【ライブレポート】 ANGRA JAPAN TOUR 2025大阪公演 @梅田クラブクアトロ(2025/06/17)

【ライブレポート】 ANGRA JAPAN TOUR 2025大阪公演 @梅田クラブクアトロ(2025/06/17) ライブレポート
【ライブレポート】 ANGRA JAPAN TOUR 2025大阪公演 @梅田クラブクアトロ(2025/06/17)
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ANGRA JAPAN TOUR 2025

ブラジル発、心揺さぶるメロディと圧倒的テクニックで支持を集めるANGRA
“Carry On”, “Nova Era”, “Spread Your Fire”といった
パワーメタルを代表するアンセムを生み出しつつも、
トライバルなリズムも武器としたプログレメタルとしての側面も大きい、
掘れば掘るほど奥の深いバンドとして君臨。

メンバーチェンジを重ねながら10枚のアルバムを残したわけですが、
34年にわたる活動を経て、一旦の活動休止を宣言……
今回は休止前最後のジャパンツアーということで感慨もひとしお。
(と言いつつ、前回来日時は貧乏学生だった自分は満を持しての初参戦)

今回のツアーは大傑作“Temple Of Shadows”(2004)の20周年ツアーも兼ねたため、
色々な面でスペシャルな体験になりました。
中高生の頃から幾度となく勇気づけられてきた一枚なので……

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現在のメンバーは以下の通り。
ファビオ・リオーネ(Vo.)
ラファエル・ビッテンコート(Gt.)
マルセロ・バルボーザ(Gt.)
フェリペ・アンドレオーリ(Ba.)
ブルーノ・ヴァルヴェルデ(Dr.)

気づけばボーカルにファビオを迎えてからの期間が一番長いのも驚きですが、
リリースを重ねるごとにファビオの音域にフィットした曲が増えてきたのもまた印象的。
唯一のオリジナルメンバーであるラファエルがアルバムのコンセプトを手掛けていたことで、
バンドとしての一貫性を保ちながら第一線で活動してきたのは流石と言うほかないです。

大阪、名古屋、東京の3会場で連日のライブという中々の弾丸スケジュールでしたが、
全公演(当日券込みで)ソールドアウトという最高の形で無事終了!
日本のメタルファンの熱い思いも伝わったのではないでしょうか。

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6月とは思えないほど暑い日だったのもあって若干ペラい素材が神の救いに思えました。

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ライブがアナウンスされてすぐにチケット確保したので整理番号2桁をゲット!
あれよあれよという間に前方4列目ほどに陣取れてしまいました。
開演前に振り返ると上のスタンドまで人がパンパンで驚きましたね。
ソールドしたのも納得の大盛況でした。

開演前BGMはメタルのライブにしてはかなり落ち着いたチョイスで、
Sleep Tokenに続いてお洒落なTears For Fearsだったり
(初めて聴いた“Elemental”がSleep Tokenの後でも違和感ないカッコよさで驚き)、
その後もGenesis“Watcher Of The Skies”や、
ELPの“Trilogy”といった大プログレ祭りだったり。
「やっぱりANGRA、メロスピの皮を被ったプログレバンドなんだな……」と勝手に納得したりも。

(完全に余談ですが、このときのELPの“Trilogy”
エマーソンが暴れ出す前のスローなレイクの歌パートで丁度19時になり、
そのまま照明が落ちて開演したので今まで観たメタルのライブ史上ダントツで穏やかなスタートになったのがかなりツボでした)

そして(なんやかんやありつつ)開演!
1曲目は新譜から、トライバルなビートで始まる“Faithless Sanctuary”
最年少メンバー、ブルーノの熱い煽りとテクニカルなドラムで段々ヒートアップする会場。
正確かつどこか柔らかさすら感じさせるプレイで、
早速レギュラーグリップの化け物としてのセンスを遺憾なく発揮。
そしてそこに絡む弦楽器隊と満を持して歌いだすファビオ!

