激動の2020年、アメリカを見つめた15thアルバムの特別盤
2024年のアメリカ大統領選挙がつい先日終了、
共和党のドナルド・トランプ氏の再選が決まったとのこと。
これからまた目まぐるしく変わっていくアメリカ、そして国際社会を、
民主党支持者として積極的な活動を繰り広げてきた
ジョン・ボン・ジョヴィはどう見るか……というところで、
今月ちょうどBON JOVIの前作にあたる15thアルバム、
“2020”のCDを入手したので紹介させてください。
当時発売日にタワレコで購入したのですが、実家に置いてきたので久々の対面。
しかも今回は当時と違って7インチサイズの国内盤デラックスエディションでの入手。
“Limitless”, “Unbroken”, “Do What You Can”のMVを収めたDVD付き。
7インチサイズの紙ジャケCDを買うのは初めてだったので、
この手のパッケージでCDがどのように収納されているのかがずっと気になっていました。
ということで開けてみるとこんな感じに。
歌詞カードや解説書も7インチサイズなのでなかなか迫力があります。
そしてCDとDVDはレコードを模したトレイの表裏にはめ込まれていました。
そう来たかという気持ち。一本取られました。
こちらがCD。装飾を排したシンプルな仕上がり。
そしてこちらがDVD。
ジョンのサングラス、ビートルズの“Revolver”(1966)の裏ジャケを思わせます。
収録内容
1.Limitless 3:42
2.Do What You Can 4:20
3.American Reckoning 4:42
4.Beautiful Drug 3:48
5.Story Of Love 5:50
6.Let It Rain 4:39
7.Lower The Flag 4:55
8.Blood In The Water 5:58
9.Brothers In Arms 4:13
10.Unbroken 5:16
日本盤ボーナストラック
11.Shine 5:26
12.Luv Can 5:57
BON JOVIのカタログの中で一番ジョンのソロアルバムに近い、と言われがちな今作。
ジョンの声帯も手術前なので、
最新作“Forever”(2024)と比べてもメロディラインの動きは少なめ。
しかしその分、語り掛けるようなジェントルなスタイルでの歌唱や、
社会情勢を反映したシリアスな歌詞に磨きをかけて作られたアルバムですね。
全米チャートは19位。彼らにしてはちょっと地味な結果なのも事実ですが、
「地味」というよりは「滋味」にあふれた、
優しく包み込んで勇気づけてくれるような楽曲が並んでいる作品でもあります。
ちなみに、ファンの方ならご存知のことと思いますが、
今作の元々のタイトルは“BON JOVI 2020”というもので、
収録曲も今とは違ったものでした。
ちなみに当初アナウンスされていた“BON JOVI 2020”の内容がこちら。
“Beautiful Drug”が1曲目になっていることからも大分印象が変わってきますね。
1. Beautiful Drug
2. Unbroken
3. Limitless
4. Luv Can
5. Brothers In Arms
6. Story Of Love
7. Lower The Flag
8. Let It Rain
9. Shine
10. Blood In The Water
日本盤ボーナストラックになっている“Shine”と“Luv Can”が外れ、
新たに加わったのが“Do What You Can”と“American Reckoning”。
それぞれコロナ禍とBLM運動をテーマとしたタイムリーなもので、
その2曲が見事にアルバムの軸となっているのが今作の優れた点。
中でもやっぱり2曲目に据えられた“Do What You Can”は今作の白眉。
「コロナ禍でできないことも多いけれど、それでも自分のできることをやろう」
というシンプルでポジティブなこの曲の存在で、
アルバム全体も引き締まったものになっているように感じます。
最新ベスト盤にもこの曲で投票しました。
惜しくもTOP50からは外れましたが、
近年のバンドのスタンスを体現する重要な曲だと思っています。
最新作“Forever”(2024)の感想はこちら。
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