【ライブレポート】Kula Shaker Natural Magick Tour大阪公演 (2024/02/13)

【ライブレポート】Kula Shaker Natural Magick Tour大阪公演 (2024/02/13) ライブレポート
【ライブレポート】Kula Shaker Natural Magick Tour大阪公演 (2024/02/13)

オリジナルメンバーのジェイ・ダーリントン(Key.)が25年ぶりに復帰し、
今月初頭に7thアルバム“Natural Magick”を発表したばかりのKula Shaker
まさにバンドとしていちばん熱い時期に、
オリジナルラインナップでのジャパンツアーが開催されたことに感謝です!

言い尽くされていることですが、まず何がすごいかというとその来日のスパンの短さ。
前回の単独公演は2023年の2月なので、何とまる1年でまた来てくれたわけですからね。
といっても前回は6th“1st Congregational Church Of Eternal Love And Free Hugs”(2022)、
今回はその次のアルバムを引っ提げたツアーなので、セットリストも意味合いも異なります。
自分にとっては、2022年のサマソニ以来2回目のKula Shaker体験です。
要はこの1年半で3回も来ているということ。有難すぎます……!

Kula Shaker Natural Magick Tour大阪公演

今回の会場は心斎橋のライブハウスBIGCAT。個人的には結構好きな会場。
去年は梅田のクラブクアトロだったそうなので、会場としては少し大きくなりました。

Kula Shaker Natural Magick Tour大阪公演 (開演前)

今回の大阪公演はジャパンツアーの初日!!
7日にQueen+Adam Lambertのライブで有休を取った翌週ということもあり、
今回は午後休も特に取れず、定時ダッシュで開演10分前の18:50に何とか到着。
後ろのほうでしたが中央のクリスピアン正面に陣取れました。
開演前の映像は、偉人や著名人の顔が万華鏡のように映し出される独特の演出。
浅学につきキング牧師やKISSのジーン・シモンズくらいしかわかりませんでしたが、
デビューアルバム“K”(1996)のジャケットの雰囲気そのものでワクワクしました。
ちなみに今回はこれ以降一切写真撮ってません……。

“Natural Magick”の円形のロゴマークがバックに映し出されてバンドが登場。
フリンジ付きの衣装を着こなすクリスピアン(Gt, Vo.)の姿はまさに王子そのもの!
サングラス姿もクールでしたが、時折笑いながら歌う場面もあってお茶目でした。
ライブは新譜のオープニングナンバー“Gaslighting”でスタート。
ビートルズの”Taxman”を思わせる曲調で、一瞬で会場を掌握していました。
一部のボーカルをアロンザ(Ba.)が披露する場面もあり、早速大盛り上がりでした。

続く2曲目“Waves”は、前回のツアーでも新曲として披露されていた曲。
歌詞に”And all the girls of Tokyo”とあるのが日本のファンとしては嬉しいですね。
途中でしっかり”All the boys of Osaka!”、”All the girls of Osaka!”との煽りがあったり、
お客さんもバッチリ「シャナナ……」のパートを歌っていたりと良い雰囲気でした。
温かい雰囲気の曲ですし、ライブの定番曲になっていってほしいです。

そして新譜のタイトルトラック“Natural Magick”へ!
バックに流れるMVの映像でテンションが上がります。
これぞKula Shaker!というリフワークに”M! A! G! I! C! K!”のコールもわかりやすく、
初期からのファンの方にも訴求する魅力を備えた曲だと感じました。

「ポール(Dr.)の兄弟と作った曲だよ」という前置きから始まった、
次の“Indian Record Player”は、軽いグルーヴでかわいらしい印象の楽しい曲。
ここまでは新譜の1~4曲目の流れをそのまま再現したセットリストなわけですが、
改めて各曲にフックがある、レベルの高いアルバムだと実感しました。
お客さんの反応も良好で、発売されて2週間弱のアルバムにもかかわらず愛されているのがわかります。

