【ライブレポート】IRON MAIDEN The Future Past World Tour大阪公演 @大阪城ホール(2024/09/24)

【ライブレポート】IRON MAIDEN The Future Past World Tour大阪公演 @大阪城ホール(2024/09/24) ライブレポート
【ライブレポート】IRON MAIDEN The Future Past World Tour大阪公演 @大阪城ホール(2024/09/24)
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IRON MAIDEN日本公演ポスター

IRON MAIDENのジャパンツアーが無事終了!
大熱狂の中で全日程駆け抜けてくれたメイデンの皆さん本当にありがとうございました!!!
そして自身の率いるBritish Lionのライブと並行で回り続けた、
スティーヴ・ハリス(Ba.)の驚異的な体力も見せつけられた強烈なツアーでしたね……。
(と言いつつ自分はYESと丸被りで観られずだったので本当に申し訳ないんですけども)
それはさておき、日本で繰り広げられた大熱狂のライブの目撃者になれたのはやはり嬉しいもの!

本来は“LEGACY OF THE BEAST TOUR in JAPAN”と銘打って、
2020年5月には来日予定だったメイデンですが、
新型コロナウイルスの広がりにより無念の公演中止。

当時大学生の自分、ようやく初めてメイデンを観られる!と、
チケットを取って意気込んでいた身だったのでこのコロナ禍は本当にショックでした。

今回の“The Future Past World Tour”日本公演は、いわばそのリベンジ。
というわけで、やはりこちらの気合いの入りようも一段と違ってきます。
しかも名盤“Somewhere In Time”(1986)と最新作“Senjutsu”(2021)という
日本モチーフのアルバム2作を大々的にフィーチャーしたツアーというわけで、
我々日本のファンにとっては熱い要素だらけのツアーでした。

今回のツアー日程発表とチケットの発売開始は1年以上前だったので、
無事に開催されるだろうか……と思っていましたが杞憂でしたね。
自分はメイデンのチケットを持っているんだ!と思いながら過ごした一年間の総決算!
大阪城ホールの外も大きいお祭りの前の高揚感に包まれていました。

会場の外ではメタルDJイベントで知り合った方やフォロワーさんにもお会いできましたし、
マレーシアのメイデンファンのご夫婦と写真を撮らせてもらったり、
(オリジナルのフラッグまで用意されている猛者でした)

他にも別の海外のファンの方からは、
今回の日本公演限定の「鉄板焼きエディ」Tシャツについて、
オーストラリア公演限定Tシャツに描かれていたカニが捌かれているところなんだ!
と熱弁していただいたりと、楽しい時間でした。
(ものすごく流暢な日本語で「オーストラリアでイキってたカニが鉄板焼きにされてるんですよー!」と解説していただけました)

IRON MAIDENTシャツ
ツアーTシャツ、
"Stranger In A Strange Land"Tシャツ

と言いつつ信心の足りない自分は鉄板焼きではなくスタンダードなツアーTシャツ。
アレキサンダーのTシャツもかなりかっこよくて悩みました。
そして妻は”Stranger In A Strange Land“モチーフのTシャツを購入。
黒Tシャツ以外のバリエーションがあると嬉しいですよね。
チケット買ったときには同棲すらしてなかったんだよな……としみじみ。
Tシャツ1枚8000円の時代が来たことに一番ビビりましたけども。

会場前がだいぶ渋滞気味だったので、ライブ自体はやや遅れてのスタート。
場内BGMはJudas PriestやDef Leppard、
Black SabbathにGhost、あとShinedown。
開演前から怒涛のHR/HM祭りで盛り上げてくれました。
そして恒例、UFO“Doctor, Doctor”が流れると早速の合唱に。
当方アリーナ席でしたが、この時点で前方スタンディングのうねりが伝わってきました。

照明が落ちると『ブレードランナー』のエンドタイトル(ヴァンゲリス作曲)が流れ、
期待感を高めてきたところであのイントロが!

Caught Somewhere In Time

Caught Somewhere In Time
まずは“Somewhere In Time”(1986)のオープニングナンバーでスタート!
疾走するメインリフが飛び込んでくると同時に、
「あのメイデンが目の前に!」という感動も襲ってきました。
ブルース・ディッキンソン(Vo.)はマイクスタンドを派手にぶん回しながらハイトーンを炸裂させ、
間奏でもずっと走り回っていました。
しかもこのパワー、ライブの最後の最後までこのままだったのが恐ろしい……
マイクスタンドでのひとつひとつのアクションもかっこよかったですし、
Aメロの「ハッハッハー!」という笑い声もあまりにも音源そのままで感動。
大好きな曲が自分にとって初の「生で聴いたメイデン」になった嬉しさもあり、
6分超の曲ではありますがあっという間に過ぎていきました。