うますぎる……
メタル界屈指の豊かな声と安定感を持つボーカリストはやはり伊達ではなく。
テクニックを前面に押し出しつつもファビオものびのび歌える、
そのバランスが新譜のキモなんだなと改めて感じた瞬間でした。

2曲目はアルバム“Rebirth”(2001)からの“Acid Rain”
前方にいたこともあって冒頭のコーラスがしっかり合唱になっていてかっこよかったです

フェリペの穏やかにうねるベースから始まって劇的に展開する、
“Tide Of Changes“も見事でしたね。
新譜では序盤のハイライトとなっていた2部構成の楽曲で、
優しげな歌唱から力強くキャッチ―なサビへの移行はファビオの真骨頂でした。

そして「ここからは“Temple Of Shadows”をみんなで祝福しよう!」
という旨のMCが。(ここで「完全再現や……!」と気づいて大興奮)
序曲”Deus Le Volt!”からの“Spread Your Fire”でフロアも大盛り上がりに!
「グローーーーリアーーーーース!」の大合唱はやはり良きものです。
前作のツアーを収めた“Omni Live”(2021)では2個下げでの歌唱だったのに対し、
このツアーでは原キーに戻してきたのには驚き!
ファンの心に刻まれたアルバムへのリスペクトも感じさせる演出でした。

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すかさず……とはいきませんでしたが、
続く“Angels And Demons”も流石の盛り上がり。
メロスピド真ん中の全曲に続いて疾走プログレメタルを続けてくるところ、
やっぱり好きだ……とどこかしみじみしつつ、
この高速フレーズを難なくこなしながら煽り続けるマルセロやブルーノに見とれっぱなしでした。

“Waiting Silence”
は流石の安定感。
伸びやかでもどこか鬼気迫るものを感じさせるこの曲は特にファビオとの相性抜群。
加入したての時期からも演奏されていた曲なのでしっかり自分のものにしていましたね。

続くバラード“Wishing Well”は「みんなで歌ってくれ!」という煽りつき。
緊張感のある曲が続く中でひときわ癒される時間でした。
他メンバー(特にラファエル)のコーラスが聴けるのもいいところ。

そしてお待ちかねのキャリア最速ナンバー“The Temple Of Hate”
原曲ではエドゥがカイ・ハンセンと超絶バトルを繰り広げるツインボーカルでしたが、
ここではファビオが全て歌い切るパワープレイを見せてくれました!
(もちろんカイの”Right now!!!”も含めて完全再現)
ラストの「オーオー」のコーラス含めて物凄い気迫でした。

ここからアルバムも後半戦、よりバラエティに富んだ曲で聴かせてきます。
ラファエルの美しいアコギのフレーズで始まる“The Shadow Hunter”
主人公の険しい人生の旅路と砂漠の風景が曲調だけで目に浮かぶのは流石ですし、
8分にわたる壮大な絵巻をじわじわと盛り上げる手腕を目の前で味わえたこともあり、
個人的にはこの日のハイライトのひとつ。
正直この日は途中でファビオが
「なんで今日の大阪はこう静かなんだ?」とMCで言っていたんですが
(大阪で盛り上がりが薄いと言われるのは正直かなり珍しい現象)
そのくらいには全員うますぎてひたすら見入ってしまう引力がありました。

「次の曲はわかるよね?」と最前列の男性ファンに訊くファビオ。
(ちなみにこの方、名前を訊ねられて「ファビオ!」と答えたことで
ずっとファビオ(本物)から弄られていらっしゃいました。
「全部歌えると思うけどまた今度ね!」というリップサービスも貰っていて面白かったです)
そのバラード“No Pain For The Dead”は、
要所要所でEdenbridgeのサビーネ・エデルスバッカーの女声ボーカルをフィーチャーした一曲。
今回はどのようにそれをカバーするのかと思いましたが、
ラファエルがファルセットでしっかり決めていて良かったですね。
個人的にはラファエルの声は大好きなので、フルでの歌唱は聴けずとも大満足。

“Winds Of Destination”
は原曲ではハンズィ・キアシュとのコラボ。
しかしながらここはファビオが圧巻の一人二役。
二人分のパワーと気迫で歌い上げる様子にも、
ハンズィのパートで気持ちシャープな歌い方になるところにも痺れました。
オペラチックなラストも含めて満足度は高かったです。

“Sprouts Of Time”も伸びやかなボーカルが光る曲。
パーカッションと優しく絡み合うメロディ、そしてサビの雄大さは、
信じるに足る生き方を見つけた主人公の姿とうまくリンクしているなと再認識。
間奏でガラッと転調する瞬間がまた痺れましたね。

“Morning Star”も個人的に良かったなと感じたパフォーマンス。
青と白の照明に彩られたステージで歌われるサビの美しさ、
そして間奏ではヘヴィでテクニカルなギターソロの連発。
もうアルバムも終盤か……という名残惜しさも含めて、
じっくり聴き入ってしまう瞬間でした。

アルバム最後の曲として紹介された“Late Redemption”
(ラストの“Gate XIII”はアルバムを総括するインストなので)
ファビオが「自分の大好きな曲」と言っていたこともあり、
情感たっぷりに歌い上げての再現パート大団円となりました。

