【ライブレポート】YES The CLASSIC TALES OF YES Tour名古屋公演 @岡谷鋼機名古屋公会堂(2024/09/23)

【ライブレポート】YES The CLASSIC TALES OF YES Tour名古屋公演 @岡谷鋼機名古屋公会堂(2024/09/23) ライブレポート
【ライブレポート】YES The CLASSIC TALES OF YES Tour名古屋公演 @岡谷鋼機名古屋公会堂(2024/09/23)

2年ぶり12回目のYES来日!なお当方初参戦。
東京(3日間)、仙台、名古屋、大阪を回る計6公演という日程で、
YESの記念すべき55周年記念ツアーが実現。
昨年には最新作となる23rd“Mirror To The Sky”(2023)を出したばかりということで、
ツアーのアートワークは基本的にその“Mirror To The Sky”のものが中心。

ちなみにメンバーは以下の通り。
スティーヴ・ハウ(G)
ジェフ・ダウンズ(Key)
ジョン・デイヴィソン(Vo)
ビリー・シャーウッド(Ba)
ジェイ・シェレン(Dr, Per)

今回のセットリストの目玉のひとつが、1973年発表の
“Tales From Topographic Oceans”(海洋地形学の物語)
の50周年を記念した全曲メドレー。
片面1曲ずつの2枚組、計80分というYES史上でも一番の壮大なアルバムを
ギュッと凝縮した新解釈が楽しめるとのこと。
完全再現ツアーでも端折られてしまった2曲目、
“The Remembering (High The Memory)”を一部だけでも楽しめるのは魅力かも。

社会人になった今、万難を排してYESを観なくてどうする!ということで、
祝日開催なのを利用して大阪から日帰りで名古屋へ行くことに。
(地元大阪での公演は25日なのですが、有休は24日のメイデン大阪に使ったので……)
会場の岡谷鋼機名古屋公会堂(旧名古屋市公会堂)は鶴舞公園のすぐ隣。
鶴舞までは名古屋駅からも一本ですぐに来られたので便利な場所でした。

YES ツアーパンフ、ロゴTシャツ

勢いでサクっとツアーパンフ(5500円)とTシャツ(6000円)を購入。
「メイデンのTシャツ8000円」という衝撃の光景を見たので何にも動じなくなりました。
このツアーパンフは全72ページという大ボリューム、
読み物としても優雅にしっかり楽しめそうなので満足です。

YES(開演前)

開演まで微妙に暇になったのでその足で大須まで歩いてみたり
(ついでに中古ショップでDream TheaterのCDを買ってみたり)しつつ席に着こうとすると、
何と機材席の組み換えの都合でチケット記載の席番より前で観られることに!僥倖でした。

今回の開演時間は休日ということもあってか17:00。
照明が落ち、”Young Persons Guide To The Orchestra”をオープニングに、
メンバーが入ってきてすかさず“Machine Messiah”がスタート。
ダウンズがYESに一時加入した“Drama”(1980)のオープニングナンバー。
原曲のトレヴァー・ホーンのボーカルも大好きなクチですが、
ジョン・デイヴィソンの声の艶にはまた違った味があって良かったですね。
特にスローなパートの歌い終わりの余情には彼にしか出せない魅力がありました。

と言いつつ「本物のYESだ!!!!」という感動で頭が一杯だったわけですが。
エイジアからプログレに入門したのもあってダウンズとハウ師匠に釘付けでした。

2曲目は“I’ve Seen All Good People”
もうここで聴けるんだ!と嬉しくなりましたね。
中間の”Give peace a chance~!”終わりのパートで、
ピースサインを掲げるデイヴィソンが観られて満足。どこまでも広がる高音に痺れました。

そして意外にも日本初披露!な“Going For The One”
今年のワードレコーズの福袋に入っていた2017年の再現ライブの映像に衝撃を受け、
この曲のデイヴィソンのボーカルがとにかく大好物に。
全編にわたってボーカル殺しともいえる超絶難易度の曲なわけですが、
歌い出しの鋭いハイトーンもバッチリ決めつつ、
サビのタイトルコールでも歌い終わりに余裕を残す圧巻のパフォーマンス。
これは特に今回聴きたい!と思っていた曲なので感無量でした。
余談ですが、ハウ師匠が間奏終わりくらいでペダルスティールと一緒にスーッとマイクスタンドの方にスライドしていったのが、遠目から見ると上半身しか動いていないように見えてじわじわきました。

続いてはハウのMCに続いてサイモン&ガーファンクルのカバー“America”を演奏。
目玉の一つとなる貴重な選曲ですが、フル尺ではなく間奏部分のみの披露。

“America”では袖に引っ込んでいたデイヴィソンは終わりごろに中央からゆっくりと現れ、
そこから2ndのタイトルトラック”Time And A Word“へ。この選曲も嬉しかった!
原曲と違ってキーはCになっていて、それが原曲にはない温かみをプラスしてくれていました。
愛聴していたライブ盤“Yesshows”(1980)と同じアレンジだったので喜びもひとしお。
曲自体が割と新譜の雰囲気に近いこともあって、
みんな完全に自分のものにしている感がありました。

