEN DAY、遂に来日!
来日は公演はサマソニ2012以来13年ぶり、
単独ツアーとしては2010年以来となる15年ぶり!という久々のものでした。
サマソニの映像はWOWOWの映像を録画して何度も観た記憶があります。
当時は“¡Uno!”, “¡Dos!”, “¡Tré!”と題された例の3部作の時期で、
新曲として披露された“99 Revolutions”は一聴で大好きな曲になりました。
そして遂に最新作“Saviors”(2024)を携えた彼らをこの目で観られるときが来ました!
そもそも“Father Of All…”をリリースした2020年の3月には
8年ぶりの来日が決まっていたわけですが、あえなくコロナで中止に。
2025年になってようやくリベンジできた!というわけですね。
バンドにとっても日本のファンにとっても、
「忘れ物を取りに来た」という感慨に溢れたツアーといえます。
ということで自分は2/21(金)の大阪公演に参戦!
翌日にはMR. BIGラストツアー大阪公演ということで、
まさかの連日で城ホール、という日程になりました。
(SNSのTLでも同志の方がちらほら……)

会場外にはクリエイティブマンの来日告知ポスターがズラリ。
大阪に限っても来日ラッシュなのは今年も変わらず。
嬉しい悲鳴が各所から聞こえてきそうです。
席については運よくスタンディングが取れたのですが、
入場時には持ち物検査+金属探知機という厳重な体制が敷かれていたほか、
スタンディングとはいえブロックは細かく区分けされモッシュ等は禁止。
個人的には(片足捻挫中ということもあり)
巨大なピットに放り込まれたらどうしよう……という心配はなく一安心。
多少の押しあいへし合いは覚悟の上でしたが平和に拳振り上げて鑑賞できました。
会場が大きい分多少ピットは小さめにしておかないと手が回らない、というのはありそう。
18:30~ 炙りなタウン
入場したころにはゲストの炙りなタウンのライブがスタート。
岡山出身の女性3ピースバンドで、この大阪公演のみの出演。
まっさらな状態で観はじめたライブでしたが、
激しいシャウトも交えつつストレートにエネルギーを放散する様子にはグッときました。
歌詞やMCもどこまでも直球でしたし、しかもそれらが
「かっこいいことを言おうとしているわけではなく、発した言葉がかっこよくなっている」
というように映りましたし、ステージを走り回るギターとベースの2人は、
後半ではステージ中央の花道まで使って会場を掌握。
終わるころには「ええやんけお前ら~!!」という声が聞こえたのが印象的でした。
Spotify等の大手サブスクには配信していない豪気なバンドなので、
ぜひここはフィジカルでどうぞ。
19:30~ GREEN DAY

そしていよいよGREEN DAY!
開演前の液晶テスト画面の時点から歓声が上がっていました。
ステージ上部にもスクリーンが配置されていて、
演奏の様子がどの席からでもしっかり観られる構成になっていたのは流石。
開演BGMは近年すっかりお馴染みとなり、ハイドパーク公演では大合唱を起こした、
QUEENの“Bohemian Rhapsody”のフル尺音源
(日本でも”Mama~!”のパートは合唱になっていてちょっと安心)からの
RAMONESの“Blitzkrieg Bop”への流れ。
酔っ払いのウサギの着ぐるみが登場して会場を盛り上げてくれました。
衣装がまんまビリー・ジョー仕様で笑いましたが、果たして……。
ということで1曲目は新譜から“The American Dream Is Killing Me”!
キャッチ―なサビなので早速の大合唱になっていたのは流石。
後方の壁状になったマーシャルアンプの縁には照明がついていて、
曲に合わせてカラフルに彩られる演出。
最新作“Saviors”(2024)の曲ではジャケットに合わせて全体がピンク色に。
さらに上部にはパイロまで仕込まれていて、炎の演出でも楽しませてくれました。
今回のバンドメンバーは、
ビリー・ジョー・アームストロング(Gt, Vo.)
マイク・ダーント(Ba.)
トレ・クール(Dr.)
の変わらぬ3人に、
すっかりお馴染みとなった
ジェイソン・ホワイト(Gt.)、
さらにキーボード、ギターを加えた6人編成で、
「GREEN DAYの音」をステージ上で余すところなく表現していました。
3ピースのようで実際には6人編成を要するあたりが、
彼らの音楽性の多様さを如実に表していたように思います。
そしてこのツアーの特徴としては、
最新作の宣伝のみならず、
“Dookie”(1994)の30周年、
そして“American Idiot”(2004)の20周年という、
彼らの傑作アルバムのメモリアルとしての性質も持っていること!
