【レビュー】 METAL FORTH / BABYMETAL (2025)

【レビュー】 METAL FORTH / BABYMETAL (2025) レビュー
【レビュー】 METAL FORTH / BABYMETAL (2025)
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METAL FORTH / BABYMETAL (2025)

BABYMETALのニューアルバム“METAL FORTH”が8/8に発売!
もとは6/27に発売予定だった今回のアルバム、
海外リリース日変更に伴い1か月半ほど延期してのリリースと相成りました。
日本のアーティストでありながら、水曜日ではなく世界標準の金曜日に一斉発売を仕掛けている辺りにもべビメタらしさを感じます。
個人的には新譜でべビメタのアルバムCDを買うのは初だったので高揚感も大きめ。

そして今作、タイトルにもあるように
ディスコグラフィとしては「4thアルバム」という扱い。
前作“THE OTHER ONE”(2023)
「パラレルな世界線でのコンセプトアルバム、スピンオフ」
なのは以前から明言されていたことではありますが、
今作の発売によって「こちらが正史です!」というのがより明確になった形。

何と言ってもYUIMETAL込みの初期3人体制が崩れたのち、
サポートを務める”アヴェンジャー”のひとりとしてべビメタを支えてきた岡崎百々子さんが“MOMOMETAL”として加入してから初のアルバム!という記念すべき作品。
「新生BABYMETAL」としての自信に満ちあふれた一枚といえます。

シリアスなムードも強かった“THE OTHER ONE”と比べても、
ここに収められた豪華なコラボレーションの数々とカラフルな楽曲群は、
まさに3rd“METAL GALAXY”(2019)の流れをくむものとなっています。

と言いつつも、“Divine Attack – 神撃 -“で初めて作詞を行ったSU-METALが、
本作においては最終曲“White Flame -白炎- “でとうとう作曲に名を連ねたように、
アルバムには本人たちの一貫した成長もぎっしり詰まっています。
サマソニ2025で是非とも大暴れしてほしいところ!(サマソニ大阪の前夜に一気に書いています)

METAL FORTH / BABYMETAL (2025)裏ジャケ

1.from me to u (Feat. Poppy) 3:25
2.RATATATA (BABYMETAL x Electric Callboy) 3:37
3.Song 3 (BABYMETAL x Slaughter To Prevail) 3:34
4.Kon! Kon! (Feat. Bloodywood) 3:55
5.KxAxWxAxIxI 2:36
6.Sunset Kiss (Feat. Polyphia) 3:33
7.My Queen (Feat. Spiritbox) 3:21
8.Algorism 3:37
9.メタり!! (Feat. Tom Morello) 3:28
10.White Flame -白炎- 4:25

トラックリストを見るだけでも、
「このコラボレーションの豪華さを見よ!」と言わんばかりの錚々たる面子。
世界各地で実力を発揮しながらお友達を作ってきた成果か、
ここでのコラボ先のアーティストを押さえておけばトレンドを掴めるのでは?
と思うくらいにはキュレーターとしての役割も果たしています。

SUMMER SONIC 2023で当時の新曲として披露された“メタり!!”や、
キャリア屈指のキャッチ―さで話題をさらった
Electric Callboyとの強力コラボ“RATATATA”といった既存のキラーチューンにも負けないような、「濃い」曲が居並ぶ一枚に。

1.from me to u (Feat. Poppy) 3:25

新譜発表とともに公開された1曲目はPoppyとのコラボ。
コーラスの「君に届け~」が耳に残るポップな一曲ですが、
きらびやかな中にシャウトもブレイクダウンも完備!というのはアルバムの縮図のよう。
作曲者は複数人体制ですが、その中には(しれっと)元BMTHのJordan Fishがいたりも。

2.RATATATA (BABYMETAL x Electric Callboy) 3:37

歌詞のとおり問答無用でブチ上げてくる最強コラボにして、
昨年のシーンを見回してみても屈指のキラーチューン!
MVでのMOMOMETALの馴染みっぷりとファニーな魅力も話題をさらいましたね。
“RA-TA-TA-TA-TA-TA!”の手の振りは思わずマネしたくなります。

3.Song 3 (BABYMETAL x Slaughter To Prevail) 3:34

特攻服のビジュアルも話題になったこの曲、
1st収録の“4の歌”を思い出す方もきっと多いはず。
ボーカルの加工も初期を彷彿とさせる雰囲気ですが、
キュートな歌とブルータリティの共存がより圧倒的な迫力になっているのが見てとれます。

4.Kon! Kon! (Feat. Bloodywood) 3:55

今年のジャパンツアーも好評だったインドのBloodywoodとのコラボ。
彼らの新譜“Nu Delhi”(2025)にもコラボ曲“Bekhauf”があるので二度おいしい。
インド風味の曲調にもかかわらず歌詞は和風、というごった煮具合が流石の一曲。
Bloodywoodのラップメタル要素もしっかり完備の充実ぶりですし、
インド要素でいえば3rd収録“Shanti Shanti Shanti”と聴き比べるのも一興。
SU-METALの地声-裏声の切り替えがさらに上達しているのでは?と思えるのも恐ろしい。

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5.KxAxWxAxIxI 2:36

作曲・編曲にPaleduskのDAIDAIが参加。
“わたしKAWAII”のフレーズを軸にしつつビートの重みで楽しませてくれる一曲。
聴くたびに癖になってくる感覚は曲名も相まって3rd収録の“BxMxC”を思わせます。

6.Sunset Kiss (Feat. Polyphia) 3:33

こちらはPolyphiaとのコラボ!
前曲の重いビートからこの軽やかさへ移行していく、このギャップがたまりません。
このアルバムの中でも身を乗り出したくなる瞬間の一つ。
サビの透き通るような裏声の使い方が流石。

7.My Queen (Feat. Spiritbox) 3:21

カナダ出身・着実に人気を獲得しているSpiritboxとのコラボ。
4拍子でダンサブルながらかなり重いサウンドですが、重み一辺倒にならないのも魅力。
中盤の迫力あるコートニーのシャウトからSU-METALの歌唱に移るパートが聴きどころ。

8.Algorism 3:37

ここで正統派疾走曲が登場!
「そう愛はアルゴリズム~」のコーラスは初聴でも歌いたくなること請け合い。
歌詞ともリンクしたピコピコサウンドが耳に心地よい一曲。個人的には大好き。

9.メタり!! (Feat. Tom Morello) 3:28

今作収録曲の中では一番早くに発表された曲ですが、このポジションにジャストフィット!
オジーのラストライブでも音楽監督を務めるなど、
トム・モレロのフットワークの軽さには脱帽するばかり。
あの「お祭りマンボ」から大胆に拝借したような
「そーれそれそれどっこいしょ!」のコーラスも、
(やたらとラフな服装で登場する)トム・モレロの変態ギターソロも、
集まった「ニキさんネキさん」含めて全て吞み込んでいく音の奔流。
渾然一体となったエネルギーの塊のような、摩訶不思議な一曲。
これも全て「祭り」がもつ大らかさとパワーなのではないかと思うのです。

10.White Flame -白炎- 4:25

そしてラストに満を持してSU-METALの作曲した曲が登場!
この形式のタイトルのときは決まって正統派メロスピが飛んでくるものですが、
その期待に見事応える素晴らしい出来でした!
多様なメタルの未来を背負いながら、
ともすれば雑多なままで終わってもおかしくないような濃い楽曲集を、
本人の紡いだメロディでもってビシッと締めてくれました。必聴!

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