再現パートのあとは再び新譜からの“Vida Seca”
パーカッションとアコギ、そしてラファエルのボーカルでの始まりに、
ANGRAとしてのアイデンティティは連綿と続いているんだなと感じました。
ANGRAがメロスピ・メロパワだけにはとどまらない、
「一筋縄ではいかないテクいバンド」なのはアンドレ・マトスのいた初期からそうなので……

そして本編ラストはバラードの代表曲“Rebirth”
度重なるメンバー交代の中でも何度も「再生」してきたバンドの強さを感じました。
分かりやすいパートではしっかり歌っているファンの方も多かったですね。

ここからアンコール!
“Unfinished Allegro”が流れ出した時の歓声と手拍子にはやはり凄いものがありました。
そして”Carry On”に入った瞬間待ってました!と言わんばかりに後ろから圧縮が発生!
揉みくちゃになりながら(と言いつつみんな節度がありましたが)
全力でCarry Onを大合唱するのは「高校時代からの夢が一つ叶ったな……」と思えた瞬間。
ちなみにフェリペのベースソロが拝めるぞ!と思った瞬間に
バン!と“Nova Era”に切り替わるメドレー方式だったのには驚きつつも楽しめました。
よくよく考えたら”Omni Live”の頃もこの演出でしたし、
3夜連続でファビオがあのスクリームをやるのは些か酷な気もするので……

自分としてはANGRAもファビオも初だったので色んな衝撃が一気に来た!というライブでした。
アンドレ時代の曲が“Carry On”のみだったのは意外でしたが、
そこも“Omni Live”の逆を突いたような感じになっていて楽しめました。
活動休止前最後とはいえ現在進行形な感覚はしっかりあったなと。
位置取りはマルセロ正面だったのでガン見していましたが、
音も綺麗だし表情豊かだしで観ていて楽しいナイスガイでしたね。
(終盤で自分の長いドレッドヘアを首に巻いて出てきたのがちょっと面白かったです)

今回のライブの素晴らしさを語るとき、それは結局
“Temple Of Shadows”というアルバムの素晴らしさを語ることでもあって。
宗教のお題目のようにはいかない現実と、
普遍的な人間の在り方を考えさせる詞の秀逸さは言わずもがなですが、
ともすれば重苦しくなりがちなテーマを、
多彩な音世界に落とし込んでいった見事さに今更ながら舌を巻くばかり。
こうして生で体感したことでますます大好きなアルバムになりました。

そして“Cycles Of Pain”の曲がライブで聴くとさらに良かったのも大収穫!
“Rebirth”“Temple Of Shadows”の曲群と一緒にやっても引けを取らないかっこよさだったので、
このツアーを機にさらに評価が上がっていく予感がします。

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1.Faithless Sanctuary
2.Acid Rain
3.Tide Of Changes – Part I
4.Tide Of Changes – Part II

~”Temple Of Shadows”(2004)~
5.Deus Le Volt!
6.Spread Your Fire
7.Angels And Demons
8.Waiting Silence
9.Wishing Well
10.The Temple Of Hate
11.The Shadow Hunter
12.No Pain For The Dead
13.Winds Of Destination
14.Sprouts Of Time
15.Morning Star
16.Late Redemption

17.Vida Seca
18.Rebirth

~アンコール~
19.Unfinished Allegro
20.Carry On / Nova Era

翌日の名古屋、最終日の東京公演では1曲目が“Nothing To Say”にチェンジ。
聴きたかった……!という気持ちもありつつ、
“Faithless Sanctuary”が聴けたのは結果的に大阪だけだったのでこれはこれでラッキー。
SNSからはメンバーが日本を存分に満喫しているのが窺えたので、
またいつか帰ってきてくれると信じて待つとしましょう!

最新アコースティック・ライブ盤はこちら。

そして11月にはエドゥ・ファラスキ&ロイ・カーンというこれまた大型案件が!
(当方大阪公演のチケット確保済み)
エドゥのツアーのテーマも“Temple Of Shadows”20周年ということで、
この上なく贅沢な聴き比べができるのが今から待ち遠しい!
エドゥ名義での再現ライブは豪華ゲストやオーケストラ込みの仕様で、こちらも大迫力でした。

エドゥ自身のソロ作も素晴らしい出来ですし、
特に“Vera Cruz”(2021)は構成や楽曲も
「裏Temple Of Shadows」と言える作品なので必聴。
今作をクローズアップしたライブ映像+音源もめでたく発売されたので、
来日公演前のお供に。

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