というわけで前半は“Dookie”、
後半は“American Idiot”中心という
贅沢すぎる構成が実現。
新譜の曲でのご挨拶もそこそこに
“Welcome To Paradise”~“Longview”はあまりに強烈すぎました。
どちらもマイクの特徴的なベースラインがしっかり味わえて感動しましたね。
そして“Longview”でひとしきり飛び跳ねたあと、
ビリー・ジョーが敢えて何も語らず、
しかし少年の面影すら残したキラキラした目で
ステージ上から客席を睥睨するとき……
特大アンセム“Basket Case”が始まる!!!!!!
自分も例によって高校時代バンドでコピーしたこともある一曲、
周りの兄ちゃん姉ちゃんと一緒に大合唱でした。
あの”BJ”のイニシャルをあしらったストラト”BLUE”をかき鳴らす姿、
「青春」が詰まっていてあまりにも感動的でした。
その後も、ウーマンリブのデモ行進の写真を背景に歌う“She”、
そしてこれも必殺の
“When I Come Around”と、
“Dookie”からの曲の波状攻撃で畳みかけるさまはインパクト抜群でした。
続いてはトレのストレートなドラムに導かれ、
アジテーションのようなコーラスが印象的な
“Know Your Enemy”へ!
個人的にはこの日のライブでトレ・クールのドラムがもっと好きになりましたね。
あの一音一音のパワーと推進力と安定感は生で観てこそ。
ここでは落ちサビの部分をファンに歌わせる流れがありましたが、
「歌詞分かる奴!」と聞いても該当者が見つかるまでには若干ラグが……
と思いきや選ばれたのは何と”I KNOW THE ENEMY”のフラッグを掲げた男性!
バンドと一緒にそのままノリノリで歌い上げたり、
ステージ上で台からのジャンプを決めたりとすっかりヒーローになってました。
こういうまっすぐなファンっていいなあ……とこちらも楽しくなりましたね。
その後にいきなり始まったのは、
この日のセトリで一番古い
“Who Wrote Holden Caulfield?”。
2ndアルバムという位置づけの
“Kerplunk!”(1992)に収録された、
『ライ麦畑でつかまえて』の主人公に仮託して無気力な生活を歌う隠れた佳曲!!
というのも自分が燻っていた時期に一番聴いていただけに思い入れもひとしお、
まさかこの日に聴けるとは!という感慨で胸いっぱいになりました。
自分語りですがこの日のハイライトです。
セトリへの正式な記載もなく完全な日替わり枠、
さらに現状では奇しくも大阪限定の様子。僥倖!

さらにこのとき会場にはあの“Dookie”のジャケットに出てきた飛行船が登場!
この飛行船、後ろのほうでは爆弾(風船)を投下していたり、
下では(ジャケットの)犬の着ぐるみが登場したりと会場を沸かせていたそうです。
自分は前方だったので一瞬写真を撮ったら即バンドに食いついて観ておりました。
続く“Revolution Radio”
~“Dilemma”~“21 Guns”は、
打って変わって新しめの曲が並ぶゾーン。
この辺りが中盤ですね。
新曲“Dilemma”はビリー・ジョー自らの依存症体験を赤裸々に吐露した一曲。
ライブで聴くとトレのビートに乗った甘さの中に哀愁のあるメロディラインが絶品。
“Saviors”のジャケットでもオマージュされている、
ラモーンズのフィーリングを大いに感じてますます好きになりました。
そして弱者に寄り添い鼓舞する
名曲“Minority”!
アコギのサウンドがグッと前面に出てくる一曲ですが、
今までどちらかというとテンポも抑えめだったのがここで大爆発!
この日一番ともいえる活気に溢れた演奏でした。
みんなで歌えて連帯できるサビ、昨今のマジョリティの専横を思うと沁みてきます。
そしてこの日一番のサプライズ、
ビリー・ジョーが突然「リンダリンダ~!」と歌い出す!
続けてサビの合唱で応えるオーディエンス。日本思いで嬉しい……
個人的にはサマソニでの
THE LINDA LINDASのパフォーマンスを思い出すなど。
「デデッ!」という強烈なリフで
“Brain Stew”~“Jaded”がスタート。
この曲に入った瞬間、横にいたお兄さんの反応が
今までの「ウェーイ!」という感じから
祈るような真剣な眼差しでステージを見つめるようになり、
「この人はきっと“Insomniac”に救われたんだな……」と勝手に親近感。
フラストレーションを放散した
“Jaded”の狂乱が終わると、
ステージ中央に巨大なハートの手榴弾のバルーンが膨らんでいき……
遂に“American Idiot”がスタート!!
