SMKCのジャパンツアー初日が無事終了!
例によってバンド名もツアータイトルもやたらと長いですが、
Guns N’ RosesのスラッシュとAlter Bridgeのマイルス・ケネディ率いるハードロックバンド、
Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators (以下SMKC)の来日公演に行ってまいりました!
最新作“4”(2022)を引っ提げての今回の来日公演では、
期待の国内アクト花冷え。とMELT4が日替わりでオープニングアクトを務めます。
ちなみに前回の来日は2019年。3rdアルバム“Living The Dream”(2018)のツアーで、
1/15(火)なんばHatch、1/17(木)新木場STUDIO COASTという平日2日間の日程。
オープニングアクトはデンマークのH.E.R.O.で、“This Means War”や“Superpowers”など、
強力なグルーヴとキャッチ―なメロディが印象に残るパフォーマンスでした。
(のちに東京公演での音源は1st“Humanic”(2019)の日本盤に収録されました)
自分が参戦したのは初日の大阪公演。
会場は前回と同じなんばHatchで、このジャパンツアーで唯一の休日開催という恵まれた日程!
会場に入ってみると、終わったものも含めて今年開催のライブの告知がズラリ。
こうしてみると昨今の来日ラッシュを改めて感じられて壮観ですね。
開演予定時刻は18:00ですが、17:30にスタートの花冷え。に向けて足早にフロアへ。
フロアに入ると、スラッシュ目当てのファンが多いライブとだけあって、
明らかに上手側から先に埋まりはじめているのがわかって面白かったです。
自分は空いている下手側を選択。整理番号800番台でもかなり前のほうを陣取れました。
17:30〜 花冷え。(Opening Act)
まずはオープニングアクト、”HARAJUKU CORE”を掲げて活動する花冷え。!
昨年のNEX_FESTへの出演やLIMP BIZKITのO.A.をはじめ、
今月だけでもPUNKSPRINGへの出演、SUM 41の単独公演のO.A.など、
ここ数か月で次々と大きいイベントにブッキングされまくってます。
ということで一度は生で観てみたかったバンドでございました。
そしていざ観てみたら、全員よく動くし表情も明るくてステージ映えしてましたね。
中でもボーカルのユキナさんの存在感が凄かった……!
パワフルなグロウルとステージアクションには完全にKOされました。
音楽性としてはラップありグロウルありのキラキラ闇鍋ミクスチャーといった趣なので、
正統派HR/HMの客層の中では若干アウェイ感があったのは正直否めませんが、
だからこそ単独で観るともっと熱いんだろうなとも思いましたし、
曲が進むにつれて会場の熱気もどんどん高まっていった良いライブでした。
定番の“我甘党”や最新曲“O・TA・KUラブリー伝説”などを交えて、
すっかり代表曲の仲間入りをした“お先に失礼します。”で文字通り締めくくれるのが強い!
初めて聴きましたが和風な“LOVE乱舞”も耳に残りましたね。
「(スラッシュの前に)まずは首の凝ったところをほぐしましょう~!」
というヘドバン煽りもキュートで印象的でした。
花冷え。セットリスト
1.Warning!!
2.我甘党
3.令和マッチング世代
4.O・TA・KUラブリー伝説
5.LOVE乱舞
6.TOUSOU
7.お先に失礼します。
18:00〜 Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators
開演前のBGMでJudas Priestの“The Hellion”が何故か2回流れた挙句、
“Electric Eye”にいかずにモトリーの“Wild Side”が流れるという
(ランダム再生の悪いところが全部出たような)珍事もありつつ、いよいよメインのSMKCへ!
ステージ後方の暗幕が開いてバックドロップが出てきたときの歓声はやっぱり良いもんですね。
まずはニューアルバム1曲目の“The River Is Rising”でスタート!!
