Måneskinのトーマス・ラッジ(Gt.)の1stソロアルバム登場!

イタリアが世界に誇るロックンロールアクトMåneskinのギタリスト、
Thomas Raggiの1stソロアルバム“MASQUERADE”が遂に発売!
プロデューサーを務めるのはRage Against The Machineのトム・モレロ。
“Rush!”(2023)のリードトラック“Gossip”での共演でもお馴染みですが、
今年オジーのラストライブの音楽総監督を務めた手腕をここでも遺憾なく発揮。
数曲でソロをとりつつ、豪華ゲストが居並ぶアルバムをしっかりとまとめ上げています。
なおマネスキン自体は現在は活動休止中。
ボーカルのダミアーノは今年1stソロアルバム“Funny Little Fears”をリリース、
それを引っ提げて11月に東京・大阪での来日公演を成功させました。
(秋には完全盤“Funny Little Dreams”も発売!)
ベーシストのヴィクトリアはDJとして活動中。
(ドラムのイーサンからは目立ったリリース等はない状況ですが、
そのマイペースなところも彼らしいといえばらしいというか……)
収録曲

- Getcha! [Feat. Nic Cester, Chad Smith & Tom Morello] 3:04
- Keep The Pack [Feat. Matt Sorum & Tom Morello] 3:44
- Lucy [Feat. Upsahl, Hama Okamoto & Chad Smith] 3:57
- Cat Got Your Tongue [Feat. Sergio Pizzorno] 2:55
- For Nothing [Feat. Matt Sorum] 4:24
- You Spin Me Round (Like A Record) [Feat. Alex Kapranos] 3:28
- The Ritz [Feat. Luke Spiller] 2:50
- Fallaway [Feat. Maxim] 2:59
日本盤ボーナストラック - For Nothing [Alternative Ver.] 4:12
さて、Måneskinのロックな側面を支えるトーマスが
満を持してドロップしてきた1stソロアルバム“MASQUERADE”、
見ての通り超豪華ゲストがズラリ。
順番に挙げていくだけでもロックシーンの総決算と言わんばかりの面子です。
1. Getcha! [Feat. Nic Cester, Chad Smith & Tom Morello] 3:04
まず1曲目のゲストはJETのNic Cester(Vo.)にレッチリのChad Smith(Dr.)、
そしてギターソロにTom Morelloという布陣。
いきなり開始早々ツェッペリン風のリフが切り込んでくる構成、
Måneskinの“Teatro d’Ira, Vol. 1″(2021)の雰囲気が自然と思い出されます。
トーマスが泥臭いギターを存分に弾きまくっていたのはこのアルバムですし。
そしてこの曲、ソングライティングにはBECKの手も入っているというので驚き。
のっけからアグレッシブかつ踊れる曲で攻めてきたのが流石。
2.Keep The Pack [Feat. Matt Sorum & Tom Morello] 3:44
今作でも個人的にトップクラスで衝撃だったのが、
トーマス本人がボーカルをとる楽曲が複数あること!
というのも、自分の記憶にあるのは(Måneskinのツアーの合間に日本のカラオケだったりホテルの部屋だったりで)どちらかと言えばヘロヘロ気味のお声で歌うトーマスの姿だったので……
しかしなんでも今作の制作にあたってみっちりトレーニングを積んできたようで、
完全に未知数(というか不安)だったところをいい意味で裏切られました。
その声質をたおやかでセクシーな味として聴かせるタイプの歌唱になっていて、
サビの歌い上げ方も実に堂々としたものでかっこいい!参りました!
気づけばこんなに素晴らしいシンガーになっていたなんて……
『三国志演義』に出てくる呂蒙の故事
「男子、三日会わざれば刮目して見よ」が脳裏をよぎりました。
3.Lucy [Feat. Upsahl, Hama Okamoto & Chad Smith] 3:57
こちらは女性シンガーソングライターUpsahlをボーカルに、
日本代表OKAMOTO’Sのハマ・オカモト(Ba.)、
そしてレッチリのChad Smithという布陣。
ここで聴けるファズを効かせたねっとりしたグルーヴィーなリフ、今作で一番好み。
Upsahlは初めて聴きましたがリフと溶け合うような歌唱で良かったですし、
ハマ・オカモトのベースも貫禄たっぷりでした。
4.Cat Got Your Tongue [Feat. Sergio Pizzorno] 2:55
ボーカル交代から早くも3作目となる新譜も控えたKASABIANのサージとのコラボ。
この前のめりな四つ打ちビートとサージの声の相性が抜群で、
短いながらマネスキンとカサビアンをどっちも聴いた充実感があって秀逸。
曲調が完全にサージ期のそれになっていたことにも驚きでした。
5.For Nothing [Feat. Matt Sorum] 4:24
この曲はトーマスの歌唱とギター、そして元ガンズ(と言いつつ昨年のTMGでの来日も記憶に新しい)マット・ソーラムのドラムが映えるバラード。
ここではトーマスのエモーショナルでしっとりとした歌唱も聴けて絶品。
6.You Spin Me Round (Like A Record) [Feat. Alex Kapranos] 3:28
これは曲目が公開された瞬間から絶対良いカバーになるに決まってる!と大騒ぎしましたね。
ボーカルをとるのはFranz Ferdinand(来日中!)のAlex Kapranos。
Dead Or Aliveによるダンスミュージックの超名曲のカバーということで期待していましたが、
歌が入ると想像していた以上にフランツそのもの!
出だしのギターリフで個性を出しつつ、期待していたものがバッチリお出しされて大満足。
7.The Ritz [Feat. Luke Spiller] 2:50
The Strutsのボーカリスト、ルーク・スピラーとのコラボ!
なんとまあ自分好みであることか!というのはさておいて、
マネスキンはストラッツの曲をカバーしたり対バンしたりという経験もあり、
先輩/後輩として浅からぬ仲のバンドなんですよね。
ストラッツ側も逆にマネスキンのヒット以降はグラム成分を抑えめにした大人っぽい路線に移行したりと、何かと刺激を与えあう存在といえます。
そんな中でトーマスとのコラボ曲はイケイケのパンキッシュ路線だったので嬉しい驚き!
激しさの中にも艶のあるルークの歌唱は吐き捨て系の曲でも輝いています。
ルークが今年出したソロアルバムはストリングスをフィーチャーした洒落た作品だったので、
ここでまた違った一面を垣間見られて嬉しかったです。
8.Fallaway [Feat. Maxim] 2:59
本編ラストはThe ProdigyのMaximとのコラボ!
Måneskinがライブの1曲目に演奏していた”Don’t Wanna Sleep”のイントロ部分でさらに遊んでみた、といった感じでものすごく好みでした。
プロディジーのエネルギーの塊をぶつけてくるスタイルにしっかり噛み合っています。
9.For Nothing [Alternative Ver.] 4:12
日本盤ボーナストラックは5曲目のバラードの別バージョン。
こちらはドラムレスでシンプルにトーマスのギターと歌唱が楽しめます。
本編8曲28分台、ボートラ込みでも32分!この潔さ。
そしてジャケットで想像したような音が初っ端から鳴る感覚。
あまりにも全部が好みすぎるので今年のアルバムランキング、
ここにきてトーマス・ラッジがダークホース説。
余談ですが、自分が好きなオジーとMåneskinとThe StrutsとBABYMETAL、
そして最近ではFF14に至るまでを近年トム・モレロがすごい勢いで横断してくるんですよね。
気づけばロック界の内外においてハブとなるような、そんな偉大な存在になりつつある気がします。

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