【ライブレポート】HELLOWEEN United Forces Tour大阪公演(2023/09/14)

【ライブレポート】HELLOWEEN United Forces Tour大阪公演(2023/09/14) ライブレポート
【ライブレポート】HELLOWEEN United Forces Tour大阪公演(2023/09/14)
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HELLOWEEN

HELLOWEENの久々の日本公演、2018年に引き続き今回も観に行ってまいりました!
地元・大阪にコンスタントに来てくれるのはやっぱり嬉しいですね。

カイ・ハンセンとマイケル・キスクが復帰した驚愕の7人体制をお披露目した
“PUMPKINS UNITED TOUR”を大成功させ、
2021年には満を持して7人でのセルフタイトルアルバム“HELLOWEEN”を発表。
コロナ禍だったこともあり、前回の来日公演からは5年のブランクができてしまいましたが、
ニューアルバムを引っ提げてのジャパンツアーがついに実現!
大阪・東京の2公演のみという少し寂しい日程ではありましたが、
その東京公演はバンド史上初の武道館公演として、WOWOWでの生中継が行われました。
武道館のお客さんも大盛り上がりで、これも文句なしの大成功だったわけですが、
大阪の観衆も負けてはいませんでした!
街中は阪神の18年ぶりの「アレ」とまさかの同日で浮かれ模様!
色んな意味で熱狂の中心地と化した大阪公演レポです。
ちなみに興奮のあまり撮影した写真はことごとくブレまくってます。

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7人体制HELLOWEEN、熱狂の大阪での5年ぶりの公演!

前回(2018年)の大阪公演が大型ライブハウスZepp Osaka Baysideで行われたのとは異なり、
今回の大阪公演の会場は全席指定のオリックス劇場
フロアではなく全席指定の会場でHELLOWEENを観る、というのもなかなか新鮮でした。
(武道館も全席指定なのでそれに合わせた、というのもあるかも)

木曜日ということもあり定時ダッシュで何とか開演時刻の19:00ギリギリで会場着。
とはいえその時点でも当日券販売のところでは列ができていました。
(終演後の公式SNSによると無事チケットは完売したんだとか。安心)

席は下手(サシャ側)でプレミアムシートのすぐ後ろといった感じで視界良好!
客入れのBGMはDIO“Rainbow In The Dark”など正統派路線で期待感が高まりました。

HELLOWEEN大阪公演
これが5年ぶりのHELLOWEEN!興奮しすぎて全ての写真が面白いようにブレてます

定刻より10分ほど経ち、照明が落ちると一気に会場はヒートアップ!
イントロダクションの“Orbit”に導かれ、
いきなり最新作“HELLOWEEN”(2021)を締めくくる大曲“Skyfall”でスタート!
マイケル・キスクの”I fell from the sky~”の歌いだしからゾクゾクしました。
キスクは8月に急性咽頭炎を患ったことでフェスの出演をキャンセルする事態となっていたので、
ひそかに喉のコンディションを心配していましたが完全な杞憂でした。不安定な様子は微塵もなく、
今こそが全盛期!と言わんばかりの奇跡の歌声を存分に披露してくれていました。

前のツアーの1曲目も13分越えの“Halloween”だったわけですが、
今回もド頭から構築美に優れた大作で圧倒してくる構成。
生で聴く“Skyfall”もとにかく素晴らしく、歴代の名曲の仲間入りを果たしているように感じました。
周りのお客さんも途中の”Through Hangar 18!”のコールまで完璧でしたしね。

そしてなんといってもメンバー全員の様子がよく見える!
フロアではなく全席指定、しかも劇場なのでステージが見やすいというわけ。
さらにはドラマーのダニ以外のメンバー6人がステージ中をところ狭しと動き回り、
最前列のほうに下りていってしっかりファンサービスをくれるという大盤振る舞い。
(あくまでプレミアムシートの範囲内、という感じでしたが嬉しかったです)