曲が始まった瞬間から前方にお客さんがどんどん押し寄せていっていました。
マイルスの天まで突き抜けるようなハイトーンが早速炸裂していたのは勿論、
後半のテンポが倍になる部分の迫力は凄いものがありました。
このあたりはライブを通してブレント・フィッツ(Dr.)の貢献が大きかった印象です。
続けて前作のリードシングル”Driving Rain”から、毒気のあるアップテンポな“Halo”へ。
序盤に“Halo”を置くのが段々と定番になってきたのは当時からのファンとしては嬉しいところ。
さらに“Too Far Gone”~“Back From Cali”と続けたことで、
“SLASH”(2010)~“4”(2022)の5枚から満遍なく1曲ずつ披露する体になっていました。
“Back From Cali”では一部の歌詞を”Osaka”に変えて歌唱!大盛り上がりでした。
ここからは“4”から3曲続けて演奏。
アルバム2曲目“Whatever Gets You By”はブレントの力強いドラムからのスタート。
この手のグルーヴィーな曲はライブで映えるなと改めて実感。
イントロのトライアングルを鳴らすマイルスのお茶目な表情も良かったですね。
マイルスのMCに続いて、トークボックスで無理やり喋ろうとして笑いをとるスラッシュ。
そのままトークボックスをワウワウいわせて“C’est La Vie”へ!
キャッチ―なメロディでお客さんの反応も総じて良かったですし、
この曲では珍しくフライングVを弾くスラッシュの姿も拝めました!
続く“Action Speaks Louder Than Words”はSMKC流の正統派ロックンロール。
スラッシュのギターは今度はエクスプローラーでした。意外としっかり使い分けられてます。
マイルスに合わせて両手を掲げてゆらゆらするのも楽しかったですし、
この曲のギターソロは今回披露された新曲の中でもトップクラスに良かったです。
ここでボーカルがトッド・カーンズ(Ba.)にバトンタッチ!
マイルスの声より太めの通るハイトーンでのベースボーカルがクールなトッドですが、
今回はスラッシュが以前コラボしたレニー・クラヴィッツの“Always On The Run”をカバー!
セカンドギタリストのフランク・シドリスもコーラスにしっかり入って盛り上げていました。
再びマイルスが戻ってきて、バラ―ド“Bent To Fly”でしっかり聴かせ、
前作収録の疾走曲“Mind Your Manners”でボルテージを上げていき、
さらに新譜からオリエンタルな旋律の“Spirit Love”でガラリと雰囲気を変えるという、
息の合ったライブ巧者ぶりを見せつけるコンスピレイターズ。
この日はとにかくお客さんが元気で、マイルスもずっとMCで嬉しそうに褒めてました。
そんな中でも今回の目玉となったのは2度目のトッドのボーカルタイム。
「1991年の曲だよ」というMCから、Guns N’ Rosesの“Bad Apples”をプレイ!
“Use Your Illusion I”(1991)から“Don’t Damn Me”を最近初めてライブで演奏したことは知っていたので身構えてはいたのですが、まさかの角度からレア曲が来たので驚きました。
(ちなみに“Don’t Damn Me”は東京公演初日に演奏されました)
原曲で主張が強かったピアノの音がない分、引き締まったロックンロールになっていてシンプルにかっこよかったですし、何よりトッドの声質自体もかなりアクセル寄りで楽しめました。
スラッシュのソロも当時のバイブスをそのまま残したものになっていてグッときましたね。
マイルスの美しい初期の名バラード“Starlight”をじっくり堪能したあとは、
ライブで後半のソロが10分近くまで発展することでお馴染みの“Wicked Stone”!
自分は下手側にいる都合上、スラッシュのソロを近くで観られる時間はあまりなかったのですが、
この曲ではスラッシュも端から端まで移動してたっぷり聴かせてくれました!
