一夜限りのガンズ来日@横浜、大盛況で終了!
5/5(月)、Kアリーナ横浜にて
Guns N’ Rosesの3年ぶりとなる来日公演が無事終了!
各種SNSでも大満足の声があがっているのは、いちファンとしても嬉しい限り。
前回の2022年はさいたまスーパーアリーナ2Daysだったのに対して、
今回は横浜で一夜限りということで、全国から猛者が一堂に会した印象。
自分はスラッシュ(Gt.)とダフ・マッケイガン(Ba.)が復帰した
2017年の“Not In This Lifetime… Tour”からなので3回目の参戦。

新しくできた会場と言うこともあり、自分としては初のKアリーナ。
会場前には老若男女問わずファンの方々がズラリ。
キッチンカーも出ていてさながら祭りの雰囲気でした。
また、会場内にはライブ前後も営業しているバーがあるのも面白いところ。
ちなみにキャパは2万人ちょっと。

始まったばかりの今回のツアーですが、正式には
“Because What You Want & What You Get Are Two Completely Different Things Tour”
なる長いタイトルがつけられています。
5/1の韓国・仁川公演を皮切りに、日本での公演が2公演目!
初日は開演の大幅な遅れ等もあり20曲で終了ということで、
日本での公演がどのようなセトリになるのかは未知数……という状況でした。
今回の来日メンバーは以下の通り。
Axl Rose(Vo.)
Duff McKagan(Ba.)
Slash(Gt.)
Richard Fortus(Gt.)
Dizzy Reed(Key.)
Melissa Reese(Key.)
Isaac Carpenter(Dr.)
2006年から長きにわたり、安定感のあるドラムでガンズを支えてきた
Frank Ferrer氏が先日脱退を発表。
今回のツアーからは、ダフのバンドLoadedのドラマーでもある
Isaac Carpenterがガンズに加入となりました。
フランクは59歳、アイザックは45歳ということで一回り以上若返った計算。

今回も例によって定刻には始まらず、20分遅れでのスタート。
(韓国では40分遅れだったと聞いていたのでこちらも身構えてはいましたが)
今回は最安のA席(LEVEL 7)からの鑑賞。
最上階とはいえメンバーは十分肉眼で見えて快適でした。
(ただ真下を見ると結構怖い)
定刻を少し過ぎたあたりで、ステージ下手にツインテールの女性がノリノリで登場。
上の方からはよく見えなかったので一瞬「メリッサだけ出てきたんか?」となりましたが、
実はこの日がお誕生日のダフの奥様!
最初から最後までノリノリで盛り上がっていてほっこりしましたね。
ライブ後にはバースデーパーティーも催されたのだそうで、
そのときのアクセルの写真が「昔と変わらぬかっこよさ!」と話題になったりも。
1曲目は韓国公演と同じく“Welcome To The Jungle”!
このツアーでは恐らく1曲目は固定と思われます。
リユニオン後はいつも“It’s So Easy”からだったので新鮮な気持ちで楽しめました。
アクセルはこの時点からハイトーンもバッチリで、
前回と変わらないかそれ以上の好調ぶり!
最初は「トーキョー!」と煽っていたアクセルですが、
その次からは全て「ヨコハマー!」に修正していたのは流石でした。
(2022年のSSAは全部「トーキョー!」だったのに……)
そして2曲目は“Mr. Brownstone”のドラムパターンが入ったかと思いきや、
なんとぬるっと軌道修正して“Bad Obsession”へ!生で聴くのは初めて!
印象的なハーモニカの音がなかったのでサビ前くらいでようやく気付いて驚きました。
SNSで写真が上がっていたセトリの紙には、
2曲目に”Mr. Brownstone”とあったのでその場でパッと変えたのではないかと。
アイザック君に早速の洗礼……
続いては“Chinese Democracy”~“Slither”という前回同様の流れ!
自分も妻も“Chinese Democracy”(2008)は大好きなのでこれにはニンマリ。
しかし”Slither”はVelvet Revolverの曲ながらガンズのラインナップとして定着しましたね。
まさか再び聴けると思わなかったですし”Hey!”で拳を突き上げるのは楽しかったです。
サビのコーラスも前回のツアーより分厚くなっていてより完成度が上がっていました。
(そのうち”Sucker Train Blues”とか”She Builds Quick Machines”とかやったり……しません?)
そして“Live And Let Die”は思っていたより早めの位置!
ライブではアクセルがロングトーンで”Ha—-!”のシャウトを入れてくれるので、さらに血湧き肉躍る仕上がりに。
そして満を持しての“Mr. Brownstone”でアクセルの腰つきと
“more & more”の振り付けを堪能しつつ、
自分がトップクラスで大好きな“Estranged”へ!
