日本仕様限定!ボーナスディスクは10曲入りのB面集
![100,000,000 Bon Jovi Fans Can’t Be Wrong… The Premiere Collection [Bonus Disc]](https://tashinami-musiclog.com/wp-content/uploads/2024/05/IMG_5001-1024x768.jpg)
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【レビュー④】100,000,000 Bon Jovi Fans Can’t Be Wrong… The Premiere Collection [Disc 4] (2004)
遂にBON JOVIデビュー20周年BOXを振り返る本企画も最終回!
今回取り上げるのは日本盤にのみ付属のボーナスCDです。

Disc 5はDVDなので、本CDは「Disc 6」という扱いになっているのが盤面からもわかります。
完全に配信にもサブスクにも無いので、何としても手に入れておきたかった一品。
収録曲(Bonus Disc)
1.With A Little Help My Friends [Live ’94]
2.Love Is War [Demo]
3.Borderline
4.Hush [Demo]
5.I Wish Everyday Could Be Like Christmas
6.Save A Prayer
7.Fields Of Fire [Demo]
8.Another Reason To Believe [Demo]
9.Let’s Make It Baby [Demo]
10.The End [Demo]
収録内容は以上の10曲。
“Keep The Faith”(1992)~“These Days”(1996)あたりの時期の曲が大半ですね。
この時期はちょうどCDが売れに売れていた時期でもありますし、
同じシングルでもカップリングの内容が異なる、
バージョン違いのCDのリリースも盛りだくさんでした。
特に“These Days”期は各国で形態・収録曲がバラバラのシングルが多数出ていて、
どこに何が収録されているのかを追うのも一苦労だったりします。
(とはいえ、例えば“Hey God”(CD2)はジョン以外がそれぞれボーカルをとったライブ音源を収録していて面白いですし、カバー曲にもその当時の嗜好が反映されていて集める楽しみはありますが)
それだけバンドにも、CDというメディアにもとんでもない勢いがあった時期なのだなと、
2000年代からの後追いでのファンとしてはしみじみするばかりです。
全曲紹介
1.With A Little Help My Friends [Live ’94]
“This Ain’t A Love Song”(1995)のB面で、今回の収録曲では唯一のカバー曲。
大元はもちろんビートルズですが、これはJoe Cockerによるアレンジバージョン。
ポップで軽やかな曲を、ここではブルージ―なバラードとしてじっくり聴かせてくれます。
ちなみにリッチー・サンボラも自身のソロツアーでアンコールに演奏しています。
2.Love Is War [Demo]
“Living In Sin”(1989)の日本盤のB面。
最初のジョンの語りからじわじわと引き込んでいき、キャッチ―なサビにしっかり繋げる秀作。
現在は2014年に発売された”New Jersey”のデラックス盤に収録されています。
(当初の構想では”Sons Of Beaches”なる2枚組アルバムになるはずだったのは有名な話)
3.Borderline
1986年に日本限定で発売された同名のシングルから収録。
名盤“Slippery When Wet”(1986)のアウトテイクです。
こちらはジョンとデヴィッドの共作で、2ndと3rdの中間の音楽性といった感じのハードロック。
キラキラしつつもどこか哀愁の漂うキーボードのサウンドは流石、
サビがタイトル連呼系なのがちょっと勿体ない気もしますがこれもいい曲。
4.Hush [Demo]
こちらは一気に時代が下って“It’s My Life”(2000)のB面、ジョンの単独作。
スッキリしたバンドサウンドに爽やかなジョンの歌唱が乗って、リラックスして聴ける一曲。
デヴィッドがバックで弾いているオルガンの音が良いアクセントになっています。
5.I Wish Everyday Could Be Like Christmas
ドン・ヘンリーのカバーの表題曲を含むクリスマスソング3曲を収録したシングル、
“Please Come Home For Christmas”(1994)の2曲目に収められた一曲。
(“Keep The Faith”のシングルのカップリングとしても収録)
アルバム未収録なので見過ごされがちなのが勿体ないほどの素晴らしいバラードなので、
未聴の方はこれを機に是非とも聴いていただきたいところ。
ちなみにクリスマスソングが大好きなジョン、これだけにとどまることなく、
近年だけでもジョン名義でのシングル“A Jon Bon Jovi Christmas”(2020)や、
BON JOVI名義の新曲として“Christmas Isn’t Christmas”(2023)をリリースしています。
6.Save A Prayer
こちらは“Keep The Faith”(1992)の日本盤ボーナストラックと同じ音源。
ジョンとリッチーの共作で、ストリート感のある独特な始まりから、
一転してクールなギターリフと低音のボーカルが入るこの雰囲気は唯一無二のもの。
まさに90年代の空気感をうまくパッケージングしたような、この時期ならではの隠れた名曲。
アルバムに組み込むには個性が強すぎた、という感じでしょうか。
7.Fields Of Fire [Demo]
“These Days”(1996)の時期のデモ音源。“Hey God”(CD1)のカップリング。
この曲はジョンの単独作で、どこかエキゾチックなギターリフが耳に残る一曲。
8.Another Reason To Believe [Demo]
こちらは8th“Bounce”(2002)のリードトラック“Everyday”(CD2)のカップリング。
9.11に強く影響された時期ならではの、地に足を付けつつもポジティブなメッセージを歌い上げる熱さと、”Hallelujah, baby!”のキメが印象的。
9.Let’s Make It Baby [Demo]
再び“Hey God”(CD1)のカップリング。
妖しげなベースラインにジョンのセクシーな歌唱が乗る一曲。
6分20秒というこのバンドにしては中々の長尺で、中盤では珍しくインプロっぽい箇所も。
“These Days”期における脂の乗りきったバンドの演奏力もしっかり楽しめます。
10.The End [Demo]
最後はジョン・リッチー・デヴィッドの共作。こちらは“These Days”(日本盤)から。
柔らかい雰囲気に包まれるミッドテンポの曲で、ヒュー・マクドナルドのベースも絶妙。
ということで以上10曲が日本盤ボーナスディスクの内容でした。
このCDをもってしても、この時期のB面曲が網羅できているわけではないですし、
欲を言えば“Say It Isn’t So”のB面の秀作“Stay”が入っていれば……と思わなくもないですが、
シングルがとにかく多いバンドだけに、日本のファンに向けた嬉しいプレゼントでした。
しかしこうして20周年記念ボックスの収録曲を駆け足で振り返ってみると、
BON JOVI関連はB面曲・未発表曲も素晴らしい曲ばかりだと改めて気づかされました。
ニューアルバム“Forever”を引っ提げての、2018年以来の来日公演にも期待したいところ!
そしてこちらは同年発売のオールタイムベスト。

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