土曜にふらっと隣町のブックオフまで足を伸ばしてみた結果、
なかなかタイムリーなアルバムをゲットできました!
・…The Stories We Could Tell[初回限定盤]/ MR.BIG (2014)
・The Magic Whip / Blur (2015)
・Radio Free America / RSO(Richie Sambora + Orianthi) (2018)
・Undiscovered Soul[International Edition]/ Richie Sambora (1998)
…The Stories We Could Tell[初回限定盤]/ MR.BIG (2014)
“The Big Finish FAREWELL TOUR”と銘打ったラストツアーで、2023年7月に来日のMR.BIG。
(本記事執筆中がまさにジャパンツアーの真っ只中、なんなら大阪公演前夜なのでものすごく楽しみ)
このアルバム“…The Stories We Could Tell”(2014)は、バンドのキャリアの中でもとにかく難産だった一枚。
パット・トーピー(Dr.)のパーキンソン病の発覚に伴い、
プログラミングでドラムパートを仕上げることで完成させた8thアルバムです。
パットのペンによるアコースティックナンバー“East/West”が特に人気の一枚です。
さて、今回ゲットした初回限定盤には、バンドの25周年特別企画として
1st“MR.BIG”(1989)~4th“Hey Man”(1996)までの期間の代表曲の再録ベストが付属。
帯などを見る限りは曲順は未定だったようですが、結局は時系列順に。
キーは半音下げで、パットのドラムパートは打ち込みになっていて、
“Colorado Bulldog”や“Take Cover”といったパットの複雑なドラムパターンが特徴的な曲では、いかにパットが一音一音のニュアンスに変化をつけていたかを感じさせてしまうところも否めません。
とはいえやはり長年ライブパフォーマンスを重ねていた名曲、安定と信頼の出来でした。
また、この手のベスト的なアルバムの中に“Out Of The Underground”が入ったのは珍しく、その点でも面白く聴けました。
1.Addicted To That Rush
2.Rock & Roll Over
3.Daddy, Brother, Lover, Little Boy (The Electric Drill Song)
4.Green-Tinted Sixties Mind
5.Just Take My Heart
6.To Be With You
7.Colorado Bulldog
8.The Whole World’s Gonna Know
9.Take Cover
10.Out Of The Underground
The Magic Whip / Blur (2015)
続いてはこちらも新譜“The Ballad Of Darren”が2023年7月21日に発売、
さらにSUMMER SONIC 2023のヘッドライナーの一角として話題を振りまく
ブリットポップの雄Blurが、2015年に久々にリリースしたアルバム。
前作にあたる“Think Tank”(2003)ではグレアム・コクソン(Gt.)が脱退していたため、
4人そろってのアルバムは“13”(1999)以来16年ぶりということになっていました。
来日公演がキャンセルになった際に香港でジャムセッションを行った素材がもとになったアルバムということもあり、アジアンテイストも盛り込まれた仕上がり。
Whip(ホイップ)とWhip(鞭)の同音異義語のタイトルが効いています。
(ここでの「鞭」には「花火」の意味もあるとのこと)
歌詞は香港の民主化運動に影響を受けたものや、今の社会の暗部にも目を向けるようなものも多く、
この点は6ページにわたる日本盤ライナーノーツが理解の助けになってくれています。
Blur、特にデーモン・アルバーン(Gt, Vo.)の政治へのまなざしに関しては、
最新作“The Ballad Of Darren”(2023)にもつながるところなので、
しっかりと歌詞・曲ともに味わいながらサマソニに備えたいと思います。
現時点のお気に入りはスロー・ファンク調の曲にグレアムのギターが冴えわたる“Ghost Ship”。
日本盤ボーナスのインスト“Y’All Doomed”もクールです。
Radio Free America / RSO(Richie Sambora + Orianthi) (2018)
元BON JOVIのギタリストのリッチー・サンボラが、オーストラリアのギタリストオリアンティと交際、
そこから2人でRSO(Richie Sambora + Orianthi)を結成して生み出した現時点で唯一のアルバム。
リッチーとオリアンティがツインボーカルで豪快に曲を盛り上げていくというなかなか面白い作品で、
もっと雄大なカントリー調になるのかと思いきや、全体的な音としてはモダンな仕上がり。
通常盤でも15曲入りという大ボリュームで、
9曲目の“Together On The Outside”のボーカルにはアリス・クーパーが参加していたりもします。
尺が少々長いこともあり、これぞ!という決め手には欠けるか…という印象ですが、
BGMとして流しているとハッとさせられる瞬間も多いです。
いつの間にか本アルバムがサブスクから引き上げられていたため、
やはりフィジカルで所持しておくべきか……と思い購入。
クレジットを見ると、プロデューサーのボブ・ロックが、
裏で鳴っているインダストリアルな音のプログラミングをやっていたり、
ところどころでギターやベースを弾いていたりとかなり活躍していました。
15曲中12曲では、ドラムがポール・マッカートニーのバンドで長年叩いている
エイブ・ラボリエルJr.だったのも新たな発見でした。
(7曲目“I Don’t Want To Have To Need You Now”のドラムにはジョシュ・フリースが参加)
Undiscovered Soul[International Edition]/ Richie Sambora (1998)
さて、こちらはリッチーがBON JOVI在籍中に仕上げた2ndソロアルバム。
BON JOVIでも聴かせてくれていたアメリカの大地を感じられるギターと、
力強くも優しくも響く、深みのあるリッチーのボーカルの両方が味わえる傑作です。
日本盤は前年の1997年に先行で発売されましたが、そこからさらに曲順を変えたり、
楽器を増やしたり、アウトロを削ったりといったブラッシュアップを施し、
いわば「完成版」という趣となったのがこの海外盤。
ジャケットも変更されています。
全体的なミックスもかなり変わっていますが、特に顕著な変更としては、
4曲目“If God Was A Woman”に、特徴的なブルースハープの音が加わったことと、
5曲目“All That Really Matters”がフルバンドでのバージョンになったことでしょうか。
どちらも曲の印象がガラッと変わるくらいの変化なので、
日本盤しか聴いていない、という方は要注目です。
また、曲順の変更もバッチリはまっていて、
ラストが“Who I Am”からタイトルトラックの“Undiscovered Soul”になったことで、
爽やかで切ないラストを演出しています。
日本盤、海外盤ともに揃える価値のある素晴らしい作品だと思っていますが、
はじめて聴く方には海外盤をお勧めしたいところです。
(現状サブスクにあるのも海外盤です)
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