5年に1度のページ大幅増!40周年記念号はメイデン特集
いつの間にやら夏も終わりが近づいてまいりましたが、
お読みの各位は年間ベストアルバムの目星はついてきましたでしょうか。私はまだです。
そもそも年間のベストどころか旧譜でも聴き込めていないものが多すぎる身としては、
9月5日発売のハードロック・ヘヴィメタル専門誌BURRN!の最新号は大事な情報源。
今月号は「創刊40周年記念超特大号」と題して、いつもよりはるかに分厚い352ページ!
背表紙つきの分厚い装丁で、編集部が総力を挙げてHR/HMの歴史を振り返る特別仕様。
普段はホチキス留めになっているのを考えるととんでもない大盤振る舞いです。
ちなみにこの分厚さになったのは2014年発売の30周年記念号から。
30周年→35周年→40周年と、5年おきに出し続けて今回が3冊目となります。

歴代の超特大号を並べてみるとこんな感じ。
MR. BIG→HELLOWEEN→IRON MAIDENという並びは壮観ですね。

背表紙はこんな感じ。
メイデンのロゴは横に長いので若干他の字も下に寄っています。

さて、今月の特集は9月に来日公演を控えたIRON MAIDENのリーダー、
スティーヴ・ハリス(Ba.)の独占インタビュー。
最新作“SENJUTSU”(2021)のタイトル曲や、
後半の“Death Of The Celts”以降の長尺曲3曲など、
アルバムの中でもハイライトとなる主要な楽曲を作ったスティーヴでしたが、
彼自身がインタビューに答えることはなかったので貴重な資料です。
“SENJUTSU”という日本語を前面に押し出したアルバムタイトルについて、
そして並行して来日するBRITISH LIONのことについても勿論触れられています。
ツアー中のルーティーンに関してのくだりは、
スティーヴという人の無尽蔵の体力に圧倒される内容なので必読。
体力の話ではブルース・ディッキンソン(Vo.)がフォーカスされがちですが、
よくよく考えずとも、スティーヴ・ハリスもまた紛れもない超人のひとり。
成功者に備わっているのはやはり体力なんだな……、と思わされます。
インタビューのあとには、B!誌の特集号ではお馴染みの“IRON MAIDEN A to Z”も完備。
メイデン周りの人名やアルバム・主要な楽曲についての解説がついています。
(”Q”の項目なんかに漂う若干無理やり捻り出してきた感もポイント)
40周年となる今回のメインコンテンツは、
創刊号から最新号までの歴代BURRN!の振り返り。
歴代の表紙とともに、その号の目玉記事やポスターになったアーティスト、
その時々のHR/HMニュースの紹介がズラリと並ぶ構成になっています。
30周年、35周年記念号はどちらかというとHR/HMニュースがメインだったのですが、
今回はそれと比べると「BURRN!そのもの」に対して思い入れがある方向けといった趣。
歴代の表紙と特集の変遷からは時代性と雑誌のカラーを存分に感じられますし、
思い出の号がある方には懐かしく感じられること請け合い。
編集部や外部ライターの方による、創刊以降のおすすめアルバムも今回は無し。
個人的にはこれで興味を持ったアルバムも数多くあったので残念なのですが、
とは言えこれに関しては、前回から5年しか経っていないこともあり、
似たような顔ぶれになるのも致し方ないような気もするので複雑なところです。
次回があれば復活希望……!
あとの見どころはMR. BIGの2025年2月の再来日についての言及が既にされていること。
ウド―音楽事務所から興行の発表がされたのも同じ週なので、
だいぶ前から編集部には情報がいっていたとみるのが自然でしょうね。
この再来日を知った状態で、
再度“Ten”(2024)発売時のインタビューを読むのも乙な楽しみ方かもしれません。
なんだかんだ言いつつも、好きなバンドの記事が載ると買ってしまうB!誌。
日本におけるHR/HM受容のメインストリームを体系的に捉えられる資料なのは間違いないので、
ちょっと遅い夏休みの楽しいお勉強目的にもいかがでしょうか。
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