Stranger In A Strange Land

すかさずスティーヴの特徴的なベースラインが響き渡り、
同じく“Somewhere In Time”(1986)からの中々貴重な一曲が登場。
この曲のキモは何と言ってもエイドリアン・スミスのギター!
しっかりとした尺の中で繰り広げられる、押し引きを心得た抒情的なソロ。
完璧でした。これが生で聴けたという幸福感たるや。
アートワークに登場した帽子にジャケット姿のエディもチラッと出演。

The Writing On the Wall

ここでMC。「君たちは大きな地震や津波を乗り越えて今ここにいる」
という日本のファンに向けたメッセージから、
自然な流れで聖書モチーフのこの曲に移るのは秀逸でしたね。
こちらは“Senjutsu”(2021)からの1stシングル。
土の香りがするギターが印象的な、貫禄ある一曲。
バックにはMVの映像もしっかり流れていました。

Days Of Future Past

こちらも最新作からの、ツアータイトルの元ネタにもなったキャッチーな一曲。
この曲に差し掛かった瞬間に、近くの若いカップルが飛び跳ねて盛り上がっていたのが凄く良かったです。新作の曲でも古い曲と同じように熱狂できるファンがいるバンドもまた幸せですよね。

The Time Machine

The Time Machine
ここでブルースが唐突にクイズを出題。
「みんなは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンを知ってるか?」
「あれを動かすには何ジゴワット必要だ?」
答えは「1.21ジゴワット!」なんですが周りの反応は薄め。前方はどうだったんですかね?
ちゃんと背景の絵にも描いてあるよ!と教えてくれるブルースでした。
新譜のDisc 1のラストにあたる、少々展開の多い一曲ですが、
こういうブルースの歌が牽引していく曲はやはりライブで映えますね。
じわじわと盛り上げながら次から次へ展開していくリフの波状攻撃の中で、
ブルースの歌が一本の芯を通していく様は、
まさにタイムトラベルのスリルにも似ています。

The Prisoner

ここでようやく初期の曲が登場!ということで冒頭の台詞からワッと盛り上がる城ホール。
ブルースのちょっとフェイントを織り交ぜた煽りも楽しい、充実の演奏でした。
この曲をチョイスしてくるところもなかなか渋いポイントを突いてますが、
そもそも今回のツアーでは“The Number Of The Beast”(1982)からの曲はこれだけ。
“The Number Of The Beast”“Run To The Hills”も、
“Hallowed Be Thy Name”も無いセトリなのでかなり攻めているはずなのに、
それでもしっかり盛り上げていくのは流石メイデンのコンテンツ力ですよ。
恐らくその分を次の初期曲ツアーに取っておいてくれている気もします。

Death Of The Celts
再び“Senjutsu”からの壮大な叙事詩。
曲前のMCではアイリッシュパブをされている方?がブルースに指名され、
「ケルトの人々、アイリッシュの人々を排除しようとした勢力がいた、
でもそれは失敗に終わった。彼らは生き延びてこうしてここにいる!(意訳)」
という熱いMCをいただいていました。パブ自体のこともベタ褒めしてましたね。
そしてブルースの力のこもった歌唱とスケールの大きな演奏、素晴らしかったです。
この曲では他と違って独特なピリッとした空気になっていたのもまた沁みました。
この手の民族的な要素がある曲になるとヤニックのソロが映えるところもいいですね。

Can I Play With Madness
冒頭のコーラスから大歓声!この曲は問答無用で盛り上がりますね。
コンパクトな曲ではありますが、キャッチーなコーラスと爽やかな曲調、
そしてスティーヴ節のちょっと捻りのある間奏を経てサビに帰ってくるカタルシスは絶妙。
実はこうしてセトリ入りするのは2014年以来。(これは“The Prisoner”も同様)

Heaven Can Wait
こちらは“Somewhere In Time”からの人気曲。
サビの”Heaven Can Wait—!”のコール&レスポンスや、
中盤のまるでサッカーのサポーターのような「オーオーオー!」のパートなど、
一緒に盛り上がれるパートが多くて楽しかったです。

Heaven Can Wait

さらに間奏部分では“Somewhere In Time”仕様のエディが登場、
ブルースと巨大な銃を撃ち合う演出も!
弾がエディに当たった瞬間にしっかり火花が散るのも大迫力でした。

Somewhere In Time(背景)

それはそれとして、この“Somewhere In Time”仕様の背景にある
「地獄」「たこ焼き」「パン屋」という取り合わせがずっと気になってしょうがなかったですね。
たこ焼きとパン屋、確かにどっちも粉モンと言えなくもないですが……
大阪限定の演出かとも思いましたが勿論(?)世界共通です。