ここから過去作の曲もセットリストに交ざりはじめます。まずは“Infinite Sun”
久々にインド風味が復活した“K 2.0”(2016)のオープニングを飾ったこの曲、
みんなで輪になって歌う宗教の儀式のような感覚になれて個人的には大好き。
ライブでの手拍子とシンガロングが加わることでさらに輝く曲だと思っているので、
単独公演で体感できて嬉しかったです。

ここで復帰したジェイ・ダーリントンが紹介され、「20年演奏していなかった曲」として、
2nd“Peasants, Pigs & Astronauts”(1999)から“S.O.S.”がコールされました!
5拍子と6拍子が入り混じった緊迫感のある曲で、アルバムの中でも大好きな曲だったので嬉しいサプライズでした。しかし再結成後このツアーに至るまでプレイされていなかったとは……。
キレキレのグルーヴは健在で、難しいはずですが演奏していて楽しそうなのが伝わりました。

次の“Start All Over”は、ついにアルバム”K”からの曲だ!ということで、
リフが聞こえた瞬間から一段と歓声が上がってましたね。自分も大好き。
“Take me back!”のシャウト混じりの歌い方がセクシーで印象に残りました。

その勢いでクリスピアンがワウを効かせる人気曲“Grateful When You’re Dead”に突入!
お馴染み「パッパッパー!」の一体感も素晴らしかったですし、
特によかったのがそこに続く“Jerry Was There”のパート。
自分含めたオーディエンス全体がスローなグルーヴに乗ってゆらゆら揺れているのが、
後ろのほうで観ていたのもあってとても綺麗に見えて、深い青の照明も相まって幻想的な時間でした。
かなり長めにやってくれた印象なのですが、ずっと続いてほしいと思うくらいには良かったです。

中盤は“Sound Of Drums”“Shower Your Love”と、
2ndからの曲が連打されていましたが、このゾーンは安定して素晴らしかったですね!
特に”Shower Your Love”の包み込まれるようなメロディはいつ聴いても秀逸。

今回のライブで一番の発見だったのが次の“2 Styx”
スクエアなグルーヴとクールなボーカルの組み合わせは今までの曲に無かった要素で、
ほかのUKのバンドのカバーかと最初は思ったくらいに異彩を放っていた一曲。
Aメロとサビでビートを変えてきているのが癖になり、すぐに気に入りました!
終演後に調べてみると、”K 2.0″の米国盤のボーナストラックだと判明。
こんな隠し玉があったとは!と驚きました。かっこよかったのでMVを貼っておきます。

2 Styx / Kula Shaker (まさか7年前の曲だったとは……)

そして新譜で一番好きなプロテストソング2連発、
Idon’twannapaymytaxes”“F-Bombs“の流れへ。
ファンキーな演奏に乗せて「第三次世界大戦のための税金なんか払いたくない」と歌うパート、
まさに現代日本のオーディエンスに一番響くのでは?と思ってます。
“F-Bombs”では全員で”Fxxk war!”コールの大合唱!
現在も戦争が止まないこの世界で、この状況に中指を立てられるのはやはり日本でしょうし、
ここが個人的には今回のライブに参加できて一番よかったところですね。
ライブを通して新譜の核となるメッセージと共鳴して、一体になれた気がして嬉しかったです。

続いての“Narayana”は唯一“Strangefolk”(2007)からの選曲。
サマソニでも披露されていた曲ですが、曲が進むにつれてどんどん壮大なエネルギーを放射していくさまに痺れます。背景の宇宙を思わせる映像もピッタリハマっていました。

新譜からのバラード“Stay With Me Tonight“は、何とライブでは世界初披露!
クリスピアンの「この曲はここで初めて披露するよ」というMCには会場も沸きました。
この手のストレートなバラードは特にバンドの円熟味が出ていて良かったです。

次も再び新譜から“Happy Birthday”
後半のサビで流れる女性コーラス、ライブで聴くとトリップ感がグッと増していました。

“303”に入るとライブもいよいよ終盤戦!会場のボルテージも一段階高まりますね。
このあたりからクリスピアンのステージアクションも大きくなってきていました。
出だしの”I’m just, I’m just, I’m just, I’m just a man…”の部分を
クリスピアンが溜めるのに合わせてみんなで歌うのも楽しかったです。