20年たっても色あせるどころか時代性をますます帯びるようになってきているのは皮肉ですが。
2番の”I’m not a part of a redneck agenda”のところ、
最新作の宣伝として地下鉄の駅で行ったライブでは”MAGA agenda”としていたところ、
今回は”Elon agenda”と歌詞を変えての披露。
要は「俺はイーロンの計画には乗らねえよ!」という熱い意志表明!痺れました。
ここからは完全再現か?と思いきや2曲目を飛ばしていきなり“Holiday”、
そしてもちろん
“Boulevard Of Broken Dreams”へ!
ここでの合唱、初日の大阪では正直不発気味でしたが他会場はどうだったんでしょうか……
(サビではなくAメロを歌わせるのでハードルが少し高め)
ここからはほぼアルバムの流れに乗って進んでいきます。
“Are We The Waiting”のサビは分かりやすいのでしっかり大合唱に。
ここではギターを持たずマイク一本で花道に立つビリー。
全身で大観衆に問いかけるような姿が印象的でした。
続く疾走曲“St. Jimmy”でもそのまま全力のアジテーションスタイル!
カッコよさの中に危うさも感じさせるキャラクターを完璧に演じていました。
真っ赤な紙テープが舞う演出も決まってましたね。
ここで本編の〆かと思うような盛り上がりでしたが、
しっとりとした“Give Me Novacaine”へ。
(大阪の地名もしっかり出してくるサービスも有難い!)
そしてここで一気に飛んで“Letterbomb”!
これもバンド屈指の名曲なわけですが、曲中でビリー・ジョーが観客に
「今だけはスマホも、Facebookもインスタも何もかも無しだ!」
「一番大切なのは一つになることだ!」と熱く語り掛けていたのが印象的でした。
そこからの”Let’s go crazy!!!!!”の煽り、この最高の瞬間のひとつになりました。
哀しく、そして美しい名曲
“Wake Me Up When September Ends”での合唱の後は、
5部構成からなる「パンク・オペラ」
“Jesus Of Suburbia”!
目まぐるしく移り変わるバックの映像も効果的でしたし、
この組曲の完成度を改めて実感するひとときでした。
(“Dearly Beloved”パートの裏声のコーラス、
周囲の人と一緒に歌ったのが楽しかったし凄く綺麗でした。いい思い出です)
大盛り上がりでの
“American Idiot”パートも終わり、
クライマックスで披露されたのは
新曲“Bobby Sox”!
ここで新曲を持ってこれる現役バンドとしての矜持、そして
“Do you wanna be my girlfriend?”,
“Do you wanna be my boyfriend?”
という分かりやすく盛り上がれるキャッチ―なメッセージ、
さらにこのシャウト交じりの力強い歌唱を最終盤にやってのけるビリー・ジョー!
全てが完璧に融合した秀逸なパフォーマンスでした。
そして一番の驚きは最後の
“Good Riddance (Time Of Your Life)”まで、25曲ぶっ通しでのライブだったこと。
これがパンクロックの力か……と心で理解できるような、素晴らしい体験でした。
GREEN DAY大阪公演セットリスト
1.The American Dream Is Killing Me
2.Welcome To Paradise
3.Longview
4.Basket Case
5.She
6.When I Come Around
7.Know Your Enemy
8.Who Wrote Holden Caulfield?
9.Revolution Radio
10.Dilemma
11.21 Guns
12.Minority
13.Brain Stew
14.Jaded
15.American Idiot
16.Holiday
17.Boulevard Of Broken Dreams
18.Are We The Waiting
19.St. Jimmy
20.Give Me Novacaine
21.Letterbomb
22.Wake Me Up When September Ends
23.Jesus Of Suburbia
24.Bobby Sox
25.Good Riddance (Time Of Your Life)
おまけ(会場限定特典)
そして今回のツアー、会場限定で配布される特典が存在!
退場していたら最後の最後に出入口でこちらのカードが配られて感激しました。

IDは00059番!けっこう早めに入手できたみたい?
日付と会場名も記載されているのが嬉しいところ。この日限定の思い出の品です。
ちなみにQRコードからは“Saviors”の配信URLにジャンプできます。芸が細かい!
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