Alexander The Great
名盤“Somewhere In Time”を締めくくる、
アレキサンダー大王の生涯を歌った傑作が遂にセトリ入り!
本ツアーのセトリ発表時にはきっと(自分含め)世界中のファンが驚いたことと思います。
何しろ今回のツアーがライブ初披露!
こういった意欲的なチャレンジが観られるのがメイデンの好きなところ。
アレキサンダー大王の堂々たる進軍を勇壮な曲と歌唱で綴っていく様子は圧倒的でした。
スティーヴお得意のパターンではありますが、実際この手の曲にハズレ無しですし。
ブルースの歌唱は特にこの曲で冴えわたっていましたし、
間奏でステージ上方へと駆けていって銅鑼を「グワーン!!」と鳴らす演出も良かったです。
銅鑼のセッティング位置がニコのドラムセットの真後ろだったので耳が心配になりましたが。

Fear Of The Dark
ライブもいよいよ佳境、お待ちかねの“Fear Of The Dark”
ブルースの装いも曲の主人公になり切っていましたし、
序盤の静かなパートでは情感豊かに、加速してからはステージを走り回りながらフルパワーで、
歌い方も自在に変化させながらステージを掌握していました。
やっぱりこの曲が一番好きだ……
そしてデイヴ・マーレイのソロが本当に「あの音」そのままだったのにも感動。
艶のある音で流麗なソロを聴かせてくれるデイヴ、ライブ通して聴き惚れてしまいました。
ブルース復帰ツアーの熱狂を収めた傑作“Rock In Rio”(2002)リスペクトで、
リフからギターソロまで歌えるとこは全部歌いました。最高に楽しかったです。
アリーナの席ありゾーンでもサビで飛び跳ねている方が結構いましたね。

Iron Maiden

“Scream for me Osaka! Scream for me Japan!!!”
というお馴染みのMCから始まったのは本編最後の“Iron Maiden”
メンバーもみな終始ノリノリで、最後の盛り上がりに向けて
一丸となって加速していくのにはグッときます。
そしてこのツアーで登場したのは“Senjutsu”仕様の侍エディ!

Iron Maiden(侍エディ)

大興奮につき(この写真に限った話ではないですが)ブレまくってます。
そしてギターとハイキックを武器にエディと対決するのがお馴染みのヤニックも、
最初から最後まで暴れまくっていてかっこよかったです。
(ずっと変わらずメイデンTシャツなところも好き)
終盤には巨大なエディの顔面がステージ上方に出てきたのにも大盛り上がりでした。
ここでメンバーはいったん退場。ニコは嬉しそうにファンサしてくれてましたね。

Hell On Earth

Hell On Earth

ここからアンコール、まずは大作“Senjutsu”のクロージングナンバー。
今回のセットリストの中でも密かに一番楽しみにしていた一曲。
2分以上にわたってたっぷりととられた静かなイントロの時点で、
思わず背筋が伸びるような風格がありました。
そこから流れていくように展開されるメロディの一つひとつが素晴らしく、
そのパワーは原曲以上にライブだと特にひしひしと感じられましたね。
そして邦題にもある「この世の地獄」を表現するかのように、
ここぞとばかりにパイロがドカドカ焚かれる演出にも痺れました。
“Senjutsu”2枚目のスティーヴ・ハリス作の長尺曲ラッシュの中にあって、
今までのメイデンの集大成感もあって大好きな曲だったのですが、
今回のライブでより好きになりました。ありがとう……。

The Trooper
バックの映像にシングルのジャケットが出た瞬間から、
「待ってました!」と言わんばかりの盛り上がり。
アンコールにもかかわらず、
歌い出しからサビまでこの日一番くらいの声量だったブルースは圧巻。
少し前まで舌がんだったことも完全に忘れるくらい、
また何回目かの全盛期なんだろうなと感じるような、魂の歌唱でした。
そして脳梗塞の後遺症でこの曲はもう原曲通りに叩けないんだ……と吐露していたニコも、
確かに多少省いたフィルはあったとしても曲をグイグイ引っ張っていく素晴らしいプレイでした。
メイデンのメンバーの驚異的な回復力に脱帽、そしてニコが72歳ということにも驚愕。

Wasted Years

そしてアンコールのラストは勿論この曲。
リフが始まった時点で「遂にこのライブも終わるのか……」という寂しい気持ちに。
背景には歴代エディが次々に映し出されていくのにも感動しました。
本当にメイデンのライブに立ち会えてよかった!という多幸感もある、
素晴らしいエンディングでした、ありがとうメイデン!!

今度は8年と言わずすぐにでも、
なんならもう発表になった50周年記念の初期曲ツアーでまた観たいものですね。
UP THE IRONS!!!

サムホエア・イン・タイム(ザ・スタジオ・コレクション・リマスタード)(通常盤)
サムホエア・イン・タイム(ザ・スタジオ・コレクション・リマスタード)(通常盤)

1.Caught Somewhere In Time
2.Stranger In A Strange Land
3.The Writing On the Wall
4.Days Of Future Past
5.The Time Machine
6.The Prisoner
7.Death Of The Celts
8.Can I Play With Madness
9.Heaven Can Wait
10.Alexander The Great
11.Fear Of The Dark
12.Iron Maiden

~アンコール~
13.Hell On Earth
14.The Trooper
15.Wasted Years

戦術【デラックス・エディション】
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