“Turn Of The Century”は、デイヴィソンの「自分のお気に入りの曲」というMCからスタート。
ハウのアコースティックギターとの絡みも美しく、ドラマチックなひとときでした。

Siberian Khatru

第一部のラストは、ハウによる「ロックンロールな曲」という紹介からの
大名曲“Siberian Khatru”
ついに生でこの曲が聴けた!!という喜びが大きかったですね。
海外では披露されていないケースもあったので、日本でこうして演ってくれたことに感謝。
アップテンポな曲にハウのリフが追い付かないことがあって多少ヒヤッとはしましたが、
ジェイ・シェレンとビリー・シャーウッドのリズム隊が中心となって
うまいことテンポを調整しながら進めていたのはなかなか見事でした。
「ダ!ダ!ドゥダードゥダ!」のキメは完璧でしたし、
個人的にこの曲で一番の魅力だと思っている、
アウトロと一緒に空に溶けていくようなハウのソロはたっぷり披露。
極上のひとときでした。

20分ほどの休憩ののち、激しい風のSEから第二部へ突入。
まずは“Fragile”(1971)から“South Side Of The Sky”。危なげない演奏でした。
死生観の表れた歌詞と激しい寒さを感じさせる曲調が印象的で、これも好きな曲。

Cut From The Stars

続いては新譜から唯一の選曲“Cut From The Stars”
現行メンバーで作った曲ということもあって演奏もこなれていて、
特にシャーウッドのベースのドライブ感が非常に良かったです。
出来がよかっただけにもっと新譜からの曲も聴きたかった……

そして今回のツアーの目玉、
「忙しい人のための海洋地形学」こと海洋地形学メドレー。
80分のアルバムを20分に凝縮するということでどうなるのかと思いましたが、
全ての曲の聴きどころの部分をいいとこ取りした構成になっていて良かったですね。
最初の“The Revealing Science Of God”冒頭のお経のような歌唱、
“The Ancient”のハウによる長いギターソロ、そしてボーカルとの絡み、
その後の“Ritual”の入りでハッと引き戻され、コーラスのリフレインによる大団円!
という”海洋地形学”の旨味が味わえてしっかり満足感がありました。
個人的MVPはラストの“Ritual”で片手に2個持ちしたマラカスを、
お客さんにフェアリーダストを振りかけるようにファサ~……と鳴らすデイヴィソン。

Roundabout

あっという間に第二部も終わりアンコール。2分もしないうちに全員帰ってきました。
そして早速“Roundabout”が!ここで一気に観客も総立ちに!
演るとは分かっていても本物のスティーヴ・ハウの演奏でRoundaboutを聴けるのは
やはり問答無用で感動するというもの。
こうしてYESを観に来て本当に良かったな……と心から思いました。

そして幸せな時間の締めくくりは“Starship Trooper”
三部構成の美しい一曲ですが、曲が進むごとに多幸感と共に寂しくなったりも。
テンポが速くなる中間部分でダウンズが表拍で煽ってたのはちょっと驚きでしたが、
ドラムがない部分ではジェイの煽り方もキュートな手遊びみたいになっていましたし、
最後の曲ということでメンバーもみんな楽しそうにしていたのが印象的でした。

二部構成+アンコールのライブは19時過ぎに終演。
鬼籍に入ったメンバーも複数いる中、YESの音楽を生き生きと継承し続ける姿勢。
今を生きる現役のバンドとして活動を続けるYESの素晴らしさを体感できたライブでした。

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~第一部~
1.Machine Messiah
2.I’ve Seen All Good People
3.Going For The One
4.America -Southern Solo-
5.Time And A Word
6.Turn Of The Century
7.Siberian Khatru

~第二部~
8.South Side Of The Sky
9.Cut From The Stars
10.Tales From Topographic Oceans Medley

~アンコール~
11.Roundabout
12.Starship Trooper

海外のセトリと比べると、
“It Will Be A Good Day (The River)”
“Don’t Kill The Whale”が漏れたのは残念でしたが、
その代わりに“Siberian Khatru”が入ったので初見勢としては嬉しかったです。
“The Ladder”(1999)も大好きなので次があれば何かしら聴いてみたいですね。

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今週はYES(23日)、IRON MAIDEN(24日)、Korpiklaani(28日)の来日ラッシュ。
まともに新幹線で行き来していたら破産する!ということで名古屋へはバス移動。
12時発の夜行バスで帰ることにしていたのでライブ後には莫大な空き時間が発生。
無理やり一駅分歩いてブックオフに突撃して更にもう一枚CD買ってきました。
一人旅はこういうめちゃくちゃな旅程が組めるので気楽で良いもんですね。

Black Clouds & Silver Linings / Dream Theater
Metal 1 / Various Artists

・Black Clouds & Silver Linings / Dream Theater(2009)
・Metal 1 / Various Artists(1994)

(本当はデレマスコラボのときに行きたかった)味噌カツも美味しかったですし、
弾丸旅行の割に目いっぱい楽しめました。ありがとう名古屋。ありがとうYES。

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