【レビュー】 The Dio Album / Paul Gilbert (2023)

【レビュー】 The Dio Album / Paul Gilbert (2023) レビュー
【レビュー】 The Dio Album / Paul Gilbert (2023)
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金欠から目を逸らしつつAmazonを見ていると気になっていたアルバムが安くなっていたので即購入。後悔などあろうはずがありません。

The Dio Album / Paul Gilbert (2023)

The Dio Album / Paul Gilbert (2023)

Racer XMR. BIGのギタリストとして広く知られるポール・ギルバート。
彼が2023年にリリースしたのが、
故ロニー・ジェームス・ディオへのトリビュートアルバム、
その名も“The Dio Album”

ロニーのボーカルラインを全てギターでカバーするという野心的なインスト作で、
ドラム以外は全てポールが担当するDIYぶり!
本当はドラムも達者なポールですが、
今回は本職のBill Ray(勿論ロニーの大ファン!)に譲っています。

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1.Neon Knights 4:45
2.Kill The King 4:52
3.Stand Up And Shout 3:19
4.Country Girl 3:59
5.Man On The Silver Mountain 4:20
6.Holy Diver 5:18
7.Heaven And Hell 6:27
8.Long Live Rock And Roll 4:27
9.Lady Evil 4:28
10.Don’t Talk To Strangers 5:07
11.Starstruck 4:11
12.The Last In Line 5:57

日本盤ボーナストラック
13.Love Is All 3:37

今作はなんと言ってもロニーの所属した時期の
RainbowBlack Sabbath、そしてDIOから満遍なく選ばれた名曲揃いなので、
否応なしにテンションも上がろうというもの。
と言いつつサバスの“Mob Rules”からは“Country Girl”をセレクトしているあたり、
並々ならぬこだわりを感じさせます。
ちなみに内訳は以下の通り。几帳面にまんべんなく4曲ずつ選曲しているんですね。
Rainbow:#2, #5, #8, #11
Black Sabbath:#1, #4, #7, #9
DIO:#3, #6, #10, #12

日本盤ボーナスにはロニーが歌ったロジャー・グローヴァーの曲
“Love Is All”のカバーを収録。マニアだ……

ポール自身によるライナーノーツも読み応え抜群、
「たまたまDIOのキャップを被った人を見かけたことがアルバム制作のきっかけ」
というのも面白いですし、裏ジャケのロニーにメロイックサインを捧げるポールの写真は、
まさにハードロック少年そのものでどこか微笑ましい!

The Dio Album / Paul Gilbert (2023)裏ジャケ

ロニーのボーカルをギターで再現するにあたって、時には原曲をスロー再生しながら、
細かな歌い回しを丁寧に分析して自身のプレイに落とし込んだというので頭が下がります。

ギタリストとしてリッチー・ブラックモア、トニー・アイオミ、ヴィヴィアン・キャンベルといった
それぞれの名手たちのニュアンスを体得すべく研究したのも見事ですし、
おまけにギターのみならずベースも担当しているのは流石。
(要するに“Lady Evil”のイントロもポール)

1曲目の“Neon Knights”の歌メロの一音目が、
不思議としっかり”Oh〜!”に聴こえてきて驚くなど。
個人的には隙間を活かして風格をしっかり感じさせてくれる“Holy Diver”
跳ねるリズムがインストでも楽しい“Long Live Rock And Roll”も気に入っています。
そしてヴィヴィアン・キャンベルに負けじと全編にわたり弾きまくる
“Don’t Talk To Strangers”は圧巻の一言。

The Dio Album / Paul Gilbert (2023)盤面

やっぱり声が無いと物足りない……という意見もありそうですが、
それもそれでロニーの存在感の大きさを感じさせられて、
実に良いトリビュートになっているのではないかと感じます。
せっかくなら“Rainbow In The Dark”も聴いてみたかったなという贅沢な悩みもありますし、
“We Rock”なんかはやっぱりザクザクしたギターの中でのロニーの叫び一発のサビがキモだからこそカバーされないのかな……という邪推までしたくなります。

「豚骨ラーメンを頼んだら豚骨ラーメンが出てくる」ような一枚なので、
大きなサプライズこそないかもしれませんが、
研究熱心なポールの永遠のロック少年ぶりを味わえる好盤。

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ポールが近年熱心に探求を続けているのが
「歌メロをギターにどのように落とし込んでいくか」というテーマ。
オリジナル3曲、往年の名曲のインストカバー8曲からなるアルバム
“Stone Pushing Uphill Man”(2014)で本格化したこの試みですが、
本作“The Dio Album”(2023)もこの系譜にあるものだと解釈しています。
(こちらも良いアルバムだったので是非)

MR. BIGのラストツアーで2度来日した際は、自身のギターソロタイムに
“Nothing But Love”“Stay Together”を披露し、
「ギターを歌わせる」真髄を披露してくれました。
実際に生で聴いてみて、なるほど今のポールがやりたいことはこれなのか……!と、いたく感動した次第です。

ラストツアー(2023)大阪公演

ラストツアー(2025)大阪公演

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