【ライブレポート】楠木ともり TOMORI KUSUNOKI SUMMER LIVE 2024 -ツキノミチカケ- 大阪公演(2024/08/10)

【ライブレポート】楠木ともり TOMORI KUSUNOKI SUMMER LIVE 2024 -ツキノミチカケ- 大阪公演(2024/08/10) ライブレポート
【ライブレポート】楠木ともり TOMORI KUSUNOKI SUMMER LIVE 2024 -ツキノミチカケ- 大阪公演(2024/08/10)
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声優として、そしてアーティストとしてコンスタントに活躍を続ける楠木ともりさん。
個人的には1stEP“ハミダシモノ”(2020)からせっせと集めてはいたのですが、
未だライブにはなかなか行けておらず。

そんな中、シングル“シンゲツ”のリリースに伴う初の野外ライブを
東京・大阪で行うということで、一旦資金のことは考えずに土壇場でチケットを購入、
念願の初参戦と相成りました。

大阪城天守閣
エレベーター完備の資料館としても楽しい建物、大阪城天守閣

会場は大阪城野外音楽堂。
地下鉄・JRの森ノ宮駅から歩いてすぐという好立地です。
大阪城だし京橋のブックオフでCD物色してから行くか~!と、
大阪城ホールと同じノリで京橋の駅から歩き出したら実質2駅分歩く羽目に。
真夏に電車賃をケチると命の危険があるので要注意だなと思いつつも、
久々に天守閣をしっかり拝めたので楽しかったです。

楠木ともり マフラータオル

物販ではマフラータオルを購入。
今回のコンセプトである「月の満ち欠け」がデザインされたもので、
リバーシブルに使える優れものでした。あと今治タオルなので明らかに質がいい。

大阪城野外音楽堂(開演前の客席から見たステージ)

席については、チケット自体公演一週間前くらいに買ったので後ろのほうだったわけですが、
PA卓付近でバンドサウンドをしっかり楽しめるいい席でした。

開演前のBGMはインストに混じって坂本慎太郎やフィッシュマンズの曲もあって、
夕方の野外の雰囲気にもマッチしていて大変良かったです。

シンゲツ (通常盤) (特典なし)
【通常盤】CDのみ 《収録内容》 1. シンゲツ (作詞・楠木ともり 作曲・TETSUYA) 2. MAYBLUES (作詞・作曲 楠木ともり) 3. シンゲツ -Instrumental- 4. MAYBLUES -Instrumenta...

まだ明るい17:30、定刻通りにライブがスタート。
1曲目は“眺めの空”。蒸し暑い真夏のライブにはこれ以上ないオープニングです。
楠木さんは白のセットアップで登場、
2番Aメロでは歌詞とリンクしてアウターをはだけさせる仕草があったのも印象的でした。
堂に入ったステージングに、出だしからさっそく引き込まれましたね。
原曲で印象的なトム・モレロばりにオクターブが上下するギターリフはライブでは抑えめ。

続く2曲目は“僕の見る世界、君の見る世界”
爽やかな夏をイメージさせるアップテンポな曲調の中に一抹の寂しさも込められた佳曲。
みんなでタオルを振り回しながら最初のコーラスを大合唱する、いわゆる「タオル曲」でした。
いつもは終盤に披露される曲だそうですが、青空が似合う曲なのでこれは良いセレクト。

入りから2曲続けて披露したのち、ここでMCへ。
最初の「楠木ともりでーす!」という挨拶の元気さにはこちらも思わず笑顔に。
「今日は私が”飲め!”って言ったら飲んでください!」と、
熱中症対策の必要性の周知徹底も忘れず。

同期のドラムループに導かれて披露された、“PRESENCE”(2023)収録の“青天の霹靂”は、
打ち込みと生バンドがうまく融合していて聴き応えがありました。
今回のセトリの中でもとりわけ歌メロの上下が激しい曲でしたが、
ステージを自由に動きながらファルセットも織り交ぜて歌いこなしていたのは流石。
2番の「うつ伏せになって死んでいます」の歌詞に合わせて、
ステージ上で横になりながら歌うパフォーマンスも強烈。

続いては雰囲気をガラリと変え、
最新シングル“シンゲツ”のB面、五月病を歌った“MAYBLUES”へ。
息の成分多めな歌い方でもしっかり歌詞が入ってくるのが印象的でしたし、
初の試みとなった後半のラップも完璧に披露。
後方の席からは観客全体が段々とビートに合わせて左右に揺れているのが見えて綺麗でした。
いわゆる邦ロックのノリとは質の異なる曲ですが、
「この曲のノリ方もだんだんみんな覚えていってね!」とはMCでの談。

都会的な“もうひとくち”“タルヒ”とミッドテンポの曲が続くブロックに入ると、
始めは少し力みが感じられた声も段々とリラックスしてきて、より自然な味わいに。
ちょうど“タルヒ”の辺りで涼しい風が吹き込んできたのも野外ならではのマジック。

MCの「ここからはぶっ通しでいくよ!」という宣言に続いては、
オリコンデイリーチャート1位を獲得した2ndEPの表題曲“Forced Shutdown”
複雑なアンサンブルとメロディで全カタログの中でも今なお異彩を放つ一曲。
特に複雑なフレーズをしっかり入れ込んでいくドラムの貢献は圧巻でした。
“BONE ASH”“遣らずの雨”と激しい曲が並ぶこのセトリからは
存分にバンドサウンドの迫力が感じられて満足感がありました。

激烈ファストナンバー“遣らずの雨”の前には、雨を感じさせるように
長めに取られたイントロと照明効果があったのもライブならでは。
静かなイントロの雰囲気が「雨が……」の囁きで一変するのにはゾクゾクしましたね。