聴くたびにその美しいメロディと展開の妙に心惹かれますし、
すっかり古参のディジー・リードのピアノソロ、
そしてスラッシュによるレスポールの旨味を引き出したソロの数々!
中盤でのボリューム奏法が特に綺麗で引き込まれました。
90年代のライブ音源ではもっと勢い任せなプレイだったので、
今のスラッシュは確実に進化しているな……というのを目の当たりにした思いです。
そして韓国では披露されなかった“You Could Be Mine”がここで登場!
“Use Your Illusion II”(1991)と同じ流れだったのでブチ上がりましたね。
アイザックのドラムの勢いと溌剌としたパワーにも感心。
ただこの辺りからLEVEL 7で鑑賞していると、
ドラムの音が段々ばらばらに聞こえてくるように……
音が回るような感覚はあまりなかっただけに余計そこのPAだけが惜しかったなと。
ライブではダフとアクセルがボーカルを分け合う“Double Talkin’ Jive”、
ここでもスラッシュのスパニッシュな高速フレーズが!
観るのは3回目ですが体感では過去一番ハッとする瞬間が多かった印象。圧巻でした。
“Knockin’ On Heaven’s Door”では観客がスマホの明かりを一斉に照らし、
あたかも輝く星々の中で演奏しているかのような光景に。
サビのコーレスもバッチリ決まっていました。
そして聴きたかった新曲“Perhaps”もここで披露。
上の方の席だったので周囲には曲を知らないファンも多いように見えましたが、
ピアノを前面に押し出した魅力的な一曲、しっかり聴けて満足でした。
ライブ中盤はヘヴィで複雑な長尺曲“Coma”から、
“Chinese Democracy”収録の“Sorry”に静かに移っていく流れも圧巻。
リユニオン後はすっかり定番になったのが嬉しい“Coma”、
アクセルがラストの長いボーカルパートを絞り出すように歌うところはゾクゾクします。
曲の合間には“Guns N’ Roses Yokohama”という文字がスクリーンに躍る今回の公演、
アクセルがたまにお客さんに「次は何が聴きたい?」と問いかけていたのも面白かったです。
その中でも声が大きかったのはやはり“It’s So Easy”!
セトリのド真ん中に来るのも不思議な感覚でしたが、やはりこれも名曲!
2番の”F**K OFF!!”も勿論みんなで一緒にやらせていただきました。
“Rocket Queen”はなんといっても、
中盤のリチャード・フォータスとスラッシュによるギターソロの掛け合いが特に秀逸。
スラッシュの原曲の嬌声にも勝るとも劣らぬ淫靡なトーンも魅力的ですし、
ここでのリチャードのソロは毎回本当に良いんですよね……
続いてはお待たせ、ダフ・マッケイガンによるカバー曲タイム!
この日はラモーンズの”Rock ‘n’ Roll High School”Tのダフ、
精悍なビジュアルにも磨きがかかっていました。
いつもの“Attitude”か“New Rose”か……と構えていると、
奥様への「ハッピーバースデー!」とともに、
Thin Lizzyの“Thunder And Lightning”へ!
なんとこれが世界初披露!
最初は何が起こったのか正直分かりませんでしたが、
サビの”God damn!”で気づいてうわっ!となりました。
ガンズから亡きジョン・サイクスへの熱いトリビュートと受け止めました。
ここからヘヴィなジャムがしばらく続き(これもまた秀逸!)
“Chinese Democracy”を代表する曲のひとつ“Better”へ。
中盤でのアクセルの鬼気迫るハイトーン連発にはしびれました。
“Don’t Cry”はもちろん名曲でしたが、
ここではドラムの音ズレが最も顕著でリズムがバラバラに聞こえたのが勿体なかったです……
前回のSSAで聴けたのでその記憶で補完。
気を取り直して、各メンバー紹介からスラッシュのギターソロへ。
今回はいつものゴッドファーザーのテーマではなく、軽やかなロックンロール路線。
後で調べるとスティーヴィー・レイ・ヴォーン中心のメドレーだったとのこと。
重くグルーヴィーな曲の多いセトリの中では味変としてもバッチリ機能していました。
ソロのあとはもちろん大名曲“Sweet Child O’ Mine”!
盛り上がりも最高潮に達したところでステージ中央にグランドピアノが持ち込まれ、
アクセルがピアノを弾き語る“November Rain”へ。
時々ファルセットも交えつつも情感のこもった歌唱、
そしてラストに聴けるスラッシュのソロは本当に素晴らしかったです!
……と言いつつ、
アクセルの着ていたギラギラのチェックシャツ(と背中の文字)が気になった方も多いはず。
ライブ後に調べてみたところ、ビットコインの開発者
サトシ・ナカモト(SATOSHI NAKAMOTO)の文字をあしらったブランド物で、
ガラスを散りばめてギラギラにしたネルシャツでした。お値段約29万円也。
続いてはメンバーが中央にギュッと寄り集まってのアコースティックコーナー。
披露されたのは前回と同じくJimmy Webbのカバー“Wichita Lineman”でした。
ギターの弦から遥か遠くまで続く電線のイメージに移り変わる映像、個人的には好きです。
続いて名曲“Patience”がアナウンスされると大喝采!
イントロのアクセルの口笛があまりに原曲そのままで驚きました。
そしてここでいきなりぶちかまされたのが“Hard Skool”!
現編成の新曲シリーズの中でも一番初期に近いヴァイブのあるこの曲、
もう本編ラストか……と思った矢先にまた聴けて嬉しかったです!
2番サビあたりではアクセルが曲を若干見失うハプニングもありましたが、
ラスサビでは入魂の鋭いハイトーンで締めてくれたので大満足。
セトリがいよいよ読めなくなってきた辺りで、
本編は“Nightrain”で無事終了。
そしてここからのアンコールがさらに予測不能の展開に!
“Hard Skool”からの”Nightrain”でもう望み薄かと思っていた
“ABSUЯD”で始まったのには震えました!
“Ah———————!”のシャウトがライブではSEになっているのがちょっと面白いですが、
キレのあるリフはやはりクールで魅力的!
インダストリアル路線もどストライクな妻は5割増しで大歓喜。
そこから”Chinese Democracy”収録のバラード“Madagascar”に移ったのはこの日最大の驚き!
ラストには”Civil War”の冒頭にも引用された”Cool Hand Luke”の台詞や、
キング牧師の”I Have A Dream”演説等が、文字として演奏にかぶせて映し出される演出も。
言葉の力を感じさせてくれる、激しくもどこか厳かな瞬間でした。
(序盤の大人しめなパートでアクセルがスラッシュに寄っていったところ変に驚かせてしまい、スラッシュの「うわー!」という声がマイクに思い切り乗ったのはさらに貴重な瞬間)
ラストはもちろん“Paradise City”でフィニッシュ!
大量の紙吹雪が前回同様お預けだったのは寂しいですが、
終わってみれば(いい意味で)予測不能なセトリで駆け抜けた3時間!
一夜限りなのがあまりにもったいないと思えるような素晴らしい時間でした。
SNS上ではアクセルは高音域はほぼファルセットだった……という意見があったのも事実ですが、
そもそもの裏声のパワーは一級品ですし、途中では多少温存しつつも要所要所では気合いの入ったミックスボイスを聴かせてくれていたので満足度は高かったです。
終盤でも”Hard Skool”のラスサビは圧倒的パワーでねじ伏せた感もありましたし。
Guns N’ Roses来日公演セットリスト(2025/05/05)
1.Welcome To The Jungle
2.Bad Obsession
3.Chinese Democracy
4.Slither (Velvet Revolver)
5.Live And Let Die (Wings)
6.Mr. Brownstone
7.Estranged
8.You Could Be Mine
9.Double Talkin’ Jive
10.Knockin’ On Heaven’s Door (Bob Dylan)
11.Perhaps
12.Coma
13.Sorry
14.It’s So Easy
15.Rocket Queen
16.Thunder And Lightning (Thin Lizzy)
17.Better
18.Don’t Cry
19.Slash Guitar Solo
20.Sweet Child O’ Mine
21.November Rain
22.Wichita Lineman (Jimmy Webb)
23.Patience
24.Hard Skool
25.Nightrain
~アンコール~
26.ABSUЯD
27.Madagascar
28.Paradise City
18時20分(20分遅れ)開始でしたが21時20分まで3時間たっぷりやり切った本公演。
本当に凄いものを見たな……という気持ちです。
予測不能な順番で新鮮味を感じさせるセトリ、
そして”Chinese Democracy”多めの選曲というのにもガンズの奥深さを感じました。
近年では“Anything Goes”や“Pretty Tied Up”、
さらに“Street Of Dreams”などのレア曲も披露した公演があることですし、
今回の大盛況をうけてまた近いうちに色々やりに来てほしい!
というのが今の率直な感想。
惜しくも披露されなかった“The General”、
そしてそれに続くさらなる新曲にも期待!