阪神・淡路大震災の被災者に捧げられた美しいバラード

デンマークの誇るネオクラシカルメタルRoyal Huntの、
3rd“Moving Target”(1995)からのシングル。
何と言ってもこの曲“Far Away”は、阪神・淡路大震災の被災者に捧げられた特別な一曲。
歌うのはここから本格的に参加したヴォ―カリスト、D.C.クーパー。
彼の情感豊かで胸を打つ、温かみのある歌唱を存分に味わえます。
メンバー
André Andersen (Key.)
D.C. Cooper (Vo.)
Steen Mogensen (Ba.)
Kenneth Olsen (Dr.)
Jacob Kjaer (Gt.)
収録内容

- Far Away 5:00
- Double Conversion 4:19
- Intro – Wasted Time [Live] 6:30
- Flight [Live] 4:38
- Stranded [Live] 4:56
- Epilogue [Live] 7:38
ライブ後の彼らを捉えた写真の下には、赤い文字で
「Royal Huntはこの“Far Away”を神戸の深刻な地震で親類や友人を失った人に捧げます」
というメッセージが記されています。
ちなみに本曲は、2011年の東日本大震災の後にも日本のファンのために歌われ、
マーキー/アヴァロンのチャリティアルバム
“One For All, All For One”(2011)でアコースティックバージョンが収録されました。
2曲目“Double Conversion”は、当時はここでしか聴けなかったネオクラシカルなインスト。
(現在は”Moving Target”や20周年ベストのボーナストラックとしても聴けます)
アンドレのシンセ主体で、1stや2ndの曲と比べるとどこか洗練された重厚感があり、
以降の重厚長尺になっていく音楽性の変化を予感させるような一曲。
インストと言いつつ歌メロが入りそうな隙間もありますね。
そしてここにはD.C.クーパー加入時の初来日公演の音源も収録!
1995年1月のクラブチッタで収録されたとのこと。
来日公演直前で突然のボーカル交代、ということで
当時のファンの方々の衝撃は大きかったそうですが、
ここからバンドの顔として活躍していくD.C.の見事な歌唱は話題を呼び、
彼らの日本でのさらなる飛躍の大きな要因となっていきます。
前任のヘンリック・ブロックマンの歌唱の魅力が
「適度な荒さの中に垣間見える独特の艶」だとするならば、
D.C.の歌唱はとにかく「うまい」という一言に尽きます。
ねっとりしているようにも聞こえる歌唱ですが過剰なくどさは無く、
抜けるようなハイトーンも自在に操りながら曲を自分のものにしていく実力は本当に見事。
2nd“Clown In The Mirror”でのヘンリックの声の魅力に取り憑かれた自分でも、
やっぱりD.C.の実力は物凄いなと改めて感嘆してしまうほど。
ライブが進むにつれてテンションも上がって喉も温まったのか、
特に“Stranded”と“Epilogue”でのボーカルは本当に見事。
メロディを丁寧になぞって歌い上げる箇所とハイトーンでさらにアレンジする箇所、
そのバランスのよさに彼のセンスを感じます。
ちなみに本作、サブスクには無いぞ……と長らく思っていましたが、
“Moving Target”の後ろにボーナストラックとして収録されていました。
3rd“Moving Target”発表後の来日公演を収めた2枚組ライブアルバム“1996”では、
ここで聴ける音源以上にバンドに馴染んだ「D.C.無双」とも言うべき歌唱がたっぷり味わえます。
こちらも必聴盤!
バンドの顔として長く活躍することになるD.C.クーパーの記念すべき初登場。
前回の来日の際にはケガに伴うお休み期間でマーク・ボールズが代打でしたが、
最新EP“Behind The Curtain”(2025)では再び元気な歌唱を聴かせてくれています。
最新EPはこちら。
マーク・ボールズによる“Paradox”(1997)完全再現というレアな来日公演の模様はこちら。
おまけ

このCD、購入時はこんな感じでケースの上にマジックで丸印が。
前の持ち主の人FlightとStranded好きやったんやな……分かるで……
(ケースは替えましたが)