続く“absence”は、先ほどと打って変わって鍵盤のみをバックに切々と披露。
このあたりで日も徐々に暮れてきて、穏やかな光の中で歌う様が絵になっていました。

今回のライブ「ツキノミチカケ」の表題のもとになった、
TETSUYA (L’Arc-en-Ciel)プロデュースの新曲“シンゲツ”が披露される頃には、
三日月を少し過ぎたくらいの月の光もひときわはっきり見えるように。

MCでは、その「月の満ち欠け」というコンセプトに込めた意味合いを説明。
満ちたり欠けたりしているように見える月も、
それはあくまで太陽によって見え方が変わっているだけ……ということから発展して、

「誰かが変わったように見えてもそれは周りからの見え方が違っているだけで、
その人自身の本質はもしかしたら変わっていないのかもしれない」
「関わりの中で見え方は変化していくから、変われない自分をむやみに嘆かなくてもいい」
というような考えに至ったといいます。
それに伴って嫌いだった自分のことも好きになれたのだと、率直に語ってくれました。

そして本編最後は、昨年のバースデーライブで初披露された“back to back”
楠木ともりさん自身がメロディのみならずコードも付けた一曲で、
てらいのないストレートな曲調とメロディが力強く響いてきます。
自身とファンとが背中を預け合いながら進んでいくというコンセプトのこの曲、
鮮やかな赤と青の照明に照らされたステージに向けて、
「大丈夫」というフレーズを観客が投げかけるBメロの一体感は感動的でした。

ここからアンコール。ライブTシャツに着替えて披露されたのは
ハルカトミユキの提供した“それを僕は強さと呼びたい”
これは是非とも生で聴きたいと思っていたので個人的には嬉しい選曲でした。

MCを挟まずに続けて披露されたのは、静かな“alive”
虫の声とローファイな風合いのギターが特徴的なスローナンバーですが、
今回のライブではちょうど蝉の声が曲に綺麗にフィットしていて、
野外ならではの空気感を味わえてよかったです。

そしてMCタイムは恒例のグッズ紹介!
ここではグッズをひとつひとつ手に取り、
その度にファンが手持ちのグッズを掲げるのがお約束なので、
頑張っても毎度長くなるんだとか。

特にシューレースの紹介ではヘアアレンジに組み込んだり痛バの装飾にしたりと、
個性的なアレンジがあって面白かったです。
アピールのために履いている靴を掲げて見せる光景も中々でしたが。
中には通販限定の丼ぶりをわざわざ現地まで持ち込んできた猛者もちらほら。
「こうならないように通販にしたのに~!割っても知らないからね~!」
と苦笑されていたのもハイライト。

グッズ紹介の後には告知タイム!
11月に5thEP“吐露”が発売されること、
さらに今年も12月22日にバースデーライブを行うことが決定!というのが最重要事項。
新EPは例によって新曲4曲を収録予定とのこと、続報に期待!

個人的には、ラジオ番組「楠木ともり The Music Reverie」が
今回のバンドメンバーを迎えて急遽復活したのも嬉しかったです。
(ゆらゆら帝国の”発光体”をカバーした回の衝撃は忘れられません)

そしてアンコール3曲目にして〆の一曲は“ロマンロン”
初期からずっと愛されてきた人気曲ということもあり、
ここにきて今まで以上の熱量の盛り上がりになっていました。

最後の挨拶、集合写真の撮影まで終わり、ステージから捌けていくメンバーたち。
しかし、アンコールのあとも熱気が収まる気配はなし!
会場には客出しのBGMで“シンゲツ”のインストバージョンが流れていたのですが、
ほとんどのお客さんがその場から離れず、BGMに合わせて手拍子し続けていました。
この辺りはBGMを止めなかったスタッフさんに感謝です。

しばらく後、その鳴りやまない手拍子に応えて全員が再登場!
「史上初!ダブルアンコールありがとうございます!」というMCにさらに沸く野音。
と言いつつも「どうしよう?」「何やろう?」と動揺していたので、
やっぱり急遽だったのだなと改めて実感しました。

そして本当のラストナンバー、東京のアンコールで披露された“熾火”で〆!
「才能ない」だなんてそんなわけないじゃない!と思いながら夢中で叫んでました。
産みの苦しみや自己嫌悪までストレートに吐き出したこの曲で、
この日一番の盛り上がりをみせたのは、あまりにも劇的なエンディングでした。

終演後に配布されたセットリスト

終演後には、本日のセットリストとともに、
小説投稿サイトmonogatary.comとのコラボコンテスト第2弾の大賞受賞作
『校舎の月』(角原 四温)が配布されました。

裏表紙に記載された当日のセットリストには、やはりダブルアンコールの“熾火”は無し。
改めて歴史に残る公演に立ち会えたのだなとしみじみしながら帰路につきました。

収録のためカメラが入っているという旨のアナウンスが開演前にあったので、
この盛り上がりなら大阪公演の映像化もあるのでは?と、内心そちらの方面でも楽しみ。

シンゲツ (初回生産限定盤) (特典なし)
【初回生産限定盤】CD+BD ※初回限定盤をご希望の場合、単品でのご注文をお願いします。 ※他の商品とあわせてご注文されますと、それらの商品の発送可能時期によりましては、初回特典付をお取り置きできない場合がございますので、ご了承ください。 ...

1.眺めの空
2.僕の見る世界、君の見る世界
3.青天の霹靂
4.MAYBLUES
5.もうひとくち
6.タルヒ
7.Forced Shutdown
8.BONE ASH
9.遣らずの雨
10.absence
11.シンゲツ
12.back to back

~アンコール~
13.それを僕は強さと呼びたい
14.alive
15.ロマンロン

~2ndアンコール~
16.熾火

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