サマソニ2023、今年も無事終了!
夏の風物詩となった都市型夏フェス、サマソニことSUMMER SONIC。
BlurとKendrick Lamarをヘッドライナ―に据えた2023年も無事終了!
僕はニューアルバム“The Ballad Of Darren”を引っ提げて9年ぶりの来日を果たした
Blur目当てで大阪Day2に参戦してまいりました!
歴代屈指の酷暑だったそうですが、アーティストも客もとにかく熱いひとときでしたね。
せっかくなので覚えている限りの内容を備忘録として残しておきます。
今回観たアーティストは以下のとおり。
岡崎体育(SONIC STAGE)
Perfume(MOUNTAIN STAGE)
Pale Waves(OCEAN STAGE)
キタニタツヤ(MASSIVE STAGE)
TWO DOOR CINEMA CLUB(OCEAN STAGE)
SEKAI NO OWARI(OCEAN STAGE)
FALL OUT BOY(OCEAN STAGE)
Blur(OCEAN STAGE)
自分にとって初めてのサマソニだった昨年は2日通しでの参戦で、ステージにがっつくように前のほうを陣取ろうとしていましたが、今回の暑さは異常すぎる……ということで完走最優先に。
割とゆったりとしたスケジューリングで回っていきました。
(TWO DOOR CINEMA CLUB以降はずっとオーシャンにいることに)
とりあえず事前に目当てにしていたのがTWO DOOR CINEMA CLUBとWet LegとBlurの3組。
ところがWet LegはSONIC STAGEのトリになったこともあり、
FALL OUT BOYとBlurの間の微妙な時間になってしまったので生で観るのは泣く泣く断念。
ただWOWOWオンデマンドではサマソニ東京の生中継を行っていたので、
マウンテンのトリのYOASOBIと一緒にしっかり前日に鑑賞しておきました。
Wet Legのスタジオ録音よりもさらにゆったりとした酩酊感のある雰囲気
(特に“Convincing”に顕著)も気持ちよかったですし、
運に恵まれずなかなかサマソニに出られなかった間に生み出した世界規模のメガヒット曲
「アイドル」を堂々のラストに据えたYOASOBIのパフォーマンスも圧巻でしたね!
とにかく仕上がっていましたし、もはや異次元の盛り上がりでした。
これで未練なし!と言うと嘘になりますが……また機会があれば次こそは……。
と言っていた矢先、Wet LegがイギリスのReading FestivalでのMCで、
Readingも含めてあと5回のライブを残してのリタイア?をにおわせているとの情報が流れてきて落ち込んでおります。一期一会すぎる……。
その飄々としたキャラクターも含めて早くも伝説と化してしまう予感がしますね。
単独公演含めて2回来日してくれたことに感謝ですが寂しいものです……。
12:00~ 岡崎体育(SONIC STAGE)
とにかく今年のサマソニは暑すぎる!
ということで、はなから物販とO.A.は諦めて昼のアクトからゆったりしっかり観ていこう……という計画を立て、大体11:30ごろに舞洲ソニックパークに到着。
と言いつつも物販列の向かい側にクリエイティブマンのブースを発見!
有料会員なのでサマソニ2023のハンドタオルはしっかりゲットできました。
MASSIVE STAGEで梅田サイファーの熱いラップを肌に感じつつSONIC STAGEへ。
ステージ上の演者と客とがみんな自由にブチ上がっている雰囲気が抜群に良かったですね。
完全に余談ですが“トラボルタカスタム”でR-指定の手の動きを輪になって真似てる集団が近くにいらっしゃってめちゃくちゃ面白かったです。ズルすぎ。
と何やかんやありつつ、、サマソニ大阪唯一の屋内ステージであるSONIC STAGEへ。
12:00開始の岡崎体育を観に移動してきたころには、
既にサウンドチェックで何やら披露していたらしく、場も温まってきていました。
一旦本人は舞台袖に移動し、SONIC STAGE開幕のアナウンスで会場はヒートアップ!
司会のお姉さん、声は通るし煽りもすごくうまいな……と思っていたら、
FM COCOLOの“M’s Groove”でDJをされているmemeさんでした!
いつも聴いてます!!!!ありがとうございます!!!!