曲の最後ではサシャがちらっとMr.スポックのハンドサインをしていたように見えました。
(この曲のMVでお披露目されたサシャ仕様のスタイリッシュなギターも映えてました)

いや~これは凄いライブになりそうだと呑気に構えていると、
2曲目でいきなり名曲“Eagle Fly Free”が登場!!
自分含めてオーディエンスも最早悲鳴をあげてました。やるの早すぎ!!!!
前のツアーではアンコールに満を持して披露していた曲なわけですが、
Pumpkins United体制2度目のツアーではそんなのお構いなし。やりたい放題です。
しかも2番のAメロではボーカルがカイ・ハンセンにバトンタッチ!
のちの武道館公演ではなかった激レア演出で嬉しかった!これぞUnitedですわ!
そして一切の疲れのないマイケル・キスクのハイトーンは伝説級でした。
何から何まで素晴らしかった……!

続いてはアンディ・デリスが前面に出てきて、新譜から“Mass Pollution”を披露!
「前回の大阪公演から5年も空いたのは長すぎた」というMCはやはり嬉しいもの。
オーディエンスもアンディの”GO! GO! GO! GO!”と”Make some noise!”に応えてました。

ここから新ツアーのセットリストが猛威をふるい始めます。
パンプキンの周りを中性子がぐるぐる回る映像をバックに、
いきなり“Future World”がスタート!
バックの映像で何の曲が来るかは理解できたものの、
カイ・ハンセンがグリーグの「山の魔王の宮殿にて」を弾くといういつものイントロもなしに
突然曲が始まったので脳がショートしかけました。
この曲も前回のツアーではアンコールでした。やるの早い!!!!

そして入れ替わりでアンディが登場、
オーディエンスをしっかり煽ってから一気に“Power”になだれ込む怒涛の展開に!
これには近くの席のお姉さんも自分も思わず「早いって!!!!!!!」と叫んだ記憶。
思えば前回の大阪公演のときにはアンディの体調が思わしくなく、
この曲が披露されるかで当日もずっとやきもきしていました。
おかげで無事披露されたときには地鳴りのような大歓声が起こり、
アンディを愛するファンの多さに感動したものです。
前回のツアーでメインディッシュとして温存していた曲たちを、
打って変わって頭5曲でドカドカ披露していくという空前絶後のフルスロットル具合。
前半の飛ばし具合でいえば間違いなく歴代最強クラスのとんでもないセットリストでした。

“Power”の間奏の大合唱での熱狂も冷めやらぬまま、
「ピーン……」というSEとどこかで聞き覚えのあるイントロに導かれ、
ここでマイケル・キスクが登場して“Save Us”を披露!
キーパー期から新しくセトリ入りしたのはこの曲が唯一。
カイ・ハンセンのペンによる曲ということもあり、
HELLOWEEN名義のツアーで披露されるのは何年ぶり……?というなかなかにレアな選曲。
意外と音に隙間がある曲なので、マーカスのベースがよく聞こえてきました。
もちろんサビの”Please, save us!”では大合唱が起こっていました。

ここでメンバーが一旦掃けていき、日本公演限定アニメーションが映し出されました。
ゴジラや寺社仏閣のシーンなど、日本にまつわるモチーフが満載で楽しかったです。
お洒落好きなサシャがグラサンをあーでもない、こーでもないと入れ替えていくシーンがお気に入り。
しかしラストでツアータイトルが「ゴーーン……」というお寺の鐘の音で出てきたのは何故……()

さて、ここからはハードコアなファンお待ちかねのカイ・ハンセンのボーカルタイム!!
初めて図書館で借りてきたアルバムが1stの“Walls Of Jericho”(なぜかそれしか無かった)だった自分のような人間には至福の時間です。

