【レビュー】 Blood Mountain / Mastodon (2006)

【レビュー】 Blood Mountain / Mastodon (2006) レビュー
【レビュー】 Blood Mountain / Mastodon (2006)
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Blood Mountain / Mastodon (2006)

米国産プログレッシブメタル、スラッジメタルの巨人Mastodon
1stアルバムの頃から不動のメンバーで進んできた彼らですが、
2025年3月7日、突如として
Brent Hinds(Gt/Vo.)の脱退が発表…..
2022年のDOWNLOAD以来となる日本公演を心待ちにしていたのですが非常に悲しいです。
あの土臭さも幻想的な雰囲気も演出できるギターサウンドは
このバンドの核となるものだと思っていましたし、
今年はWACKEN OPEN AIRへの出演や
Black Sabbathの豪華なラストライブなど、
(いつものことながら)大きな案件も多いので……。

さて、自分がバンドの名前は知っていつつも
大学時代に初めて触れたのがこの“Blood Mountain”でした。

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Blood Mountain / Mastodon (2006)裏ジャケ

1.The Wolf Is Loose 3:34
2.Crystal Skull 3:27
3.Sleeping Giant 5:36
4.Capillarian Crest 4:25
5.Circle Of Cysquatch 3:19
6.Bladecatcher 3:21
7.Colony Of Birchmen 4:20
8.Hunters Of The Sky 3:52
9.Hand Of Stone 3:31
10.This Mortal Soil 5:00
11.Siberian Divide 5:32
12.Pendulous Skin 5:08

日本盤ボーナストラック
13.Crystal Skull [Live] 20:37

輸入盤・日本盤問わず最後の曲の後には15分程度の空白があり、
その後にはボイスメッセージのような声が。
声の主はなんとQueens Of The Stone AgeJosh Homme
7曲目の“Colony Of Birchmen”では彼のボーカルも聴けます。

トライバルなビートに導かれて三連主体で駆け抜ける2曲目
“Crystal Skull”はキャリア屈指の名演。

爆走する1曲目“The Wolf Is Loose”からの超攻撃的な流れはインパクト抜群!

しかし「巧いけどこの激しさで最後まで通されるとしんどいな……」
と、かつての自分は序盤のブルータルさに面食らい一度挫折。
そこから暫くアルバムごと寝かせてしまい、
ここでハマるのが遅れたのは自分の不明を恥じるしかないです。

Blood Mountain / Mastodon (2006)盤面

しかし後々プログレにもブルータルな音にも慣れた耳で今作を聴き直すと、
3曲目“Sleeping Giant”では幽玄の世界が広がっていて驚いた次第。
イントロで飛び込んでくるリバーブのかかったリフですっかりKOされました。

さらに後半になるにつれて、印象に残るメロディもプログレ度も増加していき、
蓋を開けてみると非常に質の高く、面白い一枚でした。
中でも10曲目“This Mortal Soil”は個人的に一押し。

かつての自分、せめて3曲目まで聴いてくれ……と後悔しつつ、
「機が熟す」とはこういうことなんだろうなと思ったりも。
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腰を据えてMastodonを聴いていくと、
今作の立ち位置も見えてきました。
前作“Leviathan”のドライなようでいてまとわりつくような音像も、
モチーフとなった『白鯨』の雰囲気が出ていて勿論好きなのですが、
今作では音がよりクリアになったと共にドラムの超絶技巧が前面に出てきて、
さらなる迫力と聴き応えを生んでいるように感じます。

金字塔と名高い次作“Crack The Skye”(2008)以降は、
抑制のきいたプレイが増えてくるわけですが、
本作での叩きっぷりは圧倒的。
この時期にはこの時期にしかない個性と味があります。

ちなみに“Crack The Skye”の15周年記念盤は昨年発売。

さて、昨年は“Leviathan”(2004)の20周年を記念して、
同じく2004年に“Ashes Of The Wake”をリリースした
Lamb Of Godとのツアーが話題になったマストドン。

2024年はHR/HM界に限らず多種多様なバンド同士のコラボ曲が出ましたが、
ここでのコラボ曲“Floods Of Triton”は強烈でしたね。
アクの強さゆえ曲調がマストドン寄りだったのはご愛嬌、
その推進力の高さとブルータリティには圧倒されました。

果たして2025年の彼らは一体どうなっていくのか……。
バンドは生き物だというのは分かってはいますが辛いところ。
我々は見守るしかないわけですけどもね。

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