【レビュー】4 / Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators (2022)

【レビュー】4 / Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators (2022) レビュー
【レビュー】4 / Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators (2022)
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3月頭にいよいよスラッシュが来日!!当方大阪公演参戦します!
ということで、現時点での最新作“4”(2022)の感想でもつらつら書いていきます。

4 / Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators (2022)
4 / Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators (2022)

Alter Bridgeやソロキャリアでもコンスタントに活躍を続けるマイルス・ケネディ。
突き抜けるハイトーンだけでなく優しい歌声も魅力的な彼とスラッシュが出会ったのは、
Slash’s Snakepit解散後久々にリリースされたソロアルバム“SLASH”(2010)でのこと。
錚々たるボーカリストたちを集め、楽曲の良さを最大限に活かす手腕を存分に示した傑作ですが、
このアルバムで唯一“Back From Cali”“Starlight”の2曲を歌ったのがマイルスでした。
そしてその後のツアーでも彼がボーカリストを務め、そのままバンドとして活動することに。

次作“Apocalyptic Love”(2012)では”Slash Feat. Myles Kennedy”名義でしたが、
続く“World On Fire”(2014)以降は”Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators”という、
現在まで続く長いバンド名となっています。

そして今回の“4”というアルバムタイトルが発表されるまでは、
前作“Living The Dream”(2018)が4枚目だと思ってた!というファンは自分だけではないはず。
最初は普通にちょっと混乱しましたが、マイルスとがっちり組んだこのバンド、
コンスピレイターズの活動の原点が“Apocalyptic Love”(2012)だと規定されたことで、
単なる記号的なタイトルにとどまらない意味合いを帯びている、と言うこともできますね。

今作のプロデューサーはRival Sonsの諸作での仕事でもおなじみデイヴ・コブ。
今回のタイトルを“4”にすることを進言したのは実は彼だったりします。
バンドがデイヴと組むのは今回が初になりますが、マイルスはインタビューで、
その仕事の速さとライブ感を重視したアプローチを称賛していました。
実際、前作までのある程度整った音像と比べると、
今作はラウドなギターと、目の前で弾いているかのような質感が印象的な一枚でもあります。

4 / Slash Feat. Myles Kennedy & The Conspirators (2022)
封入ピック

ちなみに今作はギブソンがナッシュビルに立ち上げたGibson Recordsのアルバム第一号。
それもあってか、スラッシュ仕様のピックが封入されているちょっと嬉しいつくり。
ただ、このレコード会社変更が原因だったのかは分かりませんが、
今作は2月発売だったにもかかわらず、日本盤のリリースは4か月遅れの6月でした。
その代わり特典の映像・音源はたっぷり付いていたようですが、スラッシュほどの格のアーティストの日本盤が全然出ないとは!と伊藤政則先生が当時相当嘆いておられたのを思い出します。

収録内容は以下の通り。
10曲入りという今までで一番コンパクトで潔い構成です。
1.The River Is Rising 3:43
2.Whatever Gets You By 3:40
3.C’est La Vie 4:38
4.The Path Less Followed 3:41
5.Actions Speak Louder Than Words 4:02
6.Spirit Love 4:15
7.Fill My World 5:28
8.April Fool 4:33
9.Call Off The Dogs 3:16
10.Fall Back To Earth 6:23

4
Amazon.co.jp: 4: ミュージック

1.The River Is Rising

今回のツアータイトルにもなった先行シングル。本作では一番新しい曲なんだとか。
リフの質感からもう前作までとは違う雰囲気で、音が塊になって迫ってくるのは迫力満点。
ラストにかけて勢いよく加速していくパートもかっこいい!

2.Whatever Gets You By
ドラムから怪しげなリフに流れ込んでいくのがクール。
スピーディーな前曲ラストとは打って変わってヘヴィなグルーヴが支配する一曲で、
後半のギターソロ前のマイルスの強烈なシャウトも聴きどころ。
前作でも2曲目にグルーヴィーな“Serve You Right”が置かれていたのを彷彿とさせます。

3.C’est La Vie

「セーラーヴィー!」のコーラスがキャッチ―な曲。ライブでも一緒に歌えそうです。
スラッシュは曲の大部分で、トークボックスを使用して演奏しています。

4.The Path Less Followed

「通ってきた人の少ない道を行け!」と力強く背中を押してくれる爽やかな曲。
“World On Fire”(2014)のツアーの時点で大まかなリフやコード進行はできていたそうです。

5.Actions Speak Louder Than Words

ワウをねっとり効かせたイントロやコーラスとは対照的に、
ヴァースに入ると王道のロックンロールなのが面白い曲。
この曲のソロはスラッシュ曰く完全にインプロだそうですが、入りから完璧な素晴らしい出来。

6.Spirit Love

妖しいオリエンタルなフレーズが印象的な一曲。歌詞もその印象に違わず淫靡で良いですね。
冒頭でスラッシュはエレクトリックシタールを弾いています。

7.Fill My World 5:28

“Sweet Child O’ Mine”を彷彿とさせる単音のリフの時点から引き込まれる一曲。
マイルスが自分を待つ愛犬の目線で歌った歌詞と、流れるような美しいメロディにグッときます。
個人的には本作のハイライト。文句なしの傑作です。

8.April Fool

ジャムセッションから発展していった一曲。リフの音の運びもクールです。
コーラスのメロディもこれぞマイルス!といった感じで楽しいですね。
ちなみに制作過程ではデイヴの助けで一気に完成にこぎつけられた、とのこと。

9.Call Off The Dogs

終盤のこのタイミングでエネルギッシュな疾走曲が登場!これはかなりライブ映えしそう。
トッド・カーンズのベースが前面に出ているのも聴きごたえ抜群。
ちなみに”Call Off The Dogs”は「攻撃するのを止めさせる」という意味。要は降伏宣言です。

10.Fall Back To Earth

ラストはスラッシュの泣きのメロディが心ゆくまで堪能できる壮大なバラード!
冒頭の時点で「この曲は違うぞ」と思わせる風格が漂っています。
コンパクトな今作にあって、この曲は唯一6分台でたっぷり聴かせてくれます。
3分20秒過ぎのパートで一度落ち着かせて、そこからだんだんと熱を帯びてソロに突入するという曲構成も見事!ライブでもきっと見せ場となるであろう素晴らしい一曲です。
感情を入れつつもくどくならないマイルスの声の魅力とうまさにも改めて気づかされます。

これを書くために改めて通しで聴いてみましたが、
やっぱりスラッシュ、そしてマイルスの表現力は流石だと再認識。
毎度ライブでは原曲以上にパワーアップした演奏が楽しめるので、今から楽しみです!
ちなみにスタジオ盤ではコーラスを一部担当しているベースのトッド・カーンズもかなりの歌唱力の持ち主。彼がボーカルを数曲任される時間も楽しみのひとつだったりします。

4
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