ピンボーカルで歌うカイ・ハンセン。還暦でもそのカリスマは健在
前半はピンボーカルで歌うカイ・ハンセン。還暦でもそのカリスマは健在

今回のメドレーは前回とは選曲を変えてきており、
“Metal Invaders”~”Victim Of Fate”~”Gorgar”~”Ride The Sky”という流れ。
1stEPから“Victim Of Fate”が来たのはやっぱり嬉しかったですね!
ちゃんと中盤のスローテンポになるパートも、カイの悪魔の笑い声も聴けたので感無量です。
そして意外な選曲としては何といっても(?)“Gorgar”ですよ!
昔の自分に生でこの曲聴いたぞ!って言っても絶対信じない自信ありますもんね。
カイ・ハンセン期のジャケットに登場したキャラクター”Fangface”がピンボールで遊ぶ映像も秀逸。
この曲のギターソロパートにもともと組み込まれていたのが、カイがいつも披露している
グリーグの組曲「ペール・ギュント」より「山の魔王の宮殿にて」なんですよね。
あのとき“Future World”のイントロで演らなかったのはこのためか……!という気付きを得ました。
さて、その後はお馴染みの“Ride The Sky”!やっぱりかっこよかったし受けもよかったですね!

弦楽器隊4人のイキイキしたフォーメーション!

さらに今回は“Heavy Metal (Is The Law)”をまるまる演奏!!
ストレートで合いの手も多い曲なので、純粋なメタルの楽しさを味わえました。
カイがキャリアの原点といえる曲たちを次々と披露していく時間、今後も是非!!
ちなみにカイは掃けていくときに小さくガッツポーズしてましたね。こっちも嬉しくなります。

Forever & One

続いてはマイケル・キスクとアンディ・デリスが仲良く登場し、“Forever & One”を歌い上げます。
2人の声のシナジーを感じられて素晴らしい出来でした。ちなみにこれが本日唯一のバラード。
曲の前のMCではアンディが”Michael”(マイケル)を”Michelle”(ミッシェル)と呼んでみたり、
キスクはキスクで「このジャケットは2017年から着てるから匂うんだよ」と言ってみたり、
以前よりもさらに親密(ベッタリ)になった2人の様子が楽しめました。
お客さんがスマホのライトを照らす演出、大阪でも武道館でも映えてて良かったですね。

サシャのギターソロ

続いては一人ステージに残ったサシャによるスタイリッシュなギターソロから、
シングルカットもされた新曲“Best Time”
曲もさることながら、バックの映像や照明の演出もすごく良かったです。
“Yesterday is history, tomorrow is a mystery…”という合いの手のコーラスもバッチリでした。
そしてその盛り上がりを維持したまま、定番曲“Dr. Stein”へ。
HELLOWEENのハッピーなライブには欠かせない一曲、サビもしっかり大合唱でした。

しかしあっという間に「次が(本編)最後の曲」というMC。体感だと一瞬だったので驚き……。
披露されたのはもちろん、初期の名曲“How Many Tears”
前の来日のとき以上に世界で戦争が激化するようになってしまった現状を踏まえてか、
間奏のスローで物悲しいギターソロパートも以前より長めにとられていたように思います。
カイ、キスク、アンディの歴代ボーカリスト3人がリレーしながら歌う様子は圧巻でした。

そしてメンバーは退場していくわけですが、
束の間の小休止を経て、すぐに真っ暗なステージが緑のライトに照らされ、
“Perfect Gentleman”のイントロが流れ出します。

Perfect Gentleman

ラメラメの真っ赤なジャケットに身を包んで、シルクハットにステッキを持ったアンディが、
お馴染みの”Perfect!”コールでオーディエンスを煽っていきます。
何度聴いても名曲!アンディのエンターテイナーとしてのセンスがいかんなく発揮されていました。

お次はサシャのイントロに導かれ、超大作“Keeper Of The Seven Keys”へ。
キスクのマイルドな低音の歌いだしからもうたまりません。
前回のツアーでは2番まではキスクが1人で歌い、アンディは後半部分から参加していましたが、
今回は早い段階から2人でシェアしながら歌っていて、
単なるキスクのお披露目ではない、7人組バンドとしての一体感があってとても好みでした。

Keeper Of The Seven Keys

でもアンディ、そのキラキラの服で歌うのね?