そして遂に名曲“Tattva”が揺らめくように始まり、サビのマントラの合唱に。
自分がこのバンドを追うようになったきっかけの曲なので、感慨もひとしお。
開放感のあるフェスで聴くのも気持ちよかったんですが、
暗いライブハウスでの単独で聴くとサイケデリックな酩酊感がさらに増した印象。
オリジナルメンバーのジェイのオルガンで聴けたということにもグッときます。

ここでクリスピアンが下手前方まで出てくるファンサービス!
そして勢いよく本編最後の“Hush”がスタート!会場で初めてジャンプが起きました。
オリジナルアルバムには入っていないカバー曲ですが、やはり人気は絶大!
勢いとカッティングで突進していく、フレッシュさとテクが両立した解釈は今でも新鮮。
最後は「ナーナナナー……」のシンガロングで気持ちよく本編終了。

ここからアンコール!と言いつつほんの2分足らずでメンバーがステージに戻ってきました。
本編中は頑なにサングラスをかけ続けていたクリスピアンが遂に素顔で出てきたので、
あちこちから黄色い歓声が飛んでいましたね。

アンコール1曲目はお待ちかねの“Hey Dude”
ブンブンうねりまくるベースに絶妙なギターのワウとボーカル、
そしてサビ前の”Catch the sun!”大合唱と盛り上がりどころ満載。
サビの一部を観客に振る場面もあり、バンドもかなり楽しそうでした。

そしてラストは代名詞ともいえる“Govinda”
歌詞がすべてサンスクリット語で、コーラスでマントラの大合唱が起こる光景は、
やはり単独公演だとその密室感と相まって迫力と一体感が増しますね。
サビは4行のマントラの繰り返しなので、ご覧になる際はサッと予習していくと楽しめます。
これでライブももう終わりなのか……という寂しさも抱きつつ、
独特のグルーヴとたっぷりのコール&レスポンスを楽しみました。

最後のMCで、クリスピアンは日本への感謝に続けて、
「招いてくれる限りいつでも日本に行くよ!」という力強いメッセージを残してくれました。
去り際には“See you soon!”と言い残してくれましたし、
これは本当にまたすぐ来てくれるのでは!?という期待感も高まる充実のライブでした。

1時間40分ほどのライブで体感あっという間だったのに、
終演後にセットリストを見るとしっかり21曲も演奏していて驚きました。
MCタイムもそこまで長くなく、とにかくたっぷり曲を披露してくれたことには頭が下がります。
(とはいえ途中”Cheers, honey!”と叫んで、
ステージに置いていた蜂蜜を瓶から直飲みしていたのは衝撃のMCでした。
ほんとに「蜂蜜で乾杯」の意味になることあるのね……。)
復帰したジェイ含めて全員の阿吽の呼吸が素晴らしかったのは流石オリジナル編成。
そして実感したのは新譜の楽曲の質の高さ!
合計で8曲も披露してくれていることにその自信が窺えます。

ちなみにセットリストの紙にはアンコールの“Hey Dude”“Govinda”の間に、
2ndからの“Great Hosannah”があったのですが省略されていました。
と思いきや次の名古屋公演では“Hey Dude”の代わりに披露されたと聞いて驚きました。
選択式だったということでしょうか……セットリストに動きがあるバンドを追うのは面白いですね。

Bitly

1.Gaslighting
2.Waves
3.Natural Magick
4.Indian Record Player
5.Infinite Sun
6.S.O.S.
7.Start All Over
8.Grateful When You’re Dead / Jerry Was There
9.Sound Of Drums
10.Shower Your Love
11.2 Styx
12.Idon’twannapaymytaxes
13.F-Bombs
14.Narayana
15.Stay With Me Tonight
16.Happy Birthday
17.303
18.Tattva
19.Hush

Encore:
20.Hey Dude
21.Govinda

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