MR.BIGの10作目にして、現状でのラストアルバム
なとうとう7月12日に発売となりました、
MR.BIGの最新作、節目の10枚目にして現状でのラストアルバム“Ten”。
前作“Defying Gravity”(2017)の発売とそれに伴う日本公演の翌年に、
パーキンソン病を患っていたパット・トーピー(Dr.)が亡くなったことで、
バンドの幕引きという言葉が現実味を帯びるようになっていったMR.BIG。
昨年はドラマーにニック・ディヴァージリオを迎え、
最後の日本公演を含めた”The BIG Finish Tour”をスタート。
バンドの歴史に幕を下ろすことが公表されるとともに、
名盤“Lean Into It”(1991)を完全再現し、歴史を総括するライブを繰り広げました。
ちなみに自分は大阪公演に参加。最初で最後?のMR.BIG体験になりました。
最後の武道館公演ではパットを含めたメンバーの家族もステージに上がり、
日本のファンへの感謝を述べていたことも印象的でした。
その中で「もう1作アルバムを作ってから終わりにしたい」
というメンバーの発言もあったのですが、それがついに形になったのが今作。
武道館公演の映像作品“The BIG Finish Live”が9月に発売されることと同時に、
今作“Ten”の発売がアナウンスされました。
自分は発売日の7月12日にタワレコで購入。
本当はタワレコオンラインで家まで届くはずの予定が、
武道館の円盤との一括配送を選んでしまう凡ミスにより実店舗まで走る羽目に。不覚!
こちらが実物とタワレコ特典のジャケ写カード。
余談ですが、WOWOWがレーベル事業から撤退したこともあり、
現在日本での契約レーベルが存在しない状態のMR.BIG(ちょっと衝撃)。
本作は香港を拠点とするevoXSというレーベルからの、
日本仕様での発売という若干ややこしい形態となっています。
とはいえ伊藤政則先生の解説はしっかり完備。
ちなみにジャケ写カードの裏面は現在のアーティスト写真。
メロイックサインで舌を出しているエリックの少年感が相変わらずでほっこりします。
そして肝心のアルバム本編ですが、これがもう素晴らしいの一言!
まず1曲目“Good Luck Trying”のブルージーな雰囲気からグッと引き込まれます。
そして全体的にメンバーのプレイがリラックスして聞こえるのも印象的。
このあたりはニック・ディヴァージリオの柔軟なグルーヴ感での貢献が耳を惹きますし、
そもそもライブを意識せずにアルバムを作れるというのはバンドにとって初めてのこと。
その自由闊達で自然体なムードが最初から最後まで溢れているな、といった印象。
ライブを想定せずに作ったことで、むしろライブで聴きたくなるような曲が詰まった
上質なアルバムが完成した、というのも何とも面白いですね。
先行公開された“Good Luck Trying”と“Up On You”の2曲以外では、
ドライブ感もありつつ温かいサビメロも特徴的な2曲目“I Am You”、
QUEEN風のハッピーなギターソロが聴ける4曲目“Sunday Morning Kinda Girl”、
そしてエリックが自身を取り巻く状況を赤裸々に綴った
本編最終曲“The Frame”が現時点では特に気に入っています。
聴けば聴くほどに深みを増していく素敵な最後の贈り物、
これからもじっくり聴き込んでいきます!
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