抒情的な泣きから息もつかせぬ速弾きまで、曲を活かしながら弾きまくる姿は圧巻でしたし、
その音の一つひとつにスラッシュのレスポールのものとわかる旨味が感じられました。
ちなみにスラッシュのソロの間はマイルスもギターを持ってバッキングに参加していました。
そして圧巻のソロからそのまま“April Fool”へ。
非常にSMKCらしい、ひねりの効いたリフとメロディで楽しい曲でした。
続いてこの日のハイライトのひとつとなったのが、これも新譜の“Fill My World”。
マイルスが愛犬モーツァルトの目線で歌う、新境地のメロディアスな一曲です。
「みんな飼ってる動物がいたらその写真を見せてほしい。この曲は彼らへのトリビュートだよ!」
というマイルスのMCに導かれたお客さんがスマホでペットの写真を掲げるのを見て、
終始ニコニコとコミュニケーションをとっていたのが印象的でした。
(1番のサビ前ではマイルスが笑いすぎて歌えなくなってましたね)
自分はペットを飼っていないので参加できずでしたが、
他のライブではなかなか見ないような心温まる場面でした。
そしてなんとここでトッドが3度目の登場!
前回の来日公演では確か1回の登場で2曲歌ったきりだったのでこれは驚きでした。
歌うのはすっかり定番となった“Doctor Alibi”。
トッド・カーンズが好きになったきっかけの曲でもあるのでまた聴けて嬉しかったです。
“SLASH”(2010)ではモーターヘッドのレミー・キルミスターが歌った曲ですが、
ベースボーカルとしての佇まいとそのワイルドな歌唱はまさにレミーが降りているかのよう。
会場でもこの日ほぼ唯一のジャンプが起こってました。”Doctor!”コールもバッチリ。
本編ラスト2曲は“You’re A Lie”~“World On Fire”の怒涛の名曲連打!
フルスロットルで本編ラストまで駆け抜けていきました。
(2曲ともにサビの高音部分を歌わせようとするお茶目なマイルス……)
ここからアンコール、1曲目はなんとエルトン・ジョンのカバーで“Rocket Man”。
ステージ上手にはペダルスティール、下手にはキーボードが置かれ、
それぞれにスラッシュとブレントが座って演奏するというレアな光景が見られました。
ちなみにドラムに関してはブレントのドラムテックの方が叩いてらっしゃいました。
新しいレパートリーですが、マイルスの寄り添うようなソフトな歌声が完璧にマッチしていました。
そしてラストは“Apocalyptic Love”(2012)から“Anastasia”!
この曲で締めるのもSMKCのライブではすっかりおなじみになりました。
スラッシュのクラシカルなリフと、“Paradise City”を彷彿とさせるグルーヴ、
出だしでグッとトーンを抑えて観客を引き込むサビメロと、作曲の妙が光る一曲です。
ここでも最後はスラッシュによるソロがたっぷり披露されて終演!
アンコールも含めると計22曲、大満足のライブでした。
前回は平日開催だったこともあってか仕事帰りのお客さんもかなりいて、
途中からマイルスが頑張って手拍子や「オーオー」で盛り上げていた印象もあったんですが、
今回は最初から最後まで会場全体にうねりがずっとあって、メンバーも上機嫌でした。
「スラーーッシュ!」という声に本人が大声で“YES!!!”と返して笑わせる一幕もありましたし、
マイルスはオープニングアクトの花冷え。に本編中とラスト前のMCで2回言及していました。
下手側ではトッドとフランクが向かい合ったり、背中合わせで弾いたりと終始仲良さそうでした。
2人ともファンサービスやピック投げの頻度も高くて見ていて楽しかったです。
単なる「スラッシュのソロプロジェクト」ではなく、
確固としたバンドとしての結束が高まっているのがわかるSMKC。
メンバーそれぞれの活動も盛んですが、このバンドもまだまだ続けていってほしいです!
Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators大阪公演セットリスト
1.The River Is Rising
2.Driving Rain
3.Halo
4.Too Far Gone
5.Back From Cali
6.Whatever Gets You By
7.C’est La Vie
8.Action Speaks Louder Than Words
9.Always On The Run (※Toddボーカル、Lenny Kravitzのカバー)
10.Bent To Fly
11.Mind Your Manners
12.Spirit Love
13.Bad Apples (※Toddボーカル、Guns N’ Rosesのカバー)
14.Starlight
15.Wicked Stone
16.April Fool
17.Fill My World
18.Doctor Alibi (※Toddボーカル)
19.You’re A Lie
20.World On Fire
~Encore~
21.Rocket Man (※Elton Johnのカバー)
22.Anastasia
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