メタル史に残る一大叙事詩をキラキラのジャケットで歌いあげる、
これこそがハッピーなHELLOWEENの神髄。(?)
最後はサシャがひとりひとりメンバーを紹介していき、ついにはサシャ含めて全員が退場。
会場にはオーディエンスの「オーオー」のコーラスだけが残されます。

ダニのドラムソロ

するとその雰囲気を切り裂くように、ダニのドラムソロがスタート!
圧倒的なパワーと手数に痺れっぱなしでした!!
そしてマイクなしでの「オーーーサカーーーーー!」の雄叫びの声量にもビビりました。
これだけ叩き続けてもまだ生き生きとしていて、その無限のスタミナに感服。

I Want Out

そして2ndアンコール、ついにラストの“I Want Out”へ。
曲が始まるや否や、パンプキン柄の巨大バルーンが会場を埋め尽くし、
ハッピーなメタルパーティーの最終幕を彩ります。

I Want Out(マイケル・キスク)

中間部分ではオーディエンスを左右に分け、「オーオーオオー」と”I Want Out!”で競わせる演出。
今回は下手側だったのでキスクチームでした。
普段はあまり煽らないキスクが楽しそうにオーディエンスを煽る姿もかっこいい!

I Want Out(ラスト)

そしてラストでは大量のスモークが焚かれてフィニッシュ!
これ以上ないほどのこの多幸感、これぞHELLOWEENのライブの醍醐味……

I Want Out(スモーク大量)

焚きすぎ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

終演

そして終演!あっという間の2時間でした。
会場を後にしようとすると、巨大バルーンを頑張って持ち帰ろうとするお客さんもちらほら。
果たして電車では大丈夫だったんでしょうか……。

余談ですが、ロビーでは隣のお客さんに阪神の優勝決定戦の結果を訊かれ、
一緒になって「阪神おめでとう!!!!」とワイワイしてハッピーな一幕に。
会場が心斎橋エリアの近くだったこともあり、混雑していたら…..と一抹の不安もありましたが、
人は道頓堀のほうに集中していたようで、意外にも電車は空いていました。
ただ、駅の構内では「阪神優勝おめでとう!」と通話している方がいらっしゃったりして、
大阪の街全体が心なしか浮かれた気分に包まれているような雰囲気だったのが忘れられません。

自分もライブの後なのにまったく疲れは感じず、むしろハッピーなHELLOWEENの力か、
ド平日の夜なのに不思議と元気がみなぎってくるのを感じました。
なんなら電車で隣に座った見ず知らずのHELLOWEENファンの方と、
メタル談義に花を咲かせて帰ったくらいには超元気でした。

次は5年といわず、またすぐにでも来日公演お願いします!!!

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HELLOWEEN大阪公演セットリスト(2023/07/22)

1.Skyfall
2.Eagle Fly Free
3.Mass Pollution
4.Future World
5.Power
6.Save Us
7.Kai’s Medley
 (Metal Invaders~Victim Of Fate~Gorgar~Ride the Sky)
8.Heavy Metal (Is the Law) 
9.Forever And One (Neverland) 
Guitar Solo (by Sascha Gerstner)
10.Best Time
11.Dr. Stein
12.How Many Tears

~1stアンコール~
13.Perfect Gentleman
14.Keeper Of The Seven Keys

~2ndアンコール~
Drum Solo (by Dani Löble)
15.I Want Out


前回のツアーはセトリも時間も全部盛りの特別仕様でしたが、
今回は長いツアーも見据えての「普通の」長さのセットリストになっていて、
この体制でこれからも続けていくんだという気概も感じるパッケージングだったように思います。
インタビューではまだまだ7人で続けたい旨も語られていますし、
さらなる新曲にも期待したいところです!

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