さて、個人的には2016年の宇宙フェス(ヤバイTシャツ屋さんやココロオークションも観られて激アツな回でした)以来の岡崎体育のライブ。
そのときは1st“BASIN TECHNO”(2016)が出たばかりの時期でしたが、
そこからどんどんとスケールアップしていき、タイアップもテレビ出演も絶えない超売れっ子に。
昨年はサマソニ東京のみ、今年はサマソニ大阪のみという変則ぶりでの出演!
1曲目の“Open”でしっかり場の空気を掴んでから、
2曲目で激ムズのコールアンドレスポンスやハンドクラップを強いてきたり(ついでに怒涛のブーイングをさせてみたり)、
「ライブのクイックレポートが好きなんであらかじめ作ってきました!」というコンセプトの3曲目“Quick Report”では「観客のボルテージは一気に最高潮に」という部分に合わせてフロアの客を踊らせてみたりと、とにかく客の乗せかたがうまい!それに尽きます。
「みんな水分とりやー!」という声掛けにオーディエンスが「はーい!」と律儀に答える光景に、
「これ義務教育の集まり??」と困惑交じりにコメントしていたのも面白かったです。
それに加えて、レゲエ風味の比較的新しい曲“Submarine”で「大人になってから感じる幸せっていいよな……」と思わせるような歌詞を聴かせてきたり、
MCではLINKIN PARKやArctic Monkeysがヘッドライナーを務めたサマソニを観に行った話でフェスへの思いを吐露したりと、「面白い」だけでなく「エモい」、心にしみ入るライブを演出するのにとにかく長けているなと再認識。
その路線で作ったアルバム“SAITAMA”(2019)の最後を飾る“The Abyss”が〆の一曲だったことにも、“BASIN TECHNO(盆地テクノ)”の看板を背負って立つ気概が伺えて格好良かったです。
ちなみに「前日に作ってきました!」という新曲はスペーシーでド派手で、
わかりやすく盛り上がれて今後の定番になりそうな曲でした。
岡崎体育 セットリスト
1.Open
2.Call On
3.Quick Report
4.Submarine
5.(新曲)
6.The Abyss
13:10~ Perfume(MOUNTAIN STAGE)
さてお次はマウンテンでPerfumeを鑑賞。
昨年のサマソニのSONIC STAGEで観たきゃりーぱみゅぱみゅが抜群に良かったこともあり、
今年も中田ヤスタカの曲で盛り上がりたい!というミーハー根性丸出しでの参戦。
しかし一日で一番暑い時間帯のマウンテンはまさに灼熱でしたね……。
スタンド席に座っているだけでもジリジリと焼かれる感覚があったので、
アリーナで密になっていた皆さんの苦労は相当なものだったはず。
しかしいざPerfumeの3人が出てくると、そのオーラと一糸乱れぬダンス、
そしてクールな演出の中でも隠し切れないキュートさに圧倒されました。
セットリストもやっぱりフェス向けということでド頭から“ポリリズム”~“FLASH”ですからね!
初期の曲も交えたグレイテストヒッツ的な内容でミーハー大勝利です。来てよかった!
4曲目の“エレクトロ・ワールド”までノンストップだったのは本当に凄かった……!
クールで洗練された楽曲と、あ~ちゃんの広島弁全開のゆるいMCのギャップも堪らんですね。
「暑いと思うからちゃちゃ~っとやって帰るけんね!」には笑いました。
近未来的な全身銀色の衣装もクールだったのですが、あ~ちゃん曰く「巷ではイワシの衣装って呼ばれとる」とのことだったので、どうか「ミラーボール」とかで呼んであげてください……。
ドラマ「ばらかもん」の主題歌“Moon”の曲の入りに少し時間がかかったときに、自然にコールアンドレスポンスを挟んでみたり、水分補給を促してみたりと、
数多くの世界ツアーを成功させて場数を踏んできたライブ巧者の強さを感じさせてくれました。
最後はお客さんと一体になる「P.T.A.のコーナー」からの名曲“チョコレイト・ディスコ”で〆。
初見でもしっかり楽しめました!ありがとうPerfumeのみなさん!
Perfume セットリスト
1.ポリリズム
2.FLASH
3.Spinning World
4.エレクトロ・ワールド
5.Moon
6.FAKE IT
7.チョコレイト・ディスコ
13:35~ Pale Waves(OCEAN STAGE)
ほぼ満員のマウンテンでPerfumeを最後まで観てしまったのでPale Wavesは途中から参戦。
超炎天下のオーシャンステージでしたがヘザー(Gt, Vo)の声もしっかり出てましたね!
レインボーフラッグを纏って歌い上げる姿はロックスターのオーラ全開でした。
ヒューゴ(Gt.)の緑のストラトの抜けのいい音がオーシャンの空気にマッチしていて、
本日初めて観たロックバンドのライブだったこともあってたまらない爽快感でした。
ラストで披露された“Jealousy”で会場のボルテージがさらにもう一段階上がったのも見事でした!
原曲よりキーを下げてギターも重めになっていたのもクールでよかったですね。
次はもっと後ろの出順で最初から観てみたいです。(ラスト3曲しかちゃんと聴けなかったので……)
Pale Waves セットリスト
1.Lies
2.You’re So Vain
3.Television Romance
4.Eighteen
5.Fall To Pieces
6.Change
7.Kiss
8.Unwanted
9.She’s My Religion
10.There’s A Honey
11.Jealousy
14:30~ キタニタツヤ(MASSIVE STAGE)
今年のフェス飯第一号はサマソニ仕様の冷やし肉盛りうどんに。
うどん出汁で多少なりとも塩分補給ができたのでかなり助かりました。
MASSIVE横のうどんの行列に並びつつ、
ネットで日頃から仲良くしてくれている友人がお勧めしてくれていたキタニタツヤを鑑賞。
コンセプトも固まっていて歌も伸びやかでしたし、脇を固めるバンドもしっかりしていて、
特に派手さもありつつグルーヴィーなベースは耳を惹きますね。
ステージの外から観ているファンの方も多かったですし、人気の高さを実感させてくれました。
THE FIRST TAKEでも披露されていた“青のすみか”での盛り上がりはその中でも随一。
その勢いを殺すことなくラストの疾走曲“スカー”で締めたのも見事でした。
キタニタツヤ セットリスト
1.聖者の行進
2.悪魔の踊り方
3.PINK
4.化け猫
5.Rapport
6.青のすみか
7.スカー
15:55~ TWO DOOR CINEMA CLUB(OCEAN STAGE)
クロークに荷物を預けて身軽になりつつ、ここからはOCEAN STAGEに移動して
楽しみにしていたTWO DOOR CINEMA CLUBを前方で観ることに。
オーシャン前方ではサマソニガールの放水もあり、開演までの暇はそれなりに潰せました。
大阪会場は下がコンクリなので清涼飲料水の持ち込みもOKでしたしね。
結局飲み物は夜までで計8本くらい飲んだんじゃないでしょうか。
さて、そうこうしているうちについに開演!
サマソニにも今まで度々出演している夏フェス巧者とだけあって最初からフルスロットル、
大ヒットした1stアルバム“Tourist History”(2010)から
“This Is The Life”~“I Can Talk”をぶちかましてくる大盤振る舞いで感激!
あの「アッオッアアオ」のイントロでの歓声は凄いものがありました。
いやほんと正直TDCCのことナメてました……。
5曲目に披露された最新作からの曲“Wonderful Life”の高音も綺麗でしたし、
ボーカルのアレックスの声がまさかここまで変わらず保たれているとは思わなかったです。
裏声成分強めの声ではあるんですが完璧にケアされてるなと感じました。
(酷暑の中水色のスーツ上下でかっちりキメててこれが英国紳士か……となりましたね)
そしてコーラスを務める他のメンバーも漏れなく歌唱力が高いんですよね、驚きでした。
“very old song”との前置きで紹介された名曲“What You Know”や、
ゆったりとした横ノリと歪んだギターが心地よい“Sun”など、
短い尺の中で彼らの魅力を詰め込みまくっていましたね。
基本的には“Tourist History”(2010)の曲を多めにしつつ、
他の各アルバムの曲もしっかり入れ込んだ盤石のセットリストでした。
覚えやすいリフレインとみんなで飛び跳ねて楽しめる四つ打ちの曲が多いので、
この後のセカオワ目当ての人たちもノリノリで楽しんでたのが見えて嬉しかったです。
体感あっという間に過ぎていった贅沢な時間でした。
TWO DOOR CINEMA CLUB セットリスト
1.This Is The Life
2.I Can Talk
3.Are We Ready? (Wreck)
4.Undercover Martyn
5.Wonderful Life
6.What You Know
7.Changing Of The Seasons
8.Sun
9.Sleep Alone
10.Something Good Can Work
17:05~ SEKAI NO OWARI(OCEAN STAGE)
そのままオーシャンでついに初めてセカオワのライブを観ることに。
まずバンド周りのスタッフとその楽器の多さに度肝を抜かれました。
サウンドチェックで「アコーディオン~!」という声が聞こえたりするのはやっぱり面白いなと。
客の大移動も活発になり、前方エリアは気合の入ったファンたちですぐ埋め尽くされていきました。
自分はちょうど真ん中くらいのエリアで鑑賞。
DJ LOVEが大太鼓を叩きながら盛り上げる姿が印象的な“炎と森のカーニバル”でスタート。
フェスということもあってまずは知ってる曲でよかった……とホッとしつつ、
最前エリアの今までにない黄色い歓声に圧倒されました。
SaoriとDJ LOVEがそれぞれピアノとDJブースに張り付いてしまうことになる分、
Fukase(Vo.)とNakajin(Gt.)がステージを左右に広く使って積極的にファンサービスをしていました。
少しダークな2曲目“Witch”ではNakajinのセリフもあって、愛嬌のある方なんだなと思ったり。
そして3曲目に“虹色の戦争”がきたのはやっぱり嬉しかったですね……!
高校時代にこの曲をやっているコピバンが沢山あったので懐かしい気分でした。
間奏明けの「青色の空に~」の部分は、今回は丸々Fukaseが歌っていました。
単独公演では客にマイクを向けて歌わせることが多いそうですが、フェス向けの調整ですね。
4曲目の“RPG”ではサビでしっかり大合唱を起こし、
「締め切り間近のときにワクチンの副反応で39度の熱が出てイライラして書いた曲」として
大ヒット曲“Habit”を満を持して投入してきたときの盛り上がりも凄まじいものがあり、
「普段はもっと優しいおじさんです」とはにかむFukaseのMCにもいい意味での余裕が伺えました。
“Rain”から最新曲“ターコイズ”の流れでしっかりと聴かせつつ、
ラストに“Dragon Night”で全員ジャンプ!の祝祭感。しっかりと練られた構成でした。
これは完全な自分語りになるのですが、高校時代が丁度「セカオワ直撃世代」だったこともあり、
当時は「猫も杓子もセカオワかよ!」とあまりいい顔をしていなかった覚えがあって。
ただ実際にライブで観てみると、やっぱり自分もその「世代」の一員としてしっかり楽しめたわけで。
なんだかんだ言って変に斜に構えすぎなくてもいいんだな、と思えた瞬間でもありました。
SEKAI NO OWARI セットリスト
⒈炎と森のカーニバル
⒉Witch
⒊虹色の戦争
⒋RPG
⒌Habit
⒍RAIN
⒎Umbrella
⒏ターコイズ
⒐Dragon Night
18:20~ FALL OUT BOY(OCEAN STAGE)
最後までオーシャンでの鑑賞なわけですが、
さすがにトリまで観るならここで腹を満たさないとマズい……ということで、
昨年も(自分の中で)好評だった、YOASOBIがプロデュースしたカレーでエネルギー補給。
2種類あるカレーのどちらも美味しいので、無茶だけど毎年売りに来てくれとすら思うレベル。
とかやってたらFOBの頭3曲は音漏れ勢にならざるを得ず。
こればかりは仕方ないと割り切ってのんびりゆったり鑑賞。
変に前方じゃない分スペースはあったので、軽いヘドバンもしやすくて楽しく観られました。
セットリストに関してはもう完璧なグレイテストヒッツ!
問答無用で楽しめる楽曲を揃えてきていたので大満足でしたね。
この日のオーシャンで演出に一番気合いが入っていたのも恐らくFOBで、
“Uma Thurman”ではちゃんと『キル・ビル』の映像が、
『ベイマックス』の挿入歌となった“Immortals”では
しっかり映画本編の映像が流れていたのには驚きました。
(PIXAR最新作『マイ・エレメント』の宣伝がライブ前後に流れていたのもこれ絡みなんでしょうか)
そして“My Songs Know What You Did In The Dark (Light Em Up)”では、
ここぞとばかりにド派手なパイロの演出が炸裂!
“I’m on fire!”の歌詞に合わせて噴き出す巨大な炎にみんな大盛り上がりでした!
前日のサマソニ東京の模様もWOWOWで観ていたのですが、
そのときよりも(ライブ補正かもしれませんが)声がよく出ていたように感じました。
特に生で聴いてみたかった“This Ain’t A Scene, It’s An Arms Race”と
“Thnks Fr Th Mmrs”が聴けたので個人的には満足なのですが、
さらに欲を言う余地があるとすれば、
Billy Joelの“We Didn’t Start The Fire”を現代版に書き換えたカバーを最近出していたので、
それも聴いてみたかったなという気持ちも少しあったりなかったり……。贅沢な話ですが。
FALL OUT BOY セットリスト
1.Love From The Other Side
2.The Phoenix
3.Sugar, We’re Goin Down
4.Uma Thurman
5.A Little Less Sixteen Candles, A Little More “Touch Me”
6.Grand Theft Autumn/Where Is Your Boy
7.Fake Out
8.Hold Me Like A Grudge
9.This Ain’t A Scene, It’s An Arms Race
10.Dance, Dance
11.Immortal
12.My Songs Know What You Did In The Dark (Light Em Up)
13.Thnks Fr Th Mmrs
14.Centuries
15.Saturday
19:50~ Blur(OCEAN STAGE)
そしてOCEAN STAGEトリのBlurがついに登場!
Blurとしての来日は9年ぶり、サマソニでの来日は20年ぶりという一大事とだけあって、
前方には気合の入ったファンの方々が集結、今か今かとBlurの降臨を待ち続けていました。
しばらくすると、ステージ上にあった真っ黒の布で覆われていた物体の覆いが外れ、
巨大な”blur”のロゴが姿を現しました!これには皆さん大興奮!
この”blur”のロゴは最終的にステージの一番上にスルスルと引っ張り上げられていき、
曲に連動してカラフルに光るいい仕事をしてくれていました。
定刻から少し経ち、ついにBlurのメンバーが登場!
デーモンとグレアムが並んで歩いている光景だけでも、後追いのファンなのに嬉しくなってきます。
1曲目は最新作“The Ballad Of Darren”(2023)のオープニングトラック“The Ballad”。
デーモンの優しい声で一気にBlurの世界に誘ってくれる素晴らしい一曲。
その次に披露されたデヴィッド・ボウイ風の“St. Charles Square”で、
グレアムのノイジーなギターと共にうねりをもった盛り上がりが生まれはじめます。
これも最新作からの曲ですが、ファンの盛り上がりも上々!新しい定番曲になりそうですね。
アレックス(Ba.)は最前のファンから貰った日の丸と戯れていました。
(ちなみに東京では1曲目が“St. Charles Square”になっており、
“The Ballad”が披露されていない代わりに、終盤に“The Heights”が演奏されています)
そしてすかさずこれまたノイジーな“Popscene”!
オーディエンスの「ヘイヘーイ!」も完璧で、アップテンポで豪快に突き進んでいきます。
続く“Beetlebum”では、その印象的なリフでも会場に大きなどよめきが沸き起こりましたが、
抑制された原曲とは打って変わって、ラストに向かうにつれて暴れまわるような爆音に変貌していく
グレアムのギタープレイがぶっちぎりのハイライトでした。
再びデーモンがピアノに戻り、新譜から“Goodbye Albert”を披露。
上昇→下降のフレーズに導かれる美しいバラードで、新譜の曲の素晴らしさを再確認。
そして“13”(1999)の“Trimm Trabb”に入っていくわけですが、
ライブになるとデイヴ(Dr.)が淡々と刻むリズムのユニークさが際立ちますね。
曲自体も前半は淡白に進みつつ、最後でバンドがギアを一段上げてノイジーなジャムを繰り広げるのが最高にかっこいい!グレアムが結構な高さの開脚ジャンプを決めていたのにも痺れました。
そこから間髪入れずに“Modern Life Is Rubbish”(1993)の“Villa Rosie”へ。
このやたら手数の多いリフも、メロディーラインも、そしてサビも、
ポップなのに何もかも「斜に構えた」感じを出しているところがたまりません。
ここでグレアムが観客に挨拶し、自身がリードボーカルをとる“Coffee & TV”を披露!
バンドに復帰してからも変わらない素朴な歌い方が魅力的。
そしてピュアで儚く美しい歌詞……。前方のオーディエンスは自分含め大合唱。
グレアムと一緒に口ずさみながら、思わず目頭が熱くなるひとときでした。
牛乳パックくんが出てくるMVもまた見返したくなりました。
そして続く一曲はなんと“Country House”!
かつてのオアシス/ブラー戦争のど真ん中に置かれ、ライブでの披露は珍しかったこの曲を、
デーモンがファンサービスしながら歌っている……!というのは、
歴の長いファンの方ほど感慨深かったのではないでしょうか。
続く“Parklife”ではデーモンがステージを下りて、最前列の客にマイクを向けて
“Parklife!”を言わせるパフォーマンスで大熱狂!
ここで一息ついて“To The End”から新譜の“Barbaric”へ。
“To The End”では自分の周り(下手側)で手でハートマークを作る方が続出。
自分の前のラガーマン並みにガタイのいいお兄さんもしっかりハートマーク。
それに倣ってしっかり自分もデーモンにアピール。届いていたら嬉しいのですが。
ここでデーモンが一旦舞台袖へ掃けていき、
MVそのままのFILAのジャージを羽織って“Girls & Boys”に突入!
ファンの皆さんも百戦錬磨、”Girls!””Boys!”のコール&レスポンスにも完璧に対応。
大学でコピーしたはずの自分は普通に2回くらい間違えかけたので頭が下がります。
“love in the nineties was paranoid~”と律儀に過去形で歌うデーモンも最高。
今度は拡声器を取り出したデーモン、アップテンポな“Advert”で叫びまくります。
サビ終わりの”Say something! Say something else!”は一緒に叫ぶと楽しいですね。
テンポがかなり上がって激しさを増していて、ライブでさらに化ける曲でしたね。
そしてその勢いを維持したまま「あの」ドラムパターンに突入、
“Song 2”を待ち侘びた大観衆の”Woo-hoo!”の声が沸き起こり、この日一番のお祭り騒ぎに!
2分と少しのこの曲、引き伸ばすこともせず潔くバシッと終わらせるところもいいですよね。
全員で夢中で飛び跳ねたあの一瞬の時間は、この夏一生ものの思い出です。
ここからはスケールの大きな曲をじっくり聴かせてくれます。
傑作“Parklife”(1994)の実質的なラスト曲“This Is The Low”は、原曲よりキーを下げての披露。
前曲までのエネルギーを受け止めつつ、それを穏やかに野外ステージの広い空間に解き放つ感覚。
サビで両手を高く掲げて、曲に身を委ねる時間がとても気持ち良かったです。
デーモンとグレアムが交互にリードボーカルをとる大曲“Tender”も素晴らしい出来で、
会場があたたかい雰囲気に包まれていきました。
そしてこのタイミングで最新作のリードトラック“The Narcissist”が演奏されたのが驚き。
すっかりBlurのクラシックのような馴染みかたをしていたことも嬉しかったですね。
最後は壮大な“The Universal”で締めくくり、お馴染みの花火と共に今年のサマソニは終了。
(SONIC STAGEのThundercatまで観ると終電がなくなるので泣く泣く断念)
“Tender”とラストの“The Universal”の間という位置に最新曲を置くというのができたのは、
まさに黄金期にいるバンドならでは。
再びこのメンバーで集結して、素晴らしいアルバムを出してくれたことへの喜びをかみしめつつ、
また来年のサマソニではどんな景色が見られるのか、楽しみに待つこととします。
Blur セットリスト
1.The Ballad
2.St. Charles Square
3.Popscene
4.Beetlebum
5.Goodbye Albert
6.Trimm Trabb
7.Villa Rosie
8.Coffee & TV
9.Country House
10.Parklife
11.To The End
12.Barbaric
13.Girls & Boys
14.Advert
15.Song 2
16.This Is A Low
17.Tender
18.The Narcissist